第69話:新年の誓い
雲の上の、とある静かな朝。新しい年が、始まりました。
執務室の窓から、美しい初日の出が見えます。金色の光が、雲海を照らしていました。
「綺麗ですね」ノエルは、窓辺で呟きます。
「ええ」ガブリエル嬢の声が、優しく響きます。
彼女も、窓辺に立っていました。二人で、初日の出を眺めています。
「新しい年ですね」ガブリエル嬢が、小さく言います。
「はい」ノエルは、頷きます。
しばらく、黙って光を見つめていました。静かで、穏やかな時間。
その時、扉がノックされました。
「おはようございます」パヌエルの明るい声が、聞こえます。
「おはようございます」ガブリエル嬢が、答えます。
「みんなで、新年のお茶会をするんです」パヌエルは、嬉しそうに言います。「二人も、どうですか」
「お茶会ですか」
「はい」パヌエルは、頷きます。「新年の抱負を、みんなで話し合おうって」
「良いですね」ガブリエル嬢は、優しく微笑みます。「参りましょう」
大聖堂の休憩室へ向かうと、すでに何人かの天使が集まっていました。ミカエル、ラファエル師匠、ウリエル、サリエル、ラグエル。
「おお、ガブリエル嬢も来たか」ミカエルが、威厳のある声で言います。
「新年おめでとうございます」ガブリエル嬢が、丁寧にお辞儀をします。
「おめでとう」みんなが、口々に返します。
テーブルには、お茶とお菓子が並んでいました。ウリエルが、準備してくれたようです。
「では、座りましょう」パヌエルが、みんなを促します。
みんなで、テーブルを囲んで座ります。温かいお茶が、配られました。
「新年おめでとうございます」パヌエルが、改めて言います。「今年も、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」みんなが、声を揃えます。
お茶を一口飲んで、パヌエルが続けます。
「では、一人ずつ今年の抱負を話しませんか」
「良いですね」ウリエルが、頷きます。
「では、私から」ミカエルが、口を開きます。「今年は、若い天使たちの育成に、より力を入れたい」
「素晴らしい目標ですね」ガブリエル嬢が、優しく言います。
「次は」パヌエルが、ラファエル師匠を見ます。
「そうですね」師匠は、のんびりと考えます。「今年も、焦らず、優しく、着実に。みんなを癒せたら良いなと」
「ラファエルらしいですね」サリエルが、微笑みます。
「では、私は」ウリエルが、静かに言います。「お茶会を、もっと充実させたいです」
「期待しています」ガブリエル嬢が、嬉しそうに言いました。
「私は」サリエルが、真面目な顔で言います。「今年こそ、方向音痴を克服したいです」
みんなが、温かく笑います。
「頑張ってください」ガブリエル嬢が、励まします。
「私は」ラグエルが、穏やかに言います。「今年も、みんなを許し続けたいです」
「それは、いつも通りですね」パヌエルが、微笑みます。
「では、ガブリエル嬢は」パヌエルが、尋ねます。
ガブリエル嬢は、少し考えます。そして、優しく微笑みました。
「今年も」彼女の声が、穏やかに響きます。「ゆっくりと、でも着実に」
「ガブリエル嬢らしいです」ミカエルが、微笑みます。
「お昼寝も、ちゃんとしますか」パヌエルが、からかうように言います。
「もちろん」ガブリエル嬢は、真面目な顔で答えます。「それは、欠かせません」
みんなが、また笑います。温かい笑い声が、部屋に響きました。
「では、ノエルさんは」パヌエルが、こちらを見ます。
ノエルは、少し緊張します。みんなが、こちらを見ています。
「私は」ノエルは、ゆっくりと言います。「ガブリエル嬢を、もっとお支えできるように。そして、皆さんとの時間を、大切にしたいです」
「良い目標ですね」ラファエル師匠が、優しく言います。
「ノエルなら、できますよ」ガブリエル嬢の声が、温かく響きました。
ノエルの胸が、ふわりと温かくなります。
「では、今年も」パヌエルが、お茶を掲げます。「みんなで、頑張りましょう」
「ええ」みんなが、お茶を掲げます。
静かに、お茶を飲みます。新年の誓いを胸に、これからの一年への期待を込めて。
お茶会は、和やかに続きました。去年の思い出話。楽しかったこと。面白かったこと。
「そういえば」サリエルが、言います。「初雪の日の雪合戦、楽しかったですね」
「ああ」ミカエルが、頷きます。「あれは、良かった」
「冬至の光祭りも、素晴らしかったです」ウリエルが、静かに言います。
「ガブリエル様が、最後まで起きていたのには驚きました」パヌエルが、笑います。
「あの時は」ガブリエル嬢は、少し照れたように笑います。「頑張りました」
みんなが、微笑ましく笑います。
「今年も」ガブリエル嬢が、優しく言います。「みんなで、良い思い出を作りましょう」
「はい」みんなが、声を揃えます。
やがて、お茶会も終わりに近づきました。
「では、私はこれで」ミカエルが、立ち上がります。
「私も」ウリエルも、席を立ちます。
一人、また一人と帰っていきます。みんな、満足そうな顔でした。
執務室に戻ると、ガブリエル嬢は窓辺に立ちます。外を、静かに眺めていました。
「新年のお茶会、良かったですね」ノエルが、言います。
「ええ」ガブリエル嬢は、微笑みます。「みんなの抱負を聞けて、嬉しかったです」
「ガブリエル嬢の抱負も、素敵でした」
「ゆっくり、でも着実に」彼女は、小さく繰り返します。「それが、私のやり方ですから」
ノエルは、微笑みます。確かに、彼女らしい。
「ノエルの抱負も」ガブリエル嬢が、こちらを見ます。「嬉しかったです」
「そうですか」
「ええ」彼女の声が、温かく響きます。「これからも、一緒に頑張りましょう」
「はい」ノエルは、心から答えます。
二人は、また窓の外を眺めます。新年の光が、雲海を優しく照らしていました。
「良い一年になりそうですね」ガブリエル嬢が、小さく呟きます。
「はい」ノエルは、頷きます。
ガブリエル嬢のそばで、これからも。その想いが、自然に湧いてきました。
尊い、と。心の中で、そっと呟きます。
「……では、少し」ガブリエル嬢が、雲クッションに歩いていきます。「お昼寝します」
「もう、ですか」ノエルは、思わず笑います。
「新年の抱負ですから」彼女は、真面目な顔で言います。「お昼寝は、欠かせません」
ノエルは、微笑みます。新年早々、変わらない彼女。それが、とても嬉しい。
「わかりました」ノエルは、優しく答えます。
ガブリエル嬢は、雲クッションに座ります。そして、目を閉じました。すぐに、穏やかな寝息が聞こえてきます。
ノエルは、そっと見守ります。新しい年が、始まりました。ガブリエル嬢と一緒に、また歩んでいく。
その想いを胸に、ノエルは自分の仕事を始めます。今年も、良い一年にしよう。そう思いながら、静かに筆を走らせました。
窓の外では、新年の光が優しく輝いています。今日も、良い一日でした。そう思いながら、ノエルは穏やかに微笑みました。
## あとがき
新しい年への想い。みんなの抱負と、それぞれの願い。ガブリエル嬢らしい「ゆっくり、でも着実に」が、心に温かく残る新年の朝となりました。




