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ダンジョン潜って美少女配信者を助けてバズるとか無かったけど、なんか凄いことになった件  作者: にがりの少なかった豆腐


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最後の配信ならいつもと違うことをしてもいいよな

 

 目的のトカゲを見つけるため、森系のフィールドになっている階層の中を探索していく。

 あのトカゲはあまり数が居ないため、討伐するにはまず広いこの階層内で見つける必要がある。

 

 ダンジョンの階層の広さは、基本深くなるほど広くなっていく。今俺がいる階層はこのダンジョンの中ではかなり深い位置にあるため、無茶苦茶広くなっている。

 よく言う○○ドーム何個分とか、そういう数え方でも少々足りないほどに広大なフィールドになっているため、いくら巨大なトカゲを探そうとしてもなかなかに骨が折れる。


「居ないなぁ」


 いつもだったらもう少し早く見つけられるのだが、目的のトカゲはなかなか見つからない。

 捜索中、偶然遭遇して襲い掛かってくるモンスターも居たが、あのトカゲに比べれば雑魚同然の存在なのでサクッと討伐して、必要な物だけ回収してそのほかの物はその場に放置していく。

 とりあえず、その残した物が目印になるので、何度も同じ場所を探すようなことにはならないだろう。と言っても、一定時間経過するとダンジョンに吸収されてしまうので、ずっと残り続ける目印にはならないのだが。


「マジで見つからないんだが?」


 ほぼ探索し終えたと思ったのだが、トカゲの姿が一向に見つからない。ダンジョンの中に生まれるモンスターは固定ではないので、運が悪ければ目的のモンスターが見つからないという事は起こりうる。しかし、そう頻繁に移動することはないので、フィールド内をすべて見て周れば見つからないという事はないはずだ。


 そしてフィールドの隅々まで探索し森の中にある岩場についたところでようやく目的のトカゲに会うことが出来た。


「ようやく見つけたぞ。手間かけさせやがって。しかも2体同時とか面倒な状況じゃねぇかよ」


 やっとこ見つけたトカゲ、正確に言えばドラゴニクスというモンスターだが、そいつはめんどくさいことに2体同時に同じ場所でこちらを見下ろす形でにらみ付けてきていた。


 とはいえ、こいつは普段から討伐しているモンスターでしかない。2匹いると少々面倒くさいというだけで倒すのは余裕なのだ。


 目の前に居る2体のドラゴニクスは、俺を威嚇するように周囲の草木を揺らすほどの低い唸り声をあげながら立ち上がり臨戦態勢をとった。


「そんじゃまあ、いつも通りやろうかトカゲちゃん」


 挑発するように手でジェスチャーをしながら腰に掲げていた剣を構える。

 言葉が理解できるのか、俺が投げかけた言葉に苛立っているように片方のドラゴニクスが大きな口をあけながら、俺に向かって飛び掛かって来た。


 ドラゴニクスは体長10メートルを優に超える大型の竜種だ。そんなモンスターの突撃をもろに食らえばどんなに優秀な防具を身に着けていてもただでは済まないだろう。

 とはいえ、当たらなければどんなに脅威的な攻撃であっても意味はないのだ。


 飛び掛かって来たドラゴニクスの着地点を予想し、攻撃を回避しつつ安全に攻撃に移れる場所へ飛びのく。そして、ドラゴニクスが周囲を揺らすほどの地響きを立てながら着地した瞬間、ドラゴニクスの首目掛けて剣をしたから振り上げ一撃で胴と頭を分断した。


 一気に首を落としたことで大量の血液を被ることになってしまったがまだ油断はできない。先ほどいた場所に一瞬視線を動かせばもう1体のドラゴニクスの姿はもうそこにはなかったからだ。


 こいつらの面倒なところは空を飛べるくせに、地面を奔る速度も尋常ではないところだ。力が強く動きも俊敏、厄介な相手この上ない。

 森の中を走っている音は聞こえないため、今は上空に移動し攻撃の機会をうかがっているのだろう。

  

 奇襲されないよう、耳を澄ませ姿が見えなくなったドラゴニクスが何処から襲い掛かってきてもいいよう身構える。


「どこからでもかかって来いよ。お前もこいつと同じように一撃で屠ってやるからよ」


 本来ならダンジョンの中ではモンスターに気づかれないように静かにしておくのがいいのだが、半年も配信をしていたことで必要以上に思っていることを口に出してしまう癖がついてしまった。

 まあ、今は最後になるとはいえ配信中なので問題はないだろう。


 数瞬、静寂と思える時間を挟み、ドラゴニクスが着地したと思われる地響きが少し離れた場所から伝わって来た。そして抉るように地面を蹴る音が一気に近づいて来た。


 その音の聞こえた方へ体を向け、同時にどの方向からでも対処できるように身構える。 


 正面から高速でドラゴニクスが迫り、あと十数メートルというところで突如フェイントをかけるようにドラゴニクスが左に飛び跳ね、そこからすぐこちらに方向転換し俺を切り裂くために腕を振り下ろしてくるが、それを躱し、1体目と同じように剣を振り上げ一気にドラゴニクスの首を両断する。


「はいお疲れさん」

 

 飛び掛かって来た勢いのまま地面に崩れ落ちるドラゴニクスの体を避けつつ、剣についたドラゴニクスの血を遠心力を使って一気に振り払い腰に掲げた鞘に納める。


「2体いた時は面倒なことになりそうって思ったけど、1体ずつかかって来てくれたから楽でよかったわ。同時に来られたらちょっと面倒だったろうし」


 最初に倒したドラゴニクスの遺体に近づき、剣とは別に持っていたモンスターを解体するための大型ナイフを使い、ドラゴニクスの魔石を取り出す。

 

「なかなかのサイズだな」


 頭大とは言わないまでもそれに近いサイズの魔石が取れた。これならギルドに売れば相当な金額になるだろう。

 残ったドラゴニクスの体は持って来ていた空間拡張カバンの中にしまった。同じように2体目のドラゴニクスも処理し鞄の中にしまう。


「こいつの肉はなかなかにうまいから家に帰ったら下処理して食べることにしよう。っと、食べることを考えるより先に俺自身をきれいにするべきだったな。ウォッシュ」


 ドラゴニクスの体も回収したのでこれ以上汚れることはないだろう。俺が使える数少ない魔法の1つを使って全身についてしまったドラゴニクスの血液を洗い流す。


 魔法がしっかり発動したか軽く確認して問題なさそうだったので、そのまま締めの挨拶に移る。


「それじゃあ、これで俺の配信者生活は終わりだ。アーカイブで見てくれている人はできれば最後の配信ってことで、いいねの1つでもつけてくれるとい嬉しい。ここまで見てくれてありがとうな」


 そこまで言って俺は配信の締め動画を流して配信を終えた。


[ええ……なにこれ?]


 その久しぶりに来たそのコメントに気づくこともなく、俺はそのまま配信画面を閉じ、帰路についたのだった。

 

次話は掲示板回となります。

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