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ダンジョン潜って美少女配信者を助けてバズるとか無かったけど、なんか凄いことになった件  作者: にがりの少なかった豆腐


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8/28

こいつら今までどこに居たんだろう

 

 美穂が俺の拠点に殴り込みに来てから数日。


 あれからいろいろ話し合った結果、いろいろあってまた配信することになった。

 正直、また配信するということに気は乗らないが、彼女の言い分もまあ理解はできる。聞くだけ聞いて何も話さずに前回終わらせてしまったのは俺だし、周囲のやつらに迷惑を掛けたいわけでもない。


 スマホはあの後新しい物に変えた。まさか、美穂にどつかれて壊れてしまうなんて想定をしていなかった。もともとだいぶ昔に買ったものだったから、少し傷んでいたのだろう。

 美穂は新しいスマホを弁償すると言っていたが、どついて来た原因は俺にあるのだからそれは断った。代わりに、スマホに疎い俺の代わりにおすすめの機種を選んでもらった。


 新しくしたことで少し使い慣れない部分もあるが、それでもこれまで使ってきたスマホよりはだいぶ性能がいいので、アプリの利用もだいぶスムーズだ。


 そんな感じで新しくなったスマホの使用感を確かめながら、ダンジョン内にある拠点から配信を開始する。


[お前何なんだよ]

[結局配信するの草]

[しないしない詐欺w]

[何か超渋々配信してますみたいな顔してる]

[こうやって視聴者増やすんですねわかります]


「いやさ、俺も本当は配信するつもりはなかったんだが、知り合いに言われてさぁ。周囲に迷惑が掛かりかねないから配信しろってさぁ。俺単体に何かしてくるなら返り討ちにすればいいんだが、知り合いを巻き込みたくはないしさぁ」


 若干棘のあるコメントが多い気もするが、気にするだけ無駄だろうとスルーし、開始の挨拶を飛ばして話始める。


[説得されたのかw]

[その知り合いありがとう]

[まあ、本当に変なことをしようとしてたやつはいたみたいだし]

[それで今日は何の配信をするんですかね]

[Op一瞬だったの草]


 なんだかんだ視聴者数を確認すればすでに2万を超える大台に乗っている。

 本当に今更だが、今まで配信していてもほとんど姿が見えなかったのに、こいつら今までどこに居たんだろうな。


「見に来てくれるのはうれしいけどさ、お前たちって今までどこに生息していたんだ? これまでせこせこ配信していても姿を見せなかったのに、生息地がよくわからん」


[生息地w]

[言い方w]

[お前がその生息地まで来てなかっただけやで]

[お前がほとんどいない場所に行っていただけでしょ]

[リサーチ不足]


 辛辣なコメントが多く流れていくが、今思えば一切否定できないので反論はしないでおく。というか反論できる要素もないし、する気もないけどな。


 さてと。普通に会話から始めたから前置きも何もないが、ささっとダンジョン攻略の方を進めていきますか。


「今日はダンジョン攻略を進めていく。ま、今日は、とは言ったが今回限りの予定で、この配信が終わり次第、完全に配信から身を引くつもりだ」


[また、やめるのやめる?]

[次の配信もしそうw]

[何という事でしょう。ここまで辞める発言が信用できなくなるとは]

[推しなら辞めないで欲しいと思うけど、こいつはどうでもいいかな]

[ダンジョン攻略ってことはあれが本当かわかるな]


 今回含め、すでにやめると言ってから2回も配信をしているから、身を引くと言っても信じてくれていなさそうだ。


「信用してもらう必要はないけどさ、前回の配信だって、俺からするとダンジョン関係ないし、ノーカン扱いだからな。今回は知り合いにやれって言われたからだし」


 信じてくれなくても一向にかまわないんだがな。別に辞める辞めないは俺の勝手だし。


[言い訳かっこ悪い]

[そうだねw]

[こいつw]

[なんで今までこういう感じの配信をしてこなかったのか]

[こういう配信ならもう少し登録者増えていたんじゃね?]


 今まで丁寧に配信していたのが馬鹿に思えるくらいチャット欄に流れるコメントの反応がいい。

 本当に配信者として活動している時にこういう状態になって見たかったものだ。


「辛辣な奴が多いけど、俺ちょっと感動してんだよな。こんなに視聴者がいる状態なんて初めてだし、コメントも今までは配信が終わってもスクロールできるどころか2、3個しかなかったから、こうやって会話出来ている状況が信じられないところもある」


 本当に配信中は虚無っていた。視聴者が来ないからコメントもないし、アーカイブとして残るから誰も居なくても何かしら話していないといけない。

 結局それが辛くてやる意味を見出せなくなったから配信を辞める決断をしたんだよな。


[雑魚配信者あるある]

[見てくれる人居ないとつらいよな]

[それは全部お前のせい]

[何が受けるかなんてやってみないとわからないからね]

[そろそろアンチコメがうざくなってきましたえ]


 気づけは視聴者数も5万近くまで増えていた。配信を始めてまだ10分も経過していないのに、本当にすぐ集まってくるな。

 

 視聴者が増えるに従い、俺に対する辛辣なコメントというよりも攻撃的なコメントも増えてきた。過去の経験からこれを放置するのが良くないことを理解しているので、ダンジョンアタックする前に一度忠告を入れておく。


「まあ言いたいことはあるだろうとここまでスルーしていたけど、そろそろ攻撃的なコメントは排除していくな。さすがに見ているお前らにとっても不快だろうし、今からはちゃんと対処していくから気を付けろよ」


[あ、何もしなかったのってそういう事だったのね]

[配信しながらでそんなこと出来るんですかねぇw]

[できないことはしない方がいいですよw]

[煽り※うぜぇ]

[最初からでもよかったのに]


 実はこの配信、荒れる可能性が高いってことで美穂がモデレーターとして見てくれている。他にも何人か美穂が連れてきて雇った人が管理してくれているので、おそらくしっかり対処してくれるだろう。


「前回の配信の文句を言いたい奴もいただろうし、さすがに最初からやると一言文句を言いたかっただけのやつらも排除しないといけなくなるからな」


[何その配慮w]

[絶対こいつが考えたやつじゃないだろ]

[コメントが削除されました]

[前回のはね、言いたくなるよね]

[もう消された奴居るwww]


 俺の提案ではないことに気づいている勘の鋭い奴もいるようだが、しっかりコメントが削除されているので、問題はないようだ。


「それじゃあ、これからダンジョンアタックをしていくかね」


 そう言って俺は拠点の中から出ることにした。

 

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