3.殺したのは、誰?
バーン、ドガーン、バーン
爆音が街を襲う。
いつかの記憶。
ワタシと母に石投げてきた連中。
あの憎らしい連中。
オトナ。オトナ。オトナ。
そんな奴等は今。
嘆いている。
大切な存在を失って。
ワタシは今。
心の底からコイツらに言ってやりたい。
「やっと私の気持ちが判った!?ざまぁみなさい。」
私の言葉聞いた連中は。
昔の様に石を投げつけない。
ただ、ただ。泣いている。
「フフフフ?これでこの世界も御仕舞ね。皆死ねばいいのよ!さぁ。苦しみなさい?
嘆きなさい?」
「や、め、ろ。」
一人の青年がまるで昔の私の様な瞳で訴える。
「うるさいっ!!貴様の様な人間を見ると虫唾が走るのだ!」
「こんな、事、して。両、親、が。よろ、こぶと。おも、う?」
「はぁ?貴様に私の何が判る?判った様な口を利くなぁ!!!!!!」
「弟、だか、ら。」
「え。」
「僕は君の。実の弟だよ・・・・。」
「そんな・・・・。そんな事ありえない。」
「あの時。僕、死んでなんか、なかった。」
「・・・・・・優?優なの・・・・?」
「そうだよ。黒崎優。君の弟。」
「生きてた・・・・・・の。」
「あの戦争、で。多、くの人が。死んだ。僕、は。行方、不明として。処理、されたよね。」
「・・・・・・・・・・・。」
「でも、僕。戦争で、生き残った。逃げて、逃、げて。そした、ら。
ジョニー、っていう人に、出逢って。
そこ、で。療養し、た。ジョニー、は、ね?僕の命、を。
救ってくれた、んだ。それで、お姉ちゃんを、止めようと、頑張ってる。
だ、から。こんな、こともう、やめよう?一緒に、お家に、帰ろう?」
「・・・・ゆ、優。」
「僕、ね?お姉ちゃんを止めたくって、ここ、に。来、たの。」
「優っ!!!」
まるで昔の私が飛び出したかのように。
私は弱っている優を抱きしめた。
「お、姉、ちゃ、ん。逢えて、よかった。僕、は。幸せ、だよ?」
優の頬には一筋の涙が通り、静かに死んだ。
「優っ!!!優、優、優、優、優、優優優ユウユウユウユウ!!!ゅ、ぅ!!!
やだ!死んじゃ嫌!生きてっ生きてよ!!!一緒に、帰ろうよっ。
優っ。死なないでよ!!!ごめんね?お姉ちゃんが間違ってた!
だからイキテ!!!イキテよ!!!イキテ、イキテ、イキテ、イキテ!
また、ワタシ一人なの・・・・?
・・・・ゆ、う。」
「何をしている。黒崎麗。」
この世界の破壊を共に誓った科学者が私に声を掛ける。
「・・・・・弟、が。」
「フン。弟?そんな覚悟も決めないで此処に来ていたのか?」
「は?覚悟?まさか貴様が優を此処に連れて来たのか?」
「何が悪い?弟の生を知った所で、お前の気持ちが変動するか、確めたかったのだ。
どうだ?揺らいだか・・・?」
確かに揺らいだ。
でも。
私はもう。
明るい未来は無い。だから。
弟の分まで。生きてやろうなんて、気持ちにはなれない。
「うるせぇんだよテメェら!もう取り返しつかねぇだろ?
てか、麗。テメェにはもう。選択する資格なんてねぇんだよ!
俺らと悪の道に進むしか、テメェは生きられねーんだよ!!!!
健気に弟の死にネチネチネチネチ考えてんじゃねーよ。
テメェが弟を殺した。麗。テメェは弟殺しとして、罪償うのか?」
傍に居た別の科学者が声を荒げる。
「私は。優を殺した・・・・。殺した。殺した。殺した。」
深い深い哀しみに覆われる。
「イヤァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」




