ポイズン・キス
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛です。ガールズラブなので、R15です。
苦手な方はご注意下さい。
恋愛描写はないですが、それっぽいものがあるので、タグ付け行います。
今死んでも構わないと思って生きている。未練と言ったら、行きたい場所に行けなかったとか、美味しいもの食べ損ねたぐらいで、ぶっちゃけそこまで執着はないと思っている。
死ぬ時の痛み、また予期不安さえなければ、文句は何一つない。
「貴方、死にたいの?」
女性が私にそう問い掛ける。黒いベールを被った妖艶な女性だった。
私は彼女の問に少し詰まったものの、また、静かに口を開く。
「自分の死に様、沢山想像してきたの。頭かち割られるのかも知れない。肉片にされるかも知れない。……でも何時も思うのは、ぽっくり逝くか、眠る様に死にたい」
死ぬ時の事は分からない。どう死ぬかも分からない。けれども何時も夢想するのは、安からな死だった。ぽっくりでも、安らかにでも、何方でも構わない。痛くなければ、死を予兆させなければ、なんでも良い。
彼女は私の発言に満足した様だった。そのぽってりとした唇を三日月に歪めると、私の頬を両手で包み込む。
「その願い、叶えてあげましょう」
次に何をするかは明白だった。顔が段々と近付いてきて、私の唇に自分のものを押し当てた。キスされたと理解するまでそう時間は掛からなかった。
唇が離れると、力が抜けてその場で崩れ落ちた。何をする気も起きない。ただ体が微睡んでいる事だけは分かった。
「唇に毒を塗ってあるの。私とキスした人は皆、眠る様に死んでいくの。体の力が入らなくて、意識だけが残される。そして段々と眠くなって、最後には意識までも手放す事になる。貴方が望んだ死はどう?」
不思議な感じ。死を突きつけられるのはとても怖い。けれども眠りに落ちる感覚とよく似ているから、心地が良い。ただただ微睡む様に落ちていく。
夢から覚める。朝日が顔を出していた。まだ、死ぬには足りなかったようだ。
昨日こんなに夢を見たんですよ。
女の人にキスされて、殺される夢。
唇に毒を塗ってあり、ゆっくり体を蝕まれる夢。
体に力が抜けて言って、金縛りの様動けなくなりました。
後は段々と意識が遠のく夢。
死んだのか死んでないのかは分かりません。
幽体離脱と似たような感じでもあったので。
また生きていたので、中華を食べたいです。