4.思いを晴らして。
ーーバリンーー
ガラスが割れた様な音がして。
しゃがみ込む。
耳鳴りが聞こえる。
「君が僕を殺したんだ。」
「優っ優なのっ?」
ただの幻覚かもしれない。
それでもワタシには。確かに聞こえた。
実の弟を殺した姉。
そんな姉にはもう。死という選択肢しかない。
だけど、復讐を晴らすまでは。死ねない。
たとえ弟がそれを望まなくとも。
「オリャァー!!!!!!」
無意味にも周りのオトナ達をナイフで切りつける。
オトナ達は静かに赤黒い血を吹き出しながら、死んだ。
こんな事ではワタシの傷は癒えない。
もっと。もっと。必要なのだ。
ワタシの傷を癒す、相応な物が。
笑う事も。泣く事も。怒る事も。喜ぶ事も。
喜怒哀楽を失った私は、壊れてシマッタ。
一つの歯車が狂いだし。
ワタシの人生という名の時計台は今。
もろく、儚く崩れてゆく。
「ヤメローォー」
低く鋭い声が聞こえたと思ったときには。
ワタシの腹にナイフが貫通していた。
執念で後を振り返る。
「これで。お仕舞い、だ。」
そう呟くアイツは涙を流す。
「ジョ、ニー。」
優を育てたアイツは、深い深い哀しみに覆われてゆく。
「フ。フフフフ?」
痛みを訴える事も忘れ、ただ一心にワタシは微笑む。
「何を、笑ってイル?」
「こんな事では。私は死なない。この世界を滅亡させるまで。
生き続けるわ。」
最後の力を振り絞って、幼い少女に乗り移る。
「・・・・っまさか!」
髭を生やしたアノ男は今。ワタシを本気で恐れのいたであろう。
ワタシは、柏木健作の娘。
柏木ゆいに乗り移ったのだ。
「フフフフフ?」




