怖がりさんの初テイム
称号を獲得しました【初テイム】
称号を獲得しました【誘拐】
スキルを獲得しました【命令】
スキルを獲得しました【妖精の加護】
新たなモンスターをテイムしました【妖精リーン】
Lv【0】
HP【450/450】
MP【720/900】
スキル【妖精の加護】【挑発】【ヒール Lv1】【マイマイ召喚】【テレポート】【落雷 Lv1】
「本当にできちゃった……」
リーンの【落雷】により蒸発したデンデンの亡骸の前で、桜はステータスを確認していた。
隣にはぱたぱたと空を飛ぶ妖精リーン。その頭上にあった初心者案内人という文字は消えている。
『驚きました。まさか、私に【テイム】が効くなんて』
それはリーンすら知らない仕様だった。
通常、NPCにはプレイヤーが対象を取るような魔法は受けないようになっている。しかしテイマーの魔法が通じることはテストされていなかったのか、とんでもない事態になったのだ。
しかし事の重大性を理解できていないどころか、桜はこれが仕様だと思っていた。公式サイトのスクリーンショットにあった通りだなあ、と。
「でも良かったぁ。これで一番不安だったところはなんとかなったよ~」
『ミカサさんは怖がりなんですね。マイマイは確かにちょっと気持ち悪がる人はいましたが、倒すことすらできない人は初めてです』
「昔から虫とか嫌いでね~。でもあなた、本当にゲームのキャラクターなんだよね? 普通にお喋りできてるけど」
『ええ。初心者の皆様を的確に案内できるよう、様々なことを教えられましたので。
……その役目は早くも終わりですが』
「んー、もう案内は大丈夫なの?」
『まあ、実際はあまり私の存在も知られていません。ほとんどのプレイヤーはわざわざチュートリアルを受けずに進んでしまいますから。
それに、通じたということは問題ないのでしょう』
「そっか。じゃあえっと、これからよろしくね?」
『はい、よろしくお願いします』
……こうして唯一のテイマーである桜はNPCを仲間に引き入れたのだった。
その後、満足した桜はもう遅いからということでレベルを3まで上げ(リーンに落雷を撃たせたマイマイ狩り)、ログアウト。
しかしパソコンの電源を切ろうとしたところで、ふと思い立つ。
「そういえば、なんか変なスキルもらってたけどなんだろう?」
気になったのはリーンをテイムした時にメールに届いていたメッセージ。
公式サイトにログインしてキャラクター情報を開き、就寝前にそれを確認するのだった。
【妖精の加護】
このスキルを持つ者のMPを10分に50回復する。
【命令】
テイムしたモンスターに指定したスキルを使用させる。
【挑発】
非アクティブモンスターをアクティブモンスターへ変化させる。
【ヒール Lv1】
HPを回復(小)。≪必要MP20≫
【マイマイ召喚】
ランダムな大きさのマイマイを召喚する。マイマイを召喚している間はMPが継続的に消費される。≪最大数:3≫≪必要MP30≫
【テレポート】
一度行った街へ瞬時に移動できる。
【落雷 Lv1】
対象に雷属性魔法攻撃。デンデンを消滅させる。≪必要MP50≫




