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スターダスト オブ ジ アース~Volume 7 magicians~  作者: 抹茶スクロース
第3章 素の魔法使いと玄の魔法使い
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素の魔法使い

「しかし、ヘリの中は無人ポッドだとは思わなかったな。流石機械のプロフェッショナル、俺もお手上げだね」


何を言ってんだ、この鳥頭。こんな風に思った人にご説明します。意味分かってても聞いてね。さっき、馬鹿みたいな魔法で鳥頭はヘリコプターを墜落させた。けれど、中の様子は無人で、あったのはただの四角い機械のみ。その機械が、電波とかでヘリコプターを操縦し、ウイルスもといデータチップを撒いた訳だ、ということです。


「しかし、この倒れた人々はどうしよう…」

「その心配は無用です」


背後には、白音さんがいつの間にか仁王立ちをしていた。隣には、白音さんの使い魔も居る。インド人みたいな格好で、肌も小麦色をしている。名前は………忘れました。


「白音さん!」

「此処にいる皆さんは全て、蒼の魔法使いが戦闘中、私の魔法で回復させました。暫くすれば、目覚めるでしょう」


ああ、良かった…。不意に頬が弛む。


「ちーちゃん!」


琥珀が駆け寄ってくる。だが、見たことの無い2人に、少し怯えた表情をした。


「あーっと、貴方達は……」

「申し遅れました。私、素の魔法使いこと、暁 白音と申します」

「お初にお目にかかる、琥珀殿。我は、暁殿の使い魔、鷲爪と申す。以後、お見知りおきを」


あっ、いろりちゃんがわしわしって言ってたな。真摯に対応する2人に、琥珀は顔を赤く染めた。あたかも犬みたく大人しくなってしまう。


「さて、朱の魔法使い。雷幻魔法は完成したのですか?」

「いや、何なのかさっぱり分からなくて…」

「案ずることはなさそうですね。どうやら、完成した試しがありそうに見えます」


白音さんは、じっと私を見つめる。はっ、恥ずかしい…。何せ、白音さんは女子勢で一番綺麗な女性。これで、もうすぐ三十路か…。あっ、今少し睨まれた気がする。背筋が寒いよ。


「物理魔法の修業をしたいのでしょう?」

「はっ、はい。蜂鳥に見てもらうつもりなんですが」


白音さんはちらと鷲爪を見た。鷲爪は穏やかそうにしていた。よく暑いと思わんな。そして再び、視線は私のほうに向いた。


「では、短時間で1つ、強力な魔法を教えましょう」

「よろしくお願いします!」

「前置きですが、今から教えるのは雷属性ではありません。ましてや光属性でもありません。強いて述べるならば、水でしょうか」


みっ水?私も白音さんも専門分野ではない水?どういった風の吹き回し?


「正確には、嵐を起こす、とでもいうべきでしょうか」

「どっ、どうしてそんな水属性なんかを…?」

「この間、蒼の魔法使いが話した無情ウォーリアを覚えていますか?」


私は思い切り頷く。白音さんは、私を何故か指差した。


「都熊 茅緒が案の定、無情ウォーリアになりました」

「何で彼奴…!?」

「遠坂 昌也に、より努めたい、より守りたい、という願い、そして7人の魔法使いと接したことが都熊の背中を後押ししたのだろう」


鷲爪は穏やかに目を細める。白音さんが言うべき台詞を何故、今鷲爪が言ったんだろう?まあ、今は特に気にすることないけども。


「都熊 茅緒は大切な味方になる可能性を秘めた星の欠片です。私達が掬わなくて、何になるのですか?」


まっ、まさか白音さんと連携を取れるの!?夢にまで見た白音さんとの連携。それは何としても決行だ!


「やっ、やります!私、難しくても出来そう!」


白音さんは今、薄く笑った気がした。




「あーあ、やっぱり無茶だったかな」


星の間では、凄惨な悲劇が起こっていた。彩奈は瀕死状態に、琴音もやっとの思いで立っていた。無論、幾ら無情ウォーリアと言えど、都熊も疲れきり、息を切らす。しかし、隣でただ傍観するライドは笑顔のままだ。


「こうやって、魔法使いも人間も儚く散りゆく。貴方だってそう思うでしょう?翠の魔法使い、御坂 琴音さん?」


肩で息をし、返す言葉をなくす琴音。ゆっくりと、ライドは琴音に歩み寄り、耳元に顔を近付けた。


「君の唯一無二の友人の居場所、教えてあげようか?」


天使の囁きに琴音は、目を大きく見開いた。そして、ライドの方を振り向いた。変わらず、ライドは笑顔のままだ。


「何を貴方は……!」

「おっと、やはり信用してないようですね。実際に俺はウォーリアですし。だけど、これでも俺は貴方の友人とは仲良くさせてもらってるんですよ」


少しは敵ながらも信用してくださいよ、と溢し、小さくライドは苦笑する。しかし、琴音はずっと睨み続けたままだった。それでも、琴音に弱さが垣間見えている。その弱さに奴は目を光らせるのだった。


「じゃあ、こういうのはどうですか?貴方はそこにいる仲間を捨ててください。そうすれば、俺は彼奴にも指示しますし、貴方を連れていける。別にマスターのもとへ出すわけでもありませんし、味方になる必要もありません。ただ、親友を見てどう思うかは貴方次第ですが」


彩奈を見過ごすだけで、敵の本拠地に堂々と立ち入れる。そんな機会を敵はこれ見よがしに言うのだ。心が無い癖に、機械がよくほざくわ。そう強く思う琴音だが、実際には動揺している。魔法でも、科学でも探せなかった親友に会える。


「………っ笠間君……」

「ああ、昔から名前は偽名にしない主義でしたもんね、彼。例え、親が名前を捨てたとしても」


すると、相手は茅緒の首を叩き、そのまま気絶させた。重いからか、片手で引き摺ろうとしている。茅緒から溢れる血は、星の間では何も映らなかった。


「期限は3日までです。それ以降は何もしませんよ。もし心に決めたのならば、アテンダントの正面ゲートにて待っててくださいね」


そうして、砂嵐の音と共にプツンと消えた。

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