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ぽつんと家康  作者:


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54/80

手習(てならい)

 具足よろいわったところで、立花たちばな宗茂むねしげふたたび思う。


(ここに来て正解せいかいだった)


 なにせ、東軍最強の本多ほんだ忠勝ただかつと戦うことができるのだ。心の中で笑いがまらない。


 この直後に、せきはらきた狼煙のろしがった。


「あれは陽動ようどうだな」


 立花たちばな宗茂むねしげがつぶやくと、


「だな」


 小早川こばやかわ秀秋ひであきにもまよいはない。あれは見えいている。


「じゃあ、おれは行くぞ。そのあたりにいるうま一頭いっとう適当てきとうりていく」


 言いわるよりも先に、立花たちばな宗茂むねしげは走り出していた。


 その背中せなかが小さくなっていく。


 それを見ながら、小早川こばやかわ秀秋ひであきは考えた。


てもってもいられない、ということか)


 まさに戦闘せんとうきょう


 とはいえ、東軍最強の本多ほんだ忠勝ただかつが相手だ。あの男を単独たんどくてる可能性かのうせいがあるとしたら、西軍せいぐんないではおそらく、「立花たちばな宗茂むねしげ」が筆頭ひっとうになる。あとは、「島津しまづ義弘よしひろ」か「真田さなだ幸村ゆきむら」か。


(さすがに、おれの手にはえん)


 怪物かいぶつの相手は怪物かいぶつまかせた方がいい。


 すでに立花たちばな宗茂むねしげ姿すがたは見えなくなっている。


 が、小早川こばやかわ秀秋ひであきは声をげた。


達者たっしゃでなー!」


 すると、立花たちばな宗茂むねしげが走りった方向ほうこうから、部下ぶか悲鳴ひめいうまのいななく声がこえてくる。


 何がきたのかをばやさっした。


うまくらい、しずかにりていけばいいものを)


 と同時に、こうも思う。


(ああしてあらっぽくりることで、こちらの声に答えたつもりか)


 あれが立花たちばな宗茂むねしげなりの返事。


 優男やさおとこ微笑びしょうすると、せきはらながめる。


 今やせきはらきただけでなく、ひがしでも狼煙のろしがっていた。


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