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Rabbit物語  作者: のん
06章
59/70

9.あの時


麗side



12年前・・・・・・・





「お父さーんっお母さーんっ行って来まぁーす。」




「あら麗。今日は早いのねぇ」




「うん。留美と遊ぶ約束したから。」




「そう。気をつけてね?」




「はぁーい。」




黒崎麗。



馬鹿だけど、いつも前向きに頑張れるのが私の長所。



中学3年生。



勉強の事なんて、なんら気にしなくていい此処、ワンダーランドでは。



平穏な日々と、明るさに満ち溢れてた。



「あー留美ぃ~おっはぁ」



「あー麗じゃーん。意外に早かったね~」



「テヘヘ~だって楽しみだったんだもん。」



「そりゃウチだって同じだけどさ?」



今日は留美と買い物に行く約束。



お互い、好きな彼にプレゼント渡すっていう理由で。






*   *   *



「ねーコレどーよ」



「あっいーかも。雅紀とか喜ぶかも。」



「まじか。じゃー麗はコレ買って来なよ~」



「うん。ありがと。」



「ったく麗は相変わらずお美しいですなぁ」



「はぁ?何ぁに言っちゃってんの~私なんてメッチャブスやないですか。」



「そーゆー所が溜まらなくムカツクわ。」



「酷ー。」



「冗ー談冗ー談。んー。拓海に似合うの無いかなー。」



「コレは?」



「あっいーね。さっすが麗~」




*   *   *



「あっもーこんな時間っ帰る?」



「うん。そだね。バイバーイ。」



「バーイ」




家に帰る途中、雅紀に渡すプレゼント見て、思わずニヤケる。



雅紀、喜んでくれるかな。



驚かせてやろー。




ーーーガチャーーー



家のドアを思いっきり開ける。



「たっだいまー。」




「・・・・麗っ」




家に入ったらすぐ、お母さんが私を抱きしめた。



「え。どしたの。」




「良かった。無事、なのね?良かった。」



「え。何があったの。」



「実は、変な噂が広まってるらしぃの・・・・。」



「変な噂?私たちに関わってるの?」



「えぇ。何でも、私たちが、赤い瞳のウサギ?を造る機械を作ってるとかで・・・・」



「赤い瞳のウサギ?何、それ。ウサギの瞳は青でしょ?」



「まぁ、ただの噂よ。あまり気にしなくていいから。」



「え。でもお母さんっ」



「いいのよ。さぁ、ぉ夕食にしましょう?」



後から聞いた話。



この日母は町中の者から強烈な尋問を受け、石を投げつけられ、涙を流しながら逃げて帰ってきたそうだ。



そんな事、この頃の私は気になどしていなかった。



ただ、いつも元気な母の元気が無かった。



それだけが今も目尻に焼き付いている。

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