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抜け道にあった石碑の謎

作者: 健野屋文乃
掲載日:2026/10/03

抜け道がある事に気づいたんだ。

そりゃあ驚いたさ。

そんなところにあるなんて誰も思わなかった所にあったから。

その抜け穴は、僕に莫大な利益をもたらした。


でもね、ある時、思ったんだ。

この抜け穴は誰かが作った穴で、その誰かはどうなったか?って事に。


ある日、石碑を見つけた。

『この抜け穴を使って、利益を得ては行けない』

と書かれていた。


「さて」

と呟くと僕は考えた。

僕一人で考えても仕方ないので、莫大な利益を得た結果に作った会社の秘書に相談した。

腹心中の腹心だ。知的な女を匂わせない知性を持っている女だ。

彼女に抜け道の事も話して答えを待った。


暗い抜け道の中で、ランタンに照らされたその横顔は強く親しみを感じさせた。そして、

「これは罠です。手に入れた利益はすべて捨てましょう」

「はあ?!いやいやいや、何言ってるの?」

秘書は僕の耳元で、

「社長は監視されています。これは罠であると同時に試験でもあります。試験に受かりたければ、すべてを捨てるべきです。すべてを捨てなくては破滅します。ここはそう言う抜け穴です」

「そんな話、信じられない!」


僕は秘書に対して疑心暗鬼に陥った。

圧倒的な優秀さから見下ろされている物言いが、さらに疑心暗鬼に陥れた。そうやって僕からすべてを奪うつもりかも。

ただ彼女は、僕とは比べ物にならない位に、あらゆる面で優秀な人間なのは事実だった。


「さて」

と呟くと僕は考えた。


抜け穴の暗闇の中で、彼女と見つめあった。

目は口ほどにモノを言うと言うけど、現実はそんなに簡単ではなかった。

そして何も読み取れない自分に失望した。


「さて」

と彼女は呟くと何かを考えた。



完



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