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第37話:「師に認められた成長」

訓練場での午後の時間は、いつものようにラファエルの穏やかな指導で続いていました。


ノエルが師匠のもとで飛行技術や護身術を学び始めてから、もう数か月が経ちます。


「今日も飛行訓練からいきましょうか」


師匠の優しい声に、ノエルは慣れ親しんだ安心感で頷きました。


「はい、よろしくお願いします」


翼を広げて空に舞い上がると、以前とは明らかに違う安定感がありました。最初の頃のふらつきは、すっかり影を潜めています。


「おお、とても安定していますね」


下から見上げるラファエルの声に、ノエルは嬉しくなりました。


「焦らず、優しく、着実に、ですね」


師匠の指導方針を確認しながら、ノエルは丁寧に飛行を続けます。


「そうです。でも、もう『焦らず』は必要ないかもしれませんよ」


ラファエルの言葉に、ノエルは少し驚きました。


「え?」

「十分に落ち着いて飛べるようになっています」


地上に降り立つと、師匠が満足そうに頷いてくれました。


「最初の頃を思い出すと...」


ラファエルが懐かしそうに語り始めます。


「ふらついて、なかなか高度が上がらなくて」

「はい、情けなかったです」


ノエルも当時を思い出して苦笑いしました。


「でも、諦めずに続けてくれましたね」

「師匠が優しく教えてくださったから」


その頃の自分を思い出すと、今の成長が信じられません。


「今度は護身術も確認してみましょう」


次の訓練に移ると、ここでもノエルの上達ぶりが現れました。


模擬攻撃に対する回避動作も、防御魔法の展開も、以前より格段にスムーズです。


「素晴らしい」


ラファエルが本当に嬉しそうに微笑みました。


「反応速度も、判断力も、とても向上しています」


師匠の具体的な評価に、ノエルの胸が温かくなります。


「着実に成長していますね」


その言葉を聞いた瞬間、ノエルは深い満足感に包まれました。


「本当ですか?」

「ええ。もう立派な中級天使といっても良いレベルです」


中級天使。その響きに、ノエルは感慨深いものを感じました。


「師匠のおかげです」

「いえいえ、あなたの努力の結果ですよ」


ラファエルが謙遜しますが、ノエルは首を横に振りました。


「師匠の『焦らず、優しく、着実に』があったから」

「そう言ってもらえると、指導した甲斐があります」


師匠の心からの笑顔を見て、ノエルも嬉しくなりました。


「あれ?今日は何の訓練でしたっけ?」


突然の天然発言に、ノエルは慣れた様子で答えます。


「飛行と護身術です、師匠」

「そうでしたそうでした」


この天然なやり取りも、今では愛おしい日常の一部でした。


「これからは、もっと高度な技術も教えられそうですね」


ラファエルが期待を込めて言いました。


「はい、頑張ります」


ノエルの返事には、以前にはなかった自信が宿っていました。


「(僕も、少しずつ強くなっているんだ)」


訓練を終えて執務室へ戻る道すがら、ノエルは今日の手応えを噛みしめていました。


師匠から成長を認められた喜び。そして、自分でも感じる確かな上達。


「(ガブリエル様を、もっとちゃんとお守りできるかもしれない)」


近侍として、もっと頼りになる存在になりたい。そんな気持ちが、胸の奥で静かに燃えています。


執務室に到着すると、ガブリエル嬢がいつものように雲クッションで微睡んでいました。


「(この人を守れるよう、もっと強くなろう)」


師匠に認められた成長を励みに、ノエルの決意は新たになっていました。


「尊い...」


いつもの口癖が、今日は成長への感謝と、守りたい人への想いを込めて響きました。


窓から見える夕日が、ノエルの新しい自信を優しく照らしていました。


師匠から認められた成長は、彼にとって大きな転機となりそうでした。

## あとがき


数か月間の訓練の成果を師匠ラファエルに認められたノエル。「着実に成長していますね」の言葉に、天使として少しずつ自信をつけ始めます。ガブリエル嬢を守りたいという想いも強くなり、頼もしい近侍への道を歩んでいます。

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