the only one
失せ物はいずれ見つかる、と書かれてあった。
私はその御神籤を「やかましい」とばかりに括り付けた。
今日も、合わせづらい目を装う。
滲み出すような赤色を、注意深く虹彩を秘匿するような黒い睫毛を、
そう、あたかも弱々しくいじらしく、爪や牙で引き裂かれる前の草食動物のような目を。
それが私の役割。
着々と進めて行こう。
壮大ではないにしても、すべては私の心の平穏のための計画。
その行為の正体がたとえ愛でなくても受け容れ、
美しくもない本音は拷問のように締め出し、
輝きを拾い集めて、もうどこにもない古巣を目指して。
帰る場所は唯一つ、と月にも歌い。
こんなことなら我が心など知りたくなかったと、
もう一度嘆くことのないように。