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100 盗賊再び

 魔王国との交流は更に活発になる。

 私たちだけでなく、多くの国の外交官などが魔王国を訪問するようになる。そういった経緯で、魔族=野蛮で危険という偏見は徐々にだが、無くなっていった。

 しかし、高校生勇者たちの情報は一向に集まらない。私もクルミも、魔王やオグレスの案内で、魔王国の他の町に足を運んでいるが、どの町に行っても、高校生勇者たちの情報は得られなかった。


 クルミも心配そうに言う。


「一体、レンたちはどこに行ったのでしょうか?」

「そうね・・・ここまで情報が集まらないことは不自然ね。魔王国が隠しているわけでもないでしょうし・・・」


 そんな話をしているところにスタッフが駆け込んで来た。


「大変です!!グレンザ付近でまた盗賊が出没しました!!」


 詳しい報告を聞くと、一時盗賊被害はなくなっていたのだが、最近、盗賊行為が活発になったようだ。


「それも今回は規模が違います。それに盗賊は誰彼構わず商隊を襲撃してくるんです」


 一緒に報告を聞いていたダクラが言う。


「盗賊にしてはおかしいな。そんなことをすれば、討伐対象になってしまう。何が目的なんだろうか?」

「それは私もそう思う。良い悪いは別にして、盗賊も商売なわけだからね・・・」


 対応策を検討しているところにチャールズが報告に来た。


「別件なのですが、こちらも報告があります。旧レイア教会の関係や彼らに従っていたり、利用していた貴族たちが各国で行方不明になっているのです。すぐに対策を取らなければならならい案件ではないのですが、一応耳に入れておこうかと・・・」


 みんなが私を見てくる。

 グレンザの事件も旧レイア教会の関係者が行方不明になった事案も、正直、私たちにはあまり関係ない。シュルト山からは遠く離れているし、直接被害はないからね。でも、ここで何もしないという選択肢は、聖女設定の私にはない。


「分かりました・・・とりあえずは、グレンザに向かいましょう。問題は一つ一つ解決することが大事ですからね」



 ★★★


 グレンザに到着すると、すでに領主とオグレスとで協議をしていた。

 そこに私たちが加わる形になる。まずは、領主から詳しい説明を受けた。


「被害に遭った者から事情聴取したのですが、盗賊というか、軍隊に近かったそうです。弱い相手だと、金品を根こそぎ奪っていき、自分たちが敵わない相手だと判断したら、迷わず撤退するようです」


 オグレスが続く。


「仕方ないから、オーガも護衛に就くようになったんだけど、私たちがいるときは、まず襲って来ないんだ。襲ってきても挑発程度だよ。アオイに教えてもらった瞑想と太極拳のお蔭で、何とか耐えているけどね」


 どういうことだろうか?


 オグレスが言うには一度、相手の挑発に乗って、逃げていく盗賊を追いかけて行ったオーガの護衛がいたらしい。そのオーガは盗賊たちを捕縛することができず、商隊の場所に戻ってみると、別動隊に襲われて金品を奪われたようだ。

 それ以後は、挑発されても商隊の護衛を最優先にすることを通達したらしい。


「こういう時のために、アオイは私たちに瞑想と太極拳を教えてくれていたんだね?」

「そ、そうね・・・」


 全くそんなことは思わなかったけど・・・


「そういうわけで、私たちも困っているんだ。正々堂々と向かって来てくれたら何とでもなるんだけどね。私たちがずっと護衛するわけにもいかないし、護衛をすればストレスが溜まるし・・・」


 領主も続く。


「冒険者も高ランクパーティーを複数用意しないと太刀打ちできませんし、領兵を護衛に使うのも限界があります。何か一網打尽にする方法があればいいのですが・・・」


 そんな時、ミウが自信満々に言う。


「だったら、いつもの作戦をやればいいのニャ!!」


 いつもの作戦?

 嫌な予感がする・・・


 ミウの説明を聞くと、思った通りだった。

 領主が驚愕する。


「そ、そんな危険なことを!?本当によろしのですか?」


「大丈夫ニャ。アオイに不可能はないニャ」

「うむ。これで私たちは数々の難敵を打ち倒し、依頼を達成して来たんだ」


 まあ、それはそうなんだけど・・・


 オグレスが言う。


「流石にアタイもそんな真似はできないよ・・・やはりアオイは凄いな・・・」


 オーガ最強のオグレスにまで、ドン引きされている。


 まあいいわ。やればいんでしょ?

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