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第46話:もっと強くなるために

雲の上の、とある朝。


ノエルは訓練場に向かう道を歩いていました。

昨日の任務を思い返しながら、考えています。


「もっと強くなれたら、良いな」


つぶやきが、雲間に消えていきました。


任務を終えて感じたこと。

自分にできることは、まだまだ少ない。

もう少し、色々できるようになりたい。


そんな気持ちが、ぼんやりとありました。


訓練場に着くと、ラファエル師匠がいました。


「あ、ノエルさん」

「おはようございます、師匠」


挨拶を交わします。

師匠は、いつものようにゆったりとした雰囲気でした。


「今日は、どうしました?」

「その……相談があって」


ノエルの言葉に、師匠が興味深そうに頷きます。


「何でしょう?」


ノエルは、昨日の任務のことを話しました。

無事に終えられたこと。

でも、もっとできることがあれば良いと思ったこと。


「なるほど〜」


師匠は静かに聞いていました。


「それで?」

「もう少し、強くなりたいんです」


ノエルの言葉に、師匠が微笑みます。


「良い心がけですね」

「教えていただけませんか?」


その問いかけに、師匠は頷きました。


「もちろんです。では、始めましょうか」


訓練が始まりました。


まずは、基本的な動作の確認です。

飛行の姿勢、力の使い方、魔力の流れ。


「そうですね、良い感じです」


師匠の声に励まされながら、ノエルは動きます。


「次は、もう少し高度な技術を」


師匠が新しい技を見せてくれました。

魔力を集中させて、一点に放つ技です。


「こんな感じで〜」


師匠の手から、光が放たれます。

美しい軌跡を描いて、的に命中しました。


「すごい……」


ノエルは感嘆の声を上げます。


「やってみますか?」

「はい」


ノエルも同じように試してみました。

でも、うまく魔力が集まりません。


「あれ……」


困惑するノエルに、師匠が近づきます。


「焦らないで。少しずつで良いですから」


その言葉に、ノエルは頷きました。


「はい」


もう一度、挑戦します。

今度は、ゆっくりと魔力を集めていきました。


「そう、その調子です」


師匠の声に導かれて、集中します。

手のひらに、光が集まってきました。


「できた……?」


小さな光でしたが、確かに形になっています。


「良いですね。初めてにしては上出来です」


師匠の言葉に、ノエルは嬉しくなりました。


訓練は続きます。


何度も繰り返して、少しずつ上達していく。

時々失敗しても、師匠は優しく見守ってくれます。


「大丈夫、大丈夫」


その言葉が、ノエルを支えていました。


お昼休みになりました。


二人で雲のベンチに座ります。

師匠が、水筒を差し出してくれました。


「どうぞ」

「ありがとうございます」


冷たい水が、喉を潤します。


「疲れましたか?」


師匠の問いかけに、ノエルは首を振りました。


「いえ、まだ大丈夫です」

「無理はしないでくださいね」


その優しさが、ノエルには嬉しく感じられます。


「師匠は、いつもこんな風に教えているんですか?」


ノエルの質問に、師匠が微笑みました。


「そうですね〜。焦らず、優しく、着実に」

「その言葉、好きです」


ノエルの言葉に、師匠が嬉しそうに頷きます。


「ありがとうございます」


休憩が終わって、午後の訓練が始まりました。


今度は、防御の技術です。

相手の攻撃を受け流す方法を学びます。


「力で受け止めるんじゃなくて、流すんです」


師匠の説明を聞きながら、ノエルは実践します。


最初はうまくいきませんでした。

でも、何度か繰り返すうちに、コツがつかめてきます。


「あ、今の良かったです」


師匠が褒めてくれました。


「本当ですか?」

「ええ、ちゃんと流せていました」


その言葉に、ノエルは自信がつきます。


夕方になる頃、訓練が終わりました。


「今日は、ここまでにしましょう」


師匠の言葉に、ノエルは頷きます。


「ありがとうございました」

「どうでしたか?」


その問いかけに、ノエルは考えました。


「楽しかったです」

「それは良かった」


師匠が微笑みます。


「また来てください。いつでも教えますから」

「はい、お願いします」


訓練場を出る時、ノエルは振り返りました。

師匠が、手を振っています。


「また明日〜」


その声に、ノエルも手を振り返しました。


帰り道、ノエルは今日のことを振り返ります。


新しい技を習った。

少しだけ、できることが増えた。

それだけで、嬉しい気持ちになります。


「もっと強くなれたら、良いな」


またそう思いました。

でも、焦る必要はありません。


「焦らず、優しく、着実に」


師匠の言葉を心の中で繰り返します。

少しずつで良い。

そう思えることが、大切なのでしょう。


自室に戻って、日記を書きました。


「ラファエル師匠に訓練をつけてもらった。新しい技を習った。少しずつ、やれることが増えていく」


そう書きながら、ノエルは明日が楽しみでした。


窓の外を見ると、夕日が沈んでいきます。

雲海が、赤く染まっていました。


明日も、訓練に行こう。

師匠のところへ。


そんなことを考えながら、ノエルは穏やかな気持ちになっていました。


強くなりたい。

でも、焦らない。


そのバランスが、今の自分には大切です。


雲の上の夜は静かに更けていきます。

ノエルの心には、静かな充実感がありました。


明日も、頑張ろう。

そう思いながら、ノエルは眠りについたのでした。

## あとがき


強くなりたいという気持ちは自然なものですね。でも焦らず、少しずつ。ラファエル師匠の教えのように、ゆっくりと確実に進んでいけば良いのでしょう。ノエルもまた一歩、前に進めたようです。

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