4、能力測定……はあ(ため息)
翌日
私達は大きな鏡(映っていない)と水晶玉があるホールのような場所に案内された。
ここで、女神様から授かった能力を見ることができるそうだ。
ハイド司祭長くんが実演しながら説明している。
「この水晶玉に触れれば、この魔鏡に自身のステータスが表示されます。」
そう言って神官長くんは水晶玉に触れた。
すると、何も映っていなかった大鏡に文字が映し出された。
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ハイド=マリエール(17) Lv.52
人間族
職業:聖魔術士
称号:女神マリアールの使徒
HP:4820/4820
MP:12500/12500
STR:2200
VIT:1800
AGI:1850
固有スキル 〉大図書館・神官
スキル〉鑑定A級・真実鑑定S級・隠蔽A級・光属性魔法S級・水属性魔法B級・剣術B級
特殊スキル〉マリアールの祝福
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しかし、文字は問題なく読めるらしい。多分書くこともできるだろう。親切な初心者パック的なものだろう。
「この水晶玉は宝具と呼ばれる道具の一種で、A級の隠蔽偽装すら看破するほどの代物なので、大変貴重なものです。
しかし、この水晶玉に触れる前に1度自身のステータスを確認してみてください。“ステータス”と念じれば目の前に四角いプレートのようなものが出てきます。それに書かれているものが貴方がたのステータスです。他人にはステータスプレートは見えません。ただし例外として、相手の隠蔽偽装スキルより高いランクの鑑定スキルを持った者のみ見ることができます。」
そう言われて、私は“ステータス”と念じてみる。すると、言われた通りプレートのようなものが出てきた。
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水野 冬香(16) Lv.1
人間族・異世界人
職業:魔剣姫
称号:異世界よりきたりし者
女神マリアールに祝福されし者
HP:8200/8200
MP:12000/12000
STR:3200
VIT:3200
AGI:5600
固有スキル〉大図書館・魔法創造・剣姫
スキル〉鑑定S級・隠蔽偽装S級・剣術A級・全属性魔法S級・魔力操作A級・錬金術C級・気配察知B級・魔法耐性B級
特殊スキル〉マリアールの祝福
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かなりS級のスキルが多い。
ほかの数値もまあまあいい感じかな?
「皆様、自身のステータスが確認できたかと思いますので、スキルなどについて説明致します。
まず、HPなどの能力数値です。HPは0になった時点で死亡となりますので注意してください。MPは0になっても死亡までは至りませんが、魔力枯渇で激しい目眩や頭痛がする為、戦闘中は気を付けてください。
数値はHP、MPが5000オーバー、その他が2000オーバーであればとても優秀と言われ、国のお抱え騎士団の団長にとスカウトされます。現在の国の騎士団長がたも大体このぐらいとなります。」
おっと、私の平凡さが半分無くなったぞ。
既に私はチートと言われる域に入っている。しかも能力数値だけで。
いや、まだ諦めてはいけない。望みはある…
「次にスキルについて説明致します。スキルには
1つ持っているだけでも珍しい“固有スキル”
通常のランクがある“スキル”
そして、神々から祝福されていると表示されると言われている、もはや幻のスキル“特殊スキル”の3つに分かれております。」
まだ望みは…
「通常のスキルには先ほども言った通りランクがあります。1番下からD級、C級、B級、A級、S級となっており、A級は1つ持っていれば身分に関係なく、将来安泰。S級は1つ持っていれば貴族や騎士団長になれると言われているくらい大変珍しいです。
もしかしたら、皆さんはA級スキルは必ず持っているかもしれませんね。」
あっ…詰んだわ。これ詰んだやつだわ。
幻とか言われている“特殊スキル”まで持っている私はチートだ。確実にチートだ。
…どうしよう。
ハイド司祭長くんはA級の隠蔽・偽装までは防げるって言ってたはずだから、S級の偽装・隠蔽スキルを持つ私なら偽装可能?
とりあえず、1番勇者っぽい智紀のステータスを見てみる。
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高島 智紀 (16) Lv.1
人間族・異世界人
職業:聖剣士
称号:異世界よりきたりし者
女神マリアールに祝福されし者
恋愛神ジュテールに同情されし者
HP:6500/6500
MP:5400/5400
STR:2500
VIT:2100
AGI:2100
固有スキル〉勇者・騎士の忠誠
スキル〉隠蔽A級・剣術S級・光属性魔法S級・気配察知B級・忠誠B級・鑑定C級
特殊スキル〉マリアールの祝福・ジュテールの同情
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もうちょっと私に希望を持たせて。
智紀のステータスを倍にしたものが私のステータスくらいになっている…
勇者じゃないだけマシかな?
うん。マシだと信じよう。
「言い忘れておりましたが、この世界には魔法が存在しております。属性は6つあり、火・水・風・土・光・闇の6つです。光属性と闇属性は大変珍しい属性であります。大体の国の宮廷魔導師はこの6属性のうちの2属性を持っているものが大半です。稀に3属性持っているものもおります。
また、特殊魔法というものもあり、時空魔法がこれにあたります。これを持っている人は過去に2人しかおらず、歴史的にも貴重な魔法属性となっております。
説明が長くなりました。それでは能力測定に移ります。1人1人お願い致します。
この測定で出た数値ごとにグループを分け、それぞれで生活・訓練を行っていただきます。
では、どうぞそこの貴方。こちらへ。」
そう言われて1人の女子が水晶玉に恐る恐る触れる。能力はとても優秀と言われていた数値の3分の2くらいでBランク認定されていた。その後も次々と水晶玉に手を触れていく。
見た感じだと、1番高くてAランクで少数精鋭を集めている感じだ。そして恐らく、ランクが高いほど待遇が良いはずだ。
やはり人間、何事も待遇良い方がいいのだ。
残された時間は少ない。
とりあえず、智紀よりも少し低く。魔法属性は使い勝手の良さそうな水と風に…といじりにいじりまくっていたら私の番が来た。ステータスプレートの端にある隠蔽偽装完了ボタンを押してから、水晶玉のほうに向かう。
水晶玉に手を触れる。すると、偽装したステータスが上手く映し出された。
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水野 冬香(16) Lv.1
人間族・異世界人
職業:魔剣姫
称号:異世界よりきたりし者
女神マリアールに祝福されし者
HP:5200/5200
MP:5300/5300
STR:1900
VIT:1900
AGI:2000
固有スキル〉剣姫
スキル〉鑑定A級・隠蔽偽装B級・剣術A級・水属性魔法S級・風属性魔法S級・魔力操作B級・魔法耐性C級
特殊スキル〉マリアールの祝福
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短時間でいじったにしてはだいぶ良い感じのスキルだと改めて自画自賛する。
そして思惑通りAランクに入る事ができた。
もうこれで私は満足だ。うん。
私の他には、桃香のほか、幼なじみの相沢拓人と高橋優、ほかには立野春美と多分智紀が入るだろう。
智紀は1番最後だから、6人の少数精鋭だ。
桃香の目線が相沢くんのほうに向いている。
…恋する乙女だ。
しかし、相沢くんは知らないふりをしている。知らないふりだ。ちょっと酷いと思う。
そんな2人を見ている間に智紀の番が来たようだ。
智紀のステータスが映し出された途端、今まで神官長くんの隣に存在感無く座っていたはずの小太り宰相が声をあげた。
「なななななんと素晴らしい!!このようなステータス見たことありませんよ!!これは国王様に報告せねば。おい、神官長。私は国王様にこの事を報告しに行ってくるからな。くれぐれも変な気を起こすんじゃないですよ!」
「ええ、承知いたしました。」
神官長くんからドス黒いオーラが見える。
…心中お察しします。
「では、今日から分かれたランクごとで生活していただきます。それぞれ別々の場所になりますので、Aランクの方は私に、Bランクの方はあそこの彼に、Cランクの方は向こうの彼女がそれぞれ案内いたします。部屋に自身の荷物がある方は先に取りに行ってからこちらに来るようにお願いいたします。では、Aランクの皆様、案内いたします。こちらへどうぞ。」
こうして、神官長くんの後についていき、渡り廊下のような場所を歩いていると、一際豪華な建物が見えてきた。どうやらここが生活の拠点になるらしい。
部屋は個室で、共同の広い浴場まである。
ベットはふかふか。食事も美味しい。文句無しの最高待遇だった。
明日から訓練が始まるので、余った午後の時間は好きに使って良いと言われた。
から、私は寝る。
力の調整はどうしようか悩んでいたら、どうやら“マリアールの祝福”で出来るらしいので、偽ステータスに数値やスキルを設定してから寝る。
今日もぐっすり寝ることができた1日でした。