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スターダスト オブ ジ アース~Volume 7 magicians~  作者: 抹茶スクロース
第2章 橙の魔法使いと蒼の魔法使い
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平和?

ブラジル。イメージ、コーヒー。学校の社会では「ポコ鉄だい」とか謎の語呂合わせを聞いた。という前置きはさておき、今度はいろりちゃん家へやって来た。いろりちゃんセンスか、すっごいね、浮いてるの…。だって、周りはブラジルらしい感じなのに、いろりちゃん家だけメルヘンチックなんだもん!それに……


「暑いっ!暑すぎる!」

「うそっ!?全然だよー!」


何この暑さは!死にそうだ…………あ。


「………大丈夫?」


ふらついて思わず蜂鳥の前に倒れそうになる。それをきっちりと支えてくれた。時には優しいんだけどなあ…。


「ああ、うん。大丈夫………」

「ちっちゃん!」


視界が真っ暗になってしまった。




『お嬢ちゃん、どうした?かなり荒れた姿をしているよ』

『無くした……』

『無くした?何を?』

『それは………』


「朝御飯だよーっ!」


ハッ、ってあ、私寝ていたのか。朝って…。何日寝てたんだろう…?


「ねえ、私何日くらい寝てた?」

「アバウト2日?」


2日……疲労が激しかったんだな……。体が重かったし。


「朝御飯、食べよー!」

「あっ、食べる!」


階段を降りると優雅にコーヒータイム中の蜂鳥、パンを貪る琥珀や舞姫ちゃんと料理の後片付けをするいろりちゃんの使い魔、鷸ちゃんと橘君もいた。鷸ちゃんは大きな猫。橘君は作業着を着た、耳が尖ったエルフ、というのかな?背丈はなかなかの高さだけど。


「おはざす!千里!」

「おはよう、舞姫ちゃん」

「今日もべっぴんだねぇ」


使い魔も御飯食べるのね。使い魔は本来食物からエネルギーを頂いてない。私達が生きていることが使い魔のエネルギー源となっているのだ。


「お疲れ、八重樫。早速だけど修業を……」

「だよね…。やっぱ休暇は無いよね…」

「いや、今日は流石に楽な修業だから」


おっ!何かそんな言葉を吐くなっつんは久々に見たぞ!勿論、信用度は無い。


「御飯食べたら屋上、来て」


うん、と軽く頷く。屋上っていってもいろりちゃんの家の高さはさほど高くなかったけど…。何するんだろう?


「あ、ついでに琥珀と舞姫も来ていて」


2人とも気の抜けた返事をする。随分ゆったりしてるなあ、皆さん。ということで、ベランダからよじ登って何とか屋上には来たものの……何もない。いや、家とかはあるけどね。


「舞姫は琥珀を修業してあげるといい。彼女はじきに属性発動をすると思う」


うんや、と舞姫ちゃんは謎の返事をして彼方へ2人共消え去った。


「で、八重樫。君は浮遊魔法が苦手な様で」

「電磁浮遊なら出来るようになったけどね」


全ては私の努力なのだ!!気合いがあれば勉強もへっちゃらさっ!


「え?勉強もやれば出来るって?」

「なーぁんで聞こえてんのおー!?」


彼奴はサイコパスかっ!?あの透き通った目で「俺はテレパシーが出来る」とか言うのか!相変わらず蜂鳥は冷笑しているよ。ぐぬぬ……侮れん……。


「何考えてるかは知らないけどとにかく、今回やる魔法は雷と心の混成魔法。名は雷幻魔法」

「雷……幻魔法…?」


問い掛けに頷く蜂鳥。何だ、どっかーん!と一気に敵が吹っ飛ぶ魔法はやらないのか。


「不服そうだね。まあ、雷幻魔法が終わり次第別の魔法を教えてあげよう」

「やった!やるー!!でも、何でその雷幻魔法?をやるの?」


顎を擦る蜂鳥。考える理由、とは一体?


「何だろう、そもそも君は心属性の魔法を知らないだろう?」

「思ってたけど7人の魔法使いには無い属性だよね?」

「無いよ、俺達には」


無いんかいっ!………って俺達には?誰か居るってこと…?魔法使いは7人だけなのでは?


「雷幻魔法の根本は雷よりも心で通じる魔法。精神に電磁で語りかけるということだ。必要性の問いに対しては大いにある。何故なら、君が無能だから」


何かぶっちゃけられたって感じが物凄くするー………。私は無能ね、うんうん。


「ん?無能?」


まあ、時は遡るが、私が柚葉姉の面影を見たとき、実はもう1人謎の人に会った。姿は分からなかったけど。あそこで私は知ったことがある。世界のルール、文明の云々。意味はさっぱりだけど、自分には危険な知識を詰め込まれた感は凄くあった。


「あれも特には関係無いのね」

「いや関係あるけど君にあれはこなせないね」


ん?…………うん?奴は私の何を知っているんだ?


「いやいや、何知らないって顔してるの?俺が入れた知識なんだけど」

「はあ…………ってはあっ!?貴方があんな訳の分からない知識詰め込んだの!?」


何だよう……鳥頭に勝ったと思ったら自分、結局負けてんじゃんかぁ……。


「つべこべ言うな。とっととやるの」


ぐいっと背を押す蜂鳥。ってここ屋上!落ちる落ちる!!落とす気満々じゃん!


「キャアアアアアア………」


……………ふぅ、危ない。電磁浮遊の魔法を展開できて良かった……。と思いきや、


「解除」


魔方陣がすうっ…と消える。ってことは、まさかまさか!?そう思った時は既に遅かった。


「いったぁー!!」


ずしゃっと擦れる音と鈍い音が混ざる。顔からって訳じゃないけど片腹凄い痛い!あっ、いや、折れてはないよ。落ちたの5センチとかだし。心配した人、すみません。


「いやあ、面白いものを見たよ。上出来上出来」


屋上から普通に飛び降りる蜂鳥。笑顔で拍手してるけど皮肉だろ、それ。チキショー。


「って訳だ、八重樫。知識があれど使えなければただの粗大ゴミみたいなものだから、余り調子に乗らないようにね」


そそ…粗大ゴミっすか…。鳥頭には頭は上がらない……と。いろんな意味で。


「そうだ、良いこと思いついた」


不覚にも奴は陰気な笑いを見せる。そして服のポケットから出したのは……お札だった。勿論、ここのお札。私に差し出してるが、くれるの!?


「えっ貰っていいの?」


そーっと近付いて貰おうとする。が、流石鳥頭。普通にお札を私の手からかわした。勢い余ってつまづく羽目だし!何がしたかった!


「えっ何、貰おうとしたの?あげる訳無いじゃん」

「じゃあ何よ!?」

「これは、古都橋から貰った今日の晩御飯代だ。俺はこれで賄うから君は何処かで探しておいでってだけだよ」


昼にもなってないのに晩飯ですか……。どうせ修業だからって理由だろう。でも昼は出るのね。


「じゃあ修業は?」


蜂鳥は平然とした顔で此方を見た。何か腹立つぅー!!何にも無いのに!


「君にはまだ理解出来ないよ」


…………………はぁ?

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