ゲージュツ
蠍座の黒猫さん主催「詩のサークル第二回」参加作品です。
ゲージュツが迫る日
花は咲くことを思い出し
頭山は色づく
《現在地から一番近いホームセンターで》
激しく燃焼するゲージュツは
それゆえに脆く崩れ去る
そこに何かを混ぜるんだ
《目を覚ますと、世界は色に溢れていた》
強く健やかな魂が根を張り
豊かなゲージュツを根付かせる
そうすれば良くもって
長く僕らを楽しませるだろう
《だから僕は種を買う、秋だから白菜とか大根》
命の燃焼は強烈で
痺れるほど魅了するけど
ゲージュツは消費するものでは無い
《それで冬に鍋をしよう》
その一瞬は二度と無いかも知れないけど
それでも何かがある事を
歳をとったら分かるからさ
《全力生活者、清く》
目を背けずに居てほしい
繊細なゲージュツには
酷な事かも知れないけれど
《10.3、君の声の記憶》
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発想元の歌手と楽曲 : Courtney Barnett 「Avant Gardener」
初めてコートニー・バーネットを見た時に、想起したのはジャニス・ジョップリンとカート・コバーンでした。
ジャニスの魅力的な声と、カートの時代を超越するセンス。そして独自の歌詞の世界は、ポップでアバンギャルドな独自の世界を形成していると感じました《英語歌詞は良く分からない部分も多いですが、雰囲気で》
二人のカリスマに共通するのは、若くして命を散らした事。どちらもドラッグ由来だと聞いております。
ジャニスの不自然なほど吹っ切れた笑顔、カートのどこを見てるか分からない、酩酊感。どちらも刹那的な虚無感を孕んでいるように感じます《死んだ後の印象付けかも知れませんが》それに比べると、初めて見たコートニー・バーネットの姿には、生命力が強く現れて見えたのです。
彼女の場合は最後まで見られる気がするーーそこまで私は生きられないだろうけれど。
そんな期待を込めた詩を書かせていただきました。
ファンとして、一度は実物のライブを拝見したいと思います《今年のフジロックは何が何でも行くべきだった! 血涙》