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冬の童話際作品「逆さ虹の森」

作者: 河上

昔々、虹が逆さまに架かる奇妙な森があり、

その森は『逆さ虹の森』と呼ばれていました。

しかし、虹が逆さなのは決して偶然ではありません。

では何故虹は逆さまなのか。それはある一匹の悪戯っ子なリスのお願い事に

よるものした。




―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

――――――――――――――――


 あるとき、森に住んでいたリスは新しい悪戯をを思いつきました。

リスは森の動物なら誰もが知る悪戯っ子だったのです。

リスは森の中を歩き、アライグマの住処へとやってきました。

アライグマの住処は周りが木々で覆われているところにぽつんと立てられた

一つの家でした。

リスはアライグマの住処に入ると食べ物を全て奪い取ってしまったのです。


 アライグマの食べ物を奪ったリスは次に森の入り口付近に行き、ヘビのところに足を運びました。ヘビは大変食いしん坊で何時もお腹をすかせています。

リスはヘビに近寄るとアライグマから奪った食べ物をヘビに差し出して言いました。


「やぁヘビ君、これを全部君にやるよ」


 ヘビは少し考えました。

リスは森の誰もが知る悪戯っ子です。これは何かの悪戯なのではないのか。

ヘビが考えているとお腹の辺りから音が鳴りました。ヘビは何時もお腹をすかせているので目の前に出された食べ物がほしくてしょうがありませんでした。

ヘビは結局食べ物を貰い、お礼をリスに言いました。


「ありがとうリス君」


 ヘビと分かれたリスは再び、アライグマの住処へと戻ってきました。

アライグマは自分の住処においてあった食べ物が無くなっていて大変怒っていました。

其処へリスはアライグマに言いました。


「やぁ、アライグマ君、どうしたの」


 アライグマは誰もがしる凶暴者でした。

アライグマはリスのほうに目をやると、リスに向かって一回ほえた後にいいました。


「俺の食料をとったのはおまえか?」


 リスはアライグマの質問に首を横に振りました。


「ヘビ君がさっきたくさんの食べ物を食べているところをみたよ」


 リスはまるで食べ物を盗んだのはヘビだというふうに言いました。

アライグマは其れを聞いて顔を真っ赤にしながら更に怒りました。


「ヘビは今何処にいる!」


 リスは先ほどヘビが森の入り口付近にいたことを伝えると、アライグマは其の場所へ走っていきました。リスは悪戯が成功した事を確信し、大満足です。

 リスが喜んでいると、一匹のキツネがまえから歩いてきました。

キツネは大変お人よしな性格だったので、常に誰かの手助けをしていました。


「やぁリス君、困ったことはないかい?」


 キツネはなにか困ったことは無いか、リスに聞きました。

リスは特に困ったことは無かったのですが言いました。


「実は、根っこ広場で大切などんぐりをおとしてしまったんだ」


 リスは嘘をつきました。

根っこ広場とは気の根っこがたくさん生えており、そこで嘘をつくと

根っこにつかまってしまうと言う噂があったので、近づく動物は一匹もいませんでした。

しかし、キツネは噂の事は知らなかったらしく、


「なら僕が探してあげるよ」


と言いました。

 リスはキツネの返事を聞き、キツネは噂の事を知らないのではないかと

考え、言葉をもう一つ付け加えました。


「根っこ広場では本当のことを話すと根っこにつかまってしまうから

 気をつけてね!」


 リスは噂とは逆の事をキツネに伝えました。

キツネは根っこ広場の噂について何も知らなかったので、御礼をリスに言った後、

根っこ広場へとリスの大切にしていたと言うどんぐりを探しにいきました。

 リスは又もや悪戯が成功したと思い上機嫌です。


 リスは森を少し長く歩き、クマの住処へとやってきました。

クマは大変怖がりで、リスがクマの後ろから声をかけるといつも驚いていました。

今回もリスはクマの後ろから声をかけます。


「やぁクマ君」


 クマは後ろから声をかけられ驚いて飛び跳ねました。

リスは其の光景を見て大笑いです。

クマはまたリスに驚かされて少し怒りながら言いました。


「いつもいつもやめてくれよ」


 クマに怒られてれてもリスは平然としています。

そして、リスはクマにある話を持ちかけました。


「そういやクマ君はオンボロ橋って知っているかい?」


 オンボロ橋は森に流れている川に架かっている橋で今にも落ちそうな

ぐらい、ボロボロでした。

クマはオンボロ橋のことを知っていたため一緒には行かないと

予めリスに釘を刺しておきました。

リスはクマからの返事を聞きいいました。


「あの橋を渡った奥においしい蜂蜜があるらしいんだ、それでもいかないのかい?」


 クマは大の蜂蜜好きでした。

少しのすっぱさとドロっとした感触、そして後味に来る甘さ。

クマはリスからオンボロ橋を渡った先にある蜂蜜について興味を持ちました。

そして、クマは行くだけ行ってみるという返事をリスに返しました。

こうして、リスとクマはオンボロ橋へと歩いていったのです。


オンボロ橋の前に来ると、下には川が勢い良く流れていました。

あたりは木々で囲まれ、周りには動物の気配がありません。

クマは少し怖気ついていいました。


「ねぇリス君、もう帰ろうよ」


 リスはそんなクマの言葉を聴きいいかえしました


「蜂蜜はいいのかい?」


 クマは悩みました。

悩んだ末、橋を渡ることを決意したのです。

クマが怖がっているのに対し、リスは何とも思っていないようで、

リスが先頭に立ち堂々と渡って行きました。

其の後ろをクマも恐る恐る渡っています。

リスは真ん中まで来ると、突如歩みを止め振り返りました。


「ねぇクマ君、今ジャンプしたらどうなるんだろうね?」


 リスは悪戯っぽく笑いながら橋の上でジャンプを何回もしました。

その振動で橋が揺れ、オンボロ橋は今にも崩れそうな勢いです。

クマは怖がって目を瞑ります。


「はは、僕ぐらいの体重じゃ壊れやしないよ」


 リスは飛ぶのをやめた後、クマを馬鹿にした風にいいました。

クマはやっと振動が収まり、ほっとしています。

しかし、その刹那、オンボロ橋の板が一つが川に落ちました。

其れを境に次々と橋の板は落ちていきました。

クマは力いっぱい目の前にいたリスを押し、

端の向こう側に飛ばして助けました。

その代わりクマは、川に落ちてしまいました。

リスは慌ててクマが落ちていった川を見ましたが、クマの姿は見えません。

其のとき初めて、リスは自分の悪戯を後悔しました。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 それから長い時間、同じ場所に佇んでいたリスはある事を思いつき、

ドングリ池へとやってきました。

ドングリ池の水は良く澄んでおり、とても綺麗でした。

リスはその池にドングリを一つ投げるとお願い事をしました。


「どうかクマ君が無事に帰ってきますように」


 ドングリ池はドングリを一つ投げ入れてお願い事をすると神様が

叶えてくれるといわれている池でした。

 それから何日もリスはクマ君が戻ってくるようにお願いをしましたが、

クマが戻ってくることはありませんでした。

そして、クマがもう戻ってこないと言う事に気づいたリスは目から涙をあふれさせ

最後に一つ、違うお願いをしました。


「せめて、川の中にいる熊君が綺麗な虹が見れますように」


 すると、どんぐり池の水が発光し、辺りを白一点で包み込みます。

光が収まった後、空には虹が一つ逆さに架かっていました。

水面を見ると、反射した虹は何時もどおりの姿です。

其れは、熊が川の中でも綺麗な虹が見れるようにと願ったリスのお願いが形になったものでした。

 

 リスは、クマとの出来事を境に悪戯を一切やめ、今まで悪戯をしてきた動物達にあやまりました。

そして、お礼の品として、自分が森中を駆け回って取った食料を森のみんなに分け配りました。こうして、森一番の悪戯っ子であったリスは森一番の親切者になったのです。

 


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


 耳を澄ませてみると、歌上手のコマドリが愉快に綺麗な音色を奏でており、

今日も森は平和です。

 今回、小説を書くのは初めてで其れも童話なんて普段読まないので、

至る所に可笑しな点があると思いますが、気長に読んでいただけたら幸いです。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 読んでいて悪い結末しか想像できなかったのですが、ああ、リスったら! クマもそうですが、怒ったアライグマはヘビを? 根っこ広場で嘘をついたかもしれないキツネは? イタズラもほどほどに、ですね…
2018/12/25 20:25 退会済み
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