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ぽつんと家康  作者:


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33/80

梅枝(うめがえ)

「今のところ、捕虜ほりょとして仮設かせつおりれられている模様もようです。まだころされてはおりません」


 レンゲではなく、他の者が答えた。


 服部はっとり半蔵はんぞうは考える。


 やはり、ただ島津軍てきに見つかっただけではなく、それ以上の何かがあったらしい。


 こういう場合、普通ふつうなら、「そのけんもっともくわしい者」が答える。島津しまづぐん情報じょうほうなら、そのじん潜入せんにゅうしていた「レンゲ」になるはず。


 しかし、他の者が答えた。これはみょうだ。


「何があった?」


 レンゲはだまったままだ。部下ぶかの一人が服部はっとり半蔵はんぞうみみちしてくる。


 その報告ほうこく概要がいようだけだったが、それでも少しながめのみみちになった。


 にわかにはしんじがたい内容ないように、服部はっとり半蔵はんぞうは考えむ。


 そんな様子ようすを目にして、不安にられたのか、


半蔵はんぞう、何があった?」


 本多ほんだ忠勝ただかついてくる。


島津てきわなという可能性かのうせいもあるが・・・・・・」


 ただし、その場合であっても、


「もうしばらくは、殿とのころされることはないだろう」


 服部はっとり半蔵はんぞうは答えた。


「で、どうします?」


 みみちしてきた部下ぶかが、レンゲの方をちらりと見る。


 ロープしばられている彼女。その処遇しょぐうめなければならない。


本人ほんにんから直接ちょくせつく。レンゲ、何があったのかを話せ。内容ないよう真偽しんぎはこちらで判断はんだんする」


 少し遠慮えんりょがちにレンゲが話しはじめた。


 彼女が島津軍てきつかまったのは本当らしい。


 しかし、なぜか将棋しょうぎすことになったという。対戦相手は島津しまづろう武将ぶしょうだ。


 かなりの接戦せっせんだったが、最終的にレンゲはけた。


 ころされることも覚悟かくごしていると、なぜかうしがみだけをられたらしい。


 そのあと島津しまづ義弘よしひろが、ある提案ていあんちかけてきた。


 ――服部はっとり半蔵はんぞう本多ほんだ忠勝ただかつに、この書状しょじょうとどけてしい。


 書状しょじょうは二つ。中に書かれている内容ないようは、どちらもおなじだとか。


 解放かいほうされたレンゲは、島津しまづぐん尾行びこうされていないかをねんりに確認かくにんしながら、味方みかた合流ごうりゅう


 事情じじょうを話して、ロープしばってもらったという。二重にじゅう間諜スパイになった、そううたがわれても仕方しかたがない状況じょうきょうだ。


 自由じゆううごける状態じょうたいで、服部はっとり半蔵はんぞうまえに一人で参上さんじょうするわけにもいかない。そうレンゲは考えたのだった。


「わかった。では、その書状しょじょうを見る」


 すると、先ほどみみちしてきた部下ぶかが、


書状しょじょうの一つは、先に拙者せっしゃ確認かくにんしました。内容ないよう内容ないようでしたので、他の者には見せていません」


「・・・・・・わかった」


 それほどの内容ないようということか。


 服部はっとり半蔵はんぞうは自分の部下ぶか二人だけをれて、本多ほんだ忠勝ただかつやその騎馬きばたいから少しはなれた場所へと移動いどうした。


 部下ぶか周囲しゅうい警戒けいかいするようめいじたあと、一人で書状しょじょう確認かくにんする。


 島津しまづ義弘よしひろくびを一つ要求ようきゅうしていた。


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