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鋼鉄の聖女~勇者召喚されたOLですが、不遇なジョブの所為で追放処分を受けました。でも実は、私のジョブは最強のようで、いつの間にか無双しちゃってます。  作者: 楊楊
第五章 大陸統一

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91 帝国の聖女

 ボンバーロック作戦は上手くいった。いや・・・上手く行き過ぎたというべきか・・・


 国境沿いに配備されていた帝国軍の二部隊、第二皇子と第三皇子が率いている帝国軍部隊は、既に侵攻を諦めて、帰還しているという。そもそもの話、軍事訓練という表向きの理由だから、ここで撤退することは、ある意味正解かもしれない。無駄に戦力を浪費する必要はないからね。


 ただ、皇位継承権争いで一番の有力候補である第一皇子の部隊は未だに侵攻を諦めていない。

 情報によると、ここで一気に皇太子の座を掴み取りたいという思惑があるようだった。

 チャールズが言う。


「第一皇子の部隊は、かなりしぶといですね。このままだと、死者が出るかもしれませんが・・・」


 どうしても引けない理由でもあるのだろうか?


 第一皇子の部隊が展開しているのは、ルクレア共和国との国境付近だ。

 なので、私たちは大半の時間を国境沿いの町ルメンダにいる。領主館の一室を借り切って、今も対策会議をしているのだが・・・


 そんな中、情報部隊員から情報がもたらされた。

 ミウが驚きの声を上げる。


「なんだって!?徴募兵を捨て駒にして、ボンバーロック地帯を抜けようとしているなんて、信じられないニャ!!」


 一体何を考えているんだろうか?


 チャールズが解説してくれる。


「第一皇子は、皇位継承レースでかなり有利な位置につけているというのが定説でしたが、カイン皇子に確認したところ、ここ最近は多くの失態を犯しており、かなり焦っているとのことでした。なので、何が何でも成果を上げようと必死なのです」


「そんな・・・それで多くの徴募兵を犠牲にしていいわけがありません。それにそんな考えの者が皇帝になれば、大変な事態になるのではないでしょうか?」


「いい噂は聞きませんね・・・これなら、冷静に情勢を読んで、撤退した第二皇子か第三皇子のほうがマシです」


 ダクラが言う。


「向こうの理由はこの際どうでもいい。問題は私たちがどうするかだ」


 そんな時、会議に参加していた、アベル皇子が声を上げた。


「僕に兄上を説得させてください。どうにかして、侵攻を諦めてもらいます」


 チャールズが言う。


「アベル皇子が説得に向かうことに反対は致しません。しかし、こちらはこちらで対抗策を打ちますよ」

「分かりました。それで構いません」


 会議の結果、しばらくは静観し、いつも通り、ボンバーロックを補充していくということになった。

 アベル皇子はというと、会議終了後ピーコに乗って飛び立った。


 ★★★


 それから3日後、落ち込んだ様子でアベル皇子がやって来た。


「すみません・・・説得には失敗しました。というのも、兄上は冷静さを完全に失っているのです」


 アベル皇子によると、徴募兵と正規軍との間で頻繁にもめ事が起こり、部隊は崩壊寸前だという。

 それは撤退した他の部隊にも同じことなのだが、更に輪をかけて、第一皇子の部隊は無理に進軍したため、ボンバーロックに囲まれて、身動きが取れなくなっているという。


「それで、どうせ犠牲が出るなら、このまま無理に攻め入ろうと言って、話も聞いてくれないのです。幸い、側近の騎士が話が分かる者で、何とか諫めてくれているのですが、それも限界のようです」


 何とかならないだろうか・・・


 ミウが言う。


「そんな状況なら、助けてあげてもいいと思うニャ。こっちにはドラゴンもいるし、アオイもいるからニャ」


 ルージュも続く。


「うむ。人助けであれば、わらわたちも動けるぞ。食料くらいは運んでやろう。ただ、報酬は別で貰うがな」


 しかし、アベル皇子が待ったを掛ける。


「有難い話ですが、頑なな兄上には逆効果です。無理に攻め込もうとして、逆に敵に助けられたとなったら、もう皇位継承権争いからは脱落するでしょう。そうなると、短絡的な行動に・・・」


「だったらどうすればいいのニャ!?このまま全滅するのを待てばいいのかニャ?」


「そ、それは・・・」


 そんな時、ダクラが意見を言う。


「私たちは冒険者だ。となると、依頼ということにすればいい」

「帝国軍の救出依頼なんて、誰が出すんですか!?」

「救出依頼ではない。駆除依頼だ。ボンバーロックのな」


 ダクラの案はこうだ。

 ボンバーロックが国境沿いに大量に出現したことで、ボンバーロック駆除にかなりの実績がある私たちに依頼を出してもらう。依頼者はこの町の領主にでもしてもらえばいい。そして、ボンバーロックの駆除をしている過程で、偶々立ち往生している帝国軍部隊を救出するといった流れにする。


「いい案だと思うわ」

「私もニャ」


 チャールズが言う。


「それで行きましょう。くれぐれも偶然を装ってください。何も知らない状況で、ボンバーロックを駆除していたという体にして。それならば、いきなり襲ってくることはないでしょう」


 アベル皇子が言う。


「帝国軍には、怪我人や病人が多数出ているんです。できれば早めに・・・」


「分かったわ。チャールズさん、すぐに手続きをお願いします」


「お任せください」


 こうして私たちは、自分たちで撒き散らしたボンバーロックを駆除することになったのだった。

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