5.ゆいじゃない
「ゆいぃ・・・。む、虫が・・・」
まいの目には涙が浮かんでいる。
そう・・・。
まいは虫が大の苦手なのです。
「大丈夫だよ!ただの虫じゃんっ」
「む、虫だよ!?ただもなにも、虫なんだよ!?あぁぁぁぁぁ」
「だいじょぶだいじょぶぅ~ほらっ行こう」
「何故そんなノリノリ!?」
ってなわけで。
あともう少しで、銀塊の城に着くぞ~!!!
ってトコロだった。
そのトキだった。
激しい頭痛があたしを襲い、あたしは意識を失った。
まいside
む、虫がぁ~
あぁ・・・。
もう、ダメ。
と。
思っていた、その時。
ゆいに異変が起こった。
「うっ痛っイ、イヤ、」
「えっゆい!?どした?」
「痛・・・い助け、て」
「えっ痛い?頭?」
するとゆいは崩れ落ちるように、意識を失った。
あたしは叫び続けた。
「ゆいっ!ゆいっ?
・・・起きてよ。はやくっ起きなさいよっ
起きろって言われたら、ちゃんと・・・、起きなさいよ・・・」
あたしの力の無い声だけが、こだまする。
・・・ゆい。
何があったのよ?
あたし。
ばかだから。
ちゃんと説明してくんないと、分かんないのに。
ただ、助けてなんて言われたってあたし、分かんないし・・・。
だから、ちゃんと起きろよ・・・。
早く・・・、起きなよ!
すると、ゆいの体が宙に浮くように起き上がった。
よ、よかった。
でも、何か違う。
ゆいじゃ、ない。
するとゆいは口を開いて、しゃべりだした。
「テガミ、カエセ。ワタシ、カエセ。ニクタイ、カエセ、コロス、コロス、コロ、ス
やっまいっ逃、げ、て。コロス、いやぁー」
何があったの!?
ゆい今、逃げてって言った?
どういうコト?
コイツ、ゆいじゃない!
でも、所どころ、ゆいの声が聞こえる。
するとゆいは、瞳を閉ざし、眠り始めた。




