10.弱音
「ゆい?大丈夫か?」
「・・・怖いよ。」
「えっ。」
「怖いの。
何が、一体どうなっているのか、全然、分からないの。
ねぇ。
・・・涼。
教えてよ・・・、助けてよっ。
あたしにはっ。
あたしには貴方が必要なのっ!!」
「・・・ゆいっ。
ごめんな?
いままでお前の気持ち、気づいてやれなくて。
俺。
もう絶対、ゆいの傍を離れたりなんか、しねぇ。
俺がゆいを支えるからっ」
「ぅうっ涼っ!!
・・・好き。」
「俺の方が、よっぽどお前のコト、好きなんだよっ」
「ぅっずっずっと、ずっと一緒だよ?」
「あぁ。
ずっと一緒。
約束だ。」
「・・・ありがとね?
涼・・・。
なんか、楽になった気がする。」
「俺もだよ。」
「あっそうだっ、さっきの手紙、もう一回、見せてもらえない?」
「・・・いいけど。
大丈夫なのか?」
「うんっ大丈夫。
あたしには、涼がいるから」
「・・・分かった。」
涼が差し出した手紙に、もう一度、目を向ける。
っうっ
頭痛と吐き気に襲われる。
でも。
っでも・・・。
あたし、向き合わなきゃ、ダメだから。
この手紙を読まなきゃいけない・・・。
そんな気がするから。
「っうっう」
「大丈夫か?
本当に?
やめとく?」
「だっだいじょうっぶ」
「俺が、俺が支えるからっ」
「・・・うっうんっ!」
そして、何とか、手紙を開くコトができた。
* * * * * * *
愛する息子、涼にこの手紙をあてる。
涼。
君がこの手紙を読んでいるということは、もうわしは、この世にいないんだな。
君は今。
悩んでいる。
その悩みとは、ゆい、のことじゃろう?
君は今。
迷っている。
その迷いとは、仲間のことじゃろう?
わしが言いたいこと。
それはな?
我が道は、己で切り開く
、と言うことじゃ。
君には、君の好きなように、生きて欲しい。
君が仲間を大切だ、と。
そう気づくことが出来たときには、君の周りに仲間が、恋人が寄り添うであろう。
わしの死はな?
わし自身が、決めたことなのだよ。
だから、他の者を責めたり、憎んだり、君にはしてほしくない。
それがわしの、君に贈る、最後の願いだ。
それと、わしの知っている。
全ての真実を、この手紙にあてることにしよう。
赤い瞳のウサギを作ったのは・・・。
黒崎麗だ。
柏木健作じゃない。
黒崎麗とはな。
わしが作り出してしまった、悪魔なのじゃ。
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手紙は次回に続きます。




