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Rabbit物語  作者: のん
06章
52/70

2.貴方を


「っ涼・・・。これって。」



「親父が俺に残した、最後の手紙だ。」



「・・・あ、あたし。どうすればっ」



「俺が、ゆいを支える」



「でもっ、こんな事になるなんてっ」



「守るからっ。俺がお前を、命をかけて、守るからっ。」



「・・・ゴメン。1人にさせて?

 よく、考えたいの。」



「・・・分かった。俺はここで、待ってるから。

 ・・・ずっと。」







現実から目を背けたかった。



気がついたらあたしは走っていて、涼の前から立ち去っていた。









今まで、あたし達が追っていた、本当の敵は、あたし自身・・・。



あたし自身だったんだ・・・。



こんな運命・・・。



簡単に理解できない、よ。



黒崎麗って、誰なの?



どうしてあたしなの?



なんで、なんで?



ジョニーさんからの手紙を読んで、あたしは複雑な気持ちに陥った。







あたしのこの頭痛、この声は、あたし自身の中に潜む、黒崎麗という人物だったんだ・・・。



あたし・・・。



その人が、許せない。



だって、黒崎、麗、さん?



貴方は、戦争を起したんだよ?



貴方は、たくさんの人間の命を奪ったんだよ?



貴方は、・・・貴方は。



とんでもない事を、してしまったんだよ?








あたしは、そんな貴方の事が、許せません。



お父さんを巻き込んだのも、貴方なんでしょ?



赤い瞳のウサギを作り出したのも、貴方なんでしょ?






あたしね?



ジョニーさんからの手紙読んで・・・。



貴方の過去を、知りました。



・・・ううん。



本当は、知らない。



貴方の辛く、苦しい過去は、文章なんかじゃ、表せられない。



伝えられない。



知ることは、とても出来ない。



だから、あたしは、貴方を本気で責めることは出来ない。



拒絶することは出来ない。



あたしが出来ること・・・。



それは、今のあたしには分からない。



でもあたし、分かるの。



貴方があたしに、何か伝えようとしているって。



だからあたし、何をしたらいいのか分からないけど・・・。



でも、貴方のその想いを、受け止めたい。



貴方の想いが知りたい。



それが出来るのは、あたししかいないと、そう思うから。



あたしの中にいる、黒崎麗さん・・・?



あたし、許せない貴方を、救ってみたいと、そう思ってるの。



貴方の過去を、貴方自身の声で、言葉で、感情で、教えて欲しい。



救うなんて、綺麗事なのかもしれない。



それでもあたしは、その綺麗事を信じたいんだ。



重い過去を背負った、よく知らない貴方を、信じたい。







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