6.恐怖と向き合って
「さっ!ゆい。行こう?」
「行くって言っても・・・。どこに?」
まいは答える間もなく、戦場へと走っていった。
戦場・・・。
そう、あそこは戦場なの・・・。
「まいっ。危ないって。」
「ねぇ。ゆい。逃げてどうするの?
あたしたちが戦争を止めるのよ?
これ以上、犠牲者をださない。」
あなたは今・・・。
もしかしたら、お父さんのことを考えているんじゃないの?
言葉にしないけど、あたしには・・・。
分かるよ。
あなたの気持ち。
これは決して双子だから、なんてそんな理由じゃない。
あたしも同じ気持ちだから・・・。
でも、怖いの。
あたしが救わなきゃって、分かってるんだけど・・・。
怖くて。
怖くて、どうしようもなくて。
涼だって、あたしの前からいなくなっちゃった。
まい。
あなたもあたしの前からいなくなっちゃうんじゃないかって。
考えちゃって・・・。
そんな自分が嫌で。
どうしたらいいか、分からないの。
「ゆい。お父さんはね。たぶん、生きてるよ。」
「えっ?」
「ゆいも、見たんでしょ?10年前と、銀塊の城で・・・。」
「10年前・・・?どうして、まいが?」
「実はね・・・。あたしも見てたんだ。でも、お父さんは死んだはずだから、あたしの気のせいだったのかな?って。」
「そうだったんだ。言ってくれればよかったのに・・・。」
「ゆいこそっ。」
「そだね。もう!これからは、何でも話そう?」
「うん。約束?」
「約束!」
あたしたちは、約束した。
そして、あたしたちは恐怖を胸に、戦場へと・・・。
歩いて行ったんだ。




