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本部長と私  作者: 雨木うた
13/13

本部長と初デート~side素直~

今日は休日。でも朝からソワソワしてる。理由は琢磨さんからデートに誘われているから。ちゃんとしたデートって初めてで緊張しちゃって朝御飯の味がよくわからなかったよ。食後、琢磨さんから

「この後出掛けよう」と声をかけられた時に緊張し過ぎて「ひゃい!」って返事しちゃったよ。余裕無いのバレバレで恥ずかしい。

支度を済ませ部屋で待っていたら琢磨さんが迎えに来てくれて、その日は珍しく車ではなく手を繋いで歩いて出掛けた。

すれ違う人やペット連れを見ながら色々話してたら街中に着いて、すぐそばの小さなアクセサリーショップに連れて行かれた。

そのお店はブランドとかのお店ではなく個人の作家さんのお店のようで、個性的な、でも可愛いらしいアクセサリーがたくさん飾られていた。琢磨さんはお店の人に声をかけ、お店の人はピアスを出して見せてくれた。すごく可愛いくて、でも仕事中も違和感無く着けてられるデザインで私は一目で気に入った。琢磨さんは私に気に入ったかどうかを訊ねてきたけど、私は即答出来なかった。

この店が個人作家さんのお店だったから。個人の作家さんの作品なら1点物の可能性が高いし、尚且つ手作りだろうからお値段も高いのではと考えてしまったからだ。

琢磨さんは「気に入らないか?」と聞いてくれたけど、値段が気になって正直に「気に入った」と言いにくくて…。

その事を琢磨さんに伝えたら、笑って私が気に入ったかどうかが大事なんだと言ってくれたから、正直に「可愛いくて、好み」だと伝えたら、あっとゆう間に会計を済ませて、そのピアスを着けて店を出る事になった。

私は嬉しいけど申し訳ないやら複雑だったけど、とにかく御礼を伝えてピアスを着け店を出た。

再度琢磨さんと手を繋ぎブラブラ街歩きしてるとお洒落なカフェに行き着いた。琢磨さんは「ちょっと早いが昼飯にするか」とそのカフェに2人で入り早めの昼食を済ませた。またしても琢磨さんが知らない間にお会計を済ませてて「ご馳走様でした。」と言ったら琢磨さんは嬉しそうに「やっと普通に礼言ってくれたな(笑)」と笑ってた。

琢磨さんは私が喜ぶ顔が見たくて色々してるだけなんだと、以前メイド長さんやお祖父様とお父様達からも聞いてたけど、度が過ぎると『嬉しい』より『申し訳ない』が勝っちゃうんだよね。

ランチの時は普段の仕事中のランチでも時々ご馳走になってるから受け入れ易かったのかもしれない。

カフェを出て2人で手を繋いで歩き出すと琢磨さんが

「近くにショッピングモールが出来たから行ってみないか?」と誘ってくれた。私はショッピングモールには行った事が無かったけど1度行ってみたかったから即OKした。楽しみだ。ちなみに勧めてくれたのは美緒らしい。

少し歩いてショッピングモールに到着。土曜日だからか人が多い。

はぐれたりしないように気を付けないと。琢磨さんの手をしっかり握り人混みを歩きながらウィンドウショッピング。

少しして取引先の専務ご一家と鉢合わせして専務と挨拶。琢磨さんは微妙に嫌そうな顔をしてから専務と仕事の話を始めた。

話の感じからやり取りが長引きそうだと思った私は身振り手振りで琢磨さんにトイレに行く事を伝えてから琢磨さんの手を離して女子トイレに向かった。

女子トイレの中にはマスクをした清掃員が1人居て私以外に利用者は居なかった。私は軽くメイクを直そうと思いメイク道具を鞄から出そうとした瞬間突然清掃員に羽交い締めにされて口と鼻を布で覆われ意識が薄れてきた。その途中、意識が途切れる瞬間に「この女で間違いない」とゆう声が聞こえて私の意識は途切れた。

次に意識が戻った時は夜で私は病院のベッドにいた。琢磨さん、お祖父様、お父様、美緒の4人が私の顔を覗き込んでいて口々にもう大丈夫だと言ってくれた。

琢磨さんに「わかるか?」と聞かれたから「…琢磨さん…。」と答えたら琢磨さんはホッとした表情で私の手を握り「無事で良かった」と言ってくれた。

私は安心感で涙が出た。

お祖父様とお父様も私から目を離した琢磨さんが悪いと叱りながら私の心配をして下さっていた。美緒も私の無事を喜びながら本当に良かったと涙を浮かべている。

私は意識がなくなる直前に聞いた言葉を思い出し身震いしながら琢磨さんに助けてくれた御礼を伝えた。

あのままだったらあの顔もわからない人に何処へ連れて行かれたか何をされたか、考えたくもない結末になっていたかもしれない。

琢磨さんにはいくら感謝してもし足りない気がした。

でも琢磨さんは物凄く自分を責めているように見えた。私を1人にした事が間違いだったと自分を責めている。

でも今回の犯人?は用意周到だったと思う。清掃員に成りすましてたそうだし、仮にトイレの出入り口で琢磨さんが待機してくれてたとしても防げなかったんじゃないかな。だから琢磨さんにはあまり自分を責めないで貰いたいと伝えた。

今回の出来事は『事故』だと思って欲しいと。

犯人が誰かは聞かなかった。聞いても怖いだけだから。

その後美緒が帰ってから私は琢磨さんに抱き上げられて琢磨さんの自宅に車で戻った。「歩けます」と訴えても抱っこ移動は決定事項らしい。琢磨さんの自宅のはずなんだけど与えられている部屋に入ると肩の力が抜けて不思議と「家に帰ってきた」気がする。

琢磨さんは今日は私を歩かせるつもりがないのか、ずっと抱き上げられて移動している。いいのかな?

琢磨さんは私をお風呂場へ連れていき「何かあったら声をかけろ」と言って出て行った。入浴を済ませ私がお風呂場から部屋に戻ろうとするとそこには琢磨さんが待っていて、私が驚いているとおもむろに私を抱き上げドレッサーまで連れて行かれ何故か琢磨さんが私の髪を乾かしてくれた。「なんだか、過保護過ぎますよ?」と言うと、今後も同じようにすると言われ再度驚いていたら、次はベッドまで抱き上げて連れて行かれて「安心して眠れ」と頭を撫でられ初デートの1日は終わった。

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