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ぽつんと家康  作者:
13/80

須磨(すま)

 しろ西にしがわ敵将てきしょう確認かくにん


 その武将ぶしょうとは、立花たちばな宗茂むねしげだ。


 西軍において、薩摩かごしま島津しまづ義弘よしひろ比肩ひけんする猛将もうしょう。とにかく強い。できれば、東軍こちら味方みかたしてしかった一人である。


 立花たちばな宗茂むねしげが相手では、なみ武将ぶしょうが立たない。


 さらに、立花たちばな宗茂むねしげぐん後方こうほうからは、小早川こばやかわ秀秋ひであきひきいる一万いちまんへい接近せっきんちゅう


 そんな情報じょうほうを、城内じょうないながしておいた。


 それで本多ほんだ忠勝ただかつ出陣しゅつじん。その補佐ほさとして、服部はっとり半蔵はんぞうがつく。


 短期決戦で立花たちばな宗茂むねしげぐんたたき、小早川こばやかわ秀秋ひであきへい合流ごうりゅうする前に、こちらは退しりぞく。そういう作戦だと、殿との捕縛ほばくらない武将ぶしょうたちにはつたえていた。


 なお、服部はっとり半蔵はんぞう情報じょうほうもうによれば、立花たちばな宗茂むねしげ現在げんざい近江しが大津おおつじょうめている。


 東軍こちらにとっては朗報ろうほうだ。せきはらでは、あの立花たちばな宗茂むねしげを相手にしなくてむ。あの男、ひょっとすると西軍最強。


 騎馬きばたい前方ぜんぽうに川が見えてきた。ながはしかっている。


うまあしゆるめずにいてくれ」


 そうまえきしてから、服部はっとり半蔵はんぞう本多ほんだ忠勝ただかつに言う。


はし途中とちゅうあながあるぞ」


 西軍てき仕業しわざだ。おそらく、赤い狼煙のろしげたのとはべつ部隊ぶたい


「だが、すでに修理しゅうりさせておいた」


 いくら木のはしとはいえ、それを落とすとなると、一瞬でとはいかない。相応そうおう人手ひとでや時間が必要になる。


 が、「はしに使われているいたのいくつかをはずす」だけなら、手軽てがる可能かのう


 この方法なら、あとで自分たちがはしさい利用りようするのも簡単かんたんだ。


 いたはず指示しじを出した者は、こう考えたのだろう。


 徳川とくがわ家康いえやすせきはら捕縛ほばくされたのをった東軍が、救出きゅうしゅつ部隊ぶたい派遣はけんする可能性かのうせいがある。


 その場合、速度を優先ゆうせんしてくるだろうから、騎馬きばたい以外の選択肢せんたくしはない。


 だったら、西軍がさきまわりして、適当てきとうはし騎馬きば対策たいさくほどこしておけばいい。


 あるいている時なら、はし異常いじょうに気づくこともできようが、うま疾走しっそうしている時に、はし異常いじょうに気づくのは至難しなんだ。


 はしあなうまあしをとられると、速度を出していた分、大惨事だいさんじになる。しかも、後続こうぞくうまが次から次にやって来るのだ。どのうまきゅうにはまれない。はしの上は悲鳴ひめいまるだろう。


 わるくないさくだ。服部はっとり半蔵はんぞううすわらいをかべる。労力ろうりょくをあまりかけずに、相手に大損害だいそんがいあたえるさく


 だから、先につぶさせてもらった。先行させた忍者にんじゃ部隊ぶたいが、はし修理しゅうりえている。


 ところが、きゅう本多ほんだ忠勝ただかつ姿すがたが、服部はっとり半蔵はんぞうよこからえた。


 どうやら、うまあしゆるめたらしい。


 直後に気づく。


 てきがいる。


 二人か三人か。感じることができたのは、わずかな気配けはいだ。


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