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本部長と私  作者: 雨木うた
11/13

本部長と私の過去

丸全の社長のアポ無し面会も無事?終わり、私達は帰宅した。今日はお祖父様とお父様から夕食を一緒にと言われている。

何か大事な話でもあるのだろうか?少し不安に思いつつ、琢磨さんと食堂へ向かった。

夕食時、お父様から私の生い立ちについて再度確認された。両親を早くに亡くし、その後他に身寄りが無い為に叔父夫婦に引き取られるも虐待を受け国に保護されて現在に至る事等だった。

その際、お祖父様とお父様から「叔父さん夫婦とは繋がりは無いんだね?」と念押しされたので、「国に保護されてからは全く会っていません。接近禁止になったので今まで繋がりはありませんし、必要だとも思っていません。」と答えた。

お祖父様とお父様は私の返答を聞いて満足そうに微笑み「辛い事を何度も聞いて申し訳なかったね。よくわかったよ、ありがとう。」と仰った。琢磨さんも満足気だ。

私は、まさか私の居場所が叔父夫婦にバレたのかと青くなって訊ねたら、「実は、素直ちゃんの自称身内を名乗る夫婦が現れてね。一応素直ちゃんに確認してから対応した方が良いと思って聞いたんだよ。気分を害したかな?」

「いいえ、私に身内はいません。これは国が認めてくれた事ですから、今後もその様な人達と会うつもりも関わるつもりもありません。あの2人に対しては今でも恐怖心がありますし…。」とお答えしたらお祖父様とお父様と琢磨さんの3人がよく似た顔でニッコリ笑って「間違っても近寄らせないから、安心していいよ」と言ってくれて、物凄くホッと出来たし本当に嬉しかった。

私の新しい家族は何て優しい人達だろうと感謝した。

食後、恒例になった琢磨さんと2人でのお散歩中にも「爺さん達があれだけキッパリ言ってるから何も心配いらないからな。」と言ってくれた。

私は皆の優しさが嬉しくて琢磨さんに「すみません。ありがとうございます」と御礼を言うと、「違うだろ?そこは『ありがとう』でいいんだよ。家族なんだから。」と言われ、また嬉しくて舞い上がり琢磨さんの頬にキスをしてしまった。琢磨さんは少し驚いていたけど、私を強く抱きしめて「素直を守るのは俺の役目なのに今回は爺さん達に先越されたんだよなぁ。」と残念そうに言った後、笑いながら「次は俺が対処するから」と宣言していた。

私は新しい家族と琢磨さんに愛されていると実感して嬉しくて琢磨さんの背中に腕をまわし「次なんて無い方がいいけど、もしあった時はよろしくお願いします。」と伝えた。琢磨さんは「任せとけ」と私を抱きしめて笑った。

その後、自称私の身内だと名乗っていた夫婦の話は2度と出なかった。

約束通りお祖父様とお父様が対処して下さったお陰らしい。琢磨さんは少し悔しそうだけど、お2人のお陰で私は安心して過ごせている。感謝しかない。こんなに大事にして貰って本当に嬉しかったし有り難かった。

こんなに幸せで罰があたらないかと少し不安になってしまうくらい幸せいっぱいだった。

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