抜け道にあった石碑の謎
抜け道がある事に気づいたんだ。
そりゃあ驚いたさ。
そんなところにあるなんて誰も思わなかった所にあったから。
その抜け穴は、僕に莫大な利益をもたらした。
でもね、ある時、思ったんだ。
この抜け穴は誰かが作った穴で、その誰かはどうなったか?って事に。
ある日、石碑を見つけた。
『この抜け穴を使って、利益を得ては行けない』
と書かれていた。
「さて」
と呟くと僕は考えた。
僕一人で考えても仕方ないので、莫大な利益を得た結果に作った会社の秘書に相談した。
腹心中の腹心だ。知的な女を匂わせない知性を持っている女だ。
彼女に抜け道の事も話して答えを待った。
暗い抜け道の中で、ランタンに照らされたその横顔は強く親しみを感じさせた。そして、
「これは罠です。手に入れた利益はすべて捨てましょう」
「はあ?!いやいやいや、何言ってるの?」
秘書は僕の耳元で、
「社長は監視されています。これは罠であると同時に試験でもあります。試験に受かりたければ、すべてを捨てるべきです。すべてを捨てなくては破滅します。ここはそう言う抜け穴です」
「そんな話、信じられない!」
僕は秘書に対して疑心暗鬼に陥った。
圧倒的な優秀さから見下ろされている物言いが、さらに疑心暗鬼に陥れた。そうやって僕からすべてを奪うつもりかも。
ただ彼女は、僕とは比べ物にならない位に、あらゆる面で優秀な人間なのは事実だった。
「さて」
と呟くと僕は考えた。
抜け穴の暗闇の中で、彼女と見つめあった。
目は口ほどにモノを言うと言うけど、現実はそんなに簡単ではなかった。
そして何も読み取れない自分に失望した。
「さて」
と彼女は呟くと何かを考えた。
完




