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94 魔族がやって来た

 今日もいつも通り、眠くて退屈な会議に出席している。

 しかし、今日は思いも寄らないことが起こった。最近国家連合会議に加盟した小都市グレンザの代表者が持って来た案件で、場が騒然となった。


「我が都市は魔族領と接しており、魔族との交易が盛んで、魔族の居住者も多くいます。その関係で、魔族の代表者が我が都市に来て、『お前たちの代表者に会わせろ。話がある』と言ってきたのです。それで、ご相談を・・・」


 チャールズが質問する。


「用件は何でしょうか?」

「それが分からないのです」

「わざわざアオイ殿が出向く必要があるのですか?」

「そ、それが・・・」


 グレンザの代表者は、言いにくそうにしながらも言った。


「魔族の使者は『弱そうな奴とは話はしない』と言って、詳しくは教えてくれませんでした。魔族は力こそすべてと思っているようで、魔王の使者である自分が弱そうな奴と交渉することはできないとのことでした」

「それではなぜ、アオイ殿なのですか?」

「魔族が言うには、トップである魔王はかなりの強者らしいのです。だからこの国家連合会議のトップならかなり強いだろうと思っているようで・・・」


 話の流れ的に私が行かないといけないような気が・・・


 各国の代表者は、これ幸いとこの提案を支持する。


「やはり議長である聖女殿が交渉されるのがいいと思います」

「そうだな。聖女殿はお強いからな」

「うむ・・・我が帝国が出向いてもいいのだが、ここは一つ聖女殿に任せよう」


 みんな厄介ごとに首は突っ込みたくはないようだ。


「分かりました。とりあえず、話だけはしますよ」


 一応議長だし、議長の給料を貰っている手前、断れなかった。



 ★★★


 グレンザに向かうのは、私、ミウ、ダクラ、ノーリたちサポーターズ、カリエス配下の精鋭冒険者たち、そして、クルミだ。なぜクルミが同行することになったかというと、それは私と一緒に勇者召喚された高校生たちの情報を得るためだ。恥ずかしい話、クルミに言われるまですっかり忘れていた。


 移動はルージュとフェルス、それとシュルト山に住んでいる他のドラゴンたちが手伝ってくれた。なので、半日もしない内にグレンザに到着した。

 到着して早々、ルージュが言う。


「ここでは、何が食べられるのじゃ?」


 相変わらず、食いしん坊だ。


「そうね・・・聞いた話だと肉料理が中心らしいわよ。魔族領から格安で魔物肉を仕入れているらしいわ。具体的な料理は分からないけど」

「ほう・・・それは楽しみじゃな。早速、食べに行くとしよう」

「それは仕事が終ってからね」

「嫌じゃ。わらわはすぐに食べたいのじゃ」


 本当に我儘だ。

 仕方なく、ノーリたちにルージュの面倒を見てもらうことになった。これにはフェルスや他のドラゴンたちも同行することになる。


「ノーリよ。経費で落ちるようじゃから、高級店に連れて行くように」

「分かったッス。とりあえず、その辺で聞いてみるッス」


 ルージュたちは、行ってしまった。


 気を取り直して、私たちは町の中心にある領主館に向かった。

 領主館では、領主自ら出迎えてくれる。


「本当に困っていたのです。代表者を連れて来ないと、取引を停止すると言われまして・・・」

「何か心当たりはありますか?」

「それがないんですよ。取引も上手くいっていますし、彼らを怒らせるようなこともしてませんし・・・」


 クルミが耳打ちをしてくる。


「もしかしたら、レンたちが何かしたのかもしれませんね」


 私もそう思う。

 それとなく、領主に聞いてみる。


「ところで、この町に勇者パーティーは来ましたか?」

「勇者パーティーですか?来てないですね。もし来ていたとしても、私と面会はしてませんよ。そういえば、勇者パーティーを作るとか、作らないとかいう話が少し前にありましたね・・・」


 理由が分からない以上、魔族に直接聞くしかない。

 領主の案内で、私たちは魔族と面会することになった。


 魔族の代表者は、筋肉隆々の大柄な女性だった。身長が2メートル以上ある。その取り巻きも体が大きい。見ただけで、力が強そうだと分かる。

 領主が紹介をしてくれる。


「こちらはオーガ族のオグレス殿です。オグレス殿、こちらの方が・・・」


 言い掛けたところ、オグレスが遮った。


「ほう・・・ダークエルフかい?ダークエルフには強者が多いからね。早速、手合わせを・・・」


 ダクラが言う。


「私はダクラ、だが代表者は私ではない。こちらのアオイだ」


 オグレスは激怒する。


「何だと!?そんな弱そうな奴がか?」


 私はスキルが使える以外、一般の女性と変わりはない。弱そうではなく、確実に弱い。


「初めまして、国家連合会議の議長をしておりますアオイです。この度は・・・」


 言い掛けたところで、オグレスは怒鳴る。


「ここまで、コケにされたのは初めてだ。もう我慢ならん!!おい、お前。決闘だ」


 全く意味が分からない。

 どういう訳か、私はこのオグレスと決闘することになってしまった。

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