8.ありがとね。ケイ・・・。
サラside
あたしはケイにどこか、森のはずれに連れて行かれた。
「ねぇ。ケイ?どこいくの?」
彼はあたしの質問には、まるで耳を貸さない。
「ねぇ。聞いてる?」
「お前。変わったな。前みたいに怒鳴らないんだな。」
前みたい・・・。
あたしは変わった。
それはあなたを失った悲しみから・・・、涼を傷つけた罪悪感から・・・。
逃れるため。
「怒鳴ったほうがよかった?」
「いや、今のほーが、カワイイ。」
「何言ってんの?からかわないで。それより、説明して。何もかも・・・。」
「わーったよ。だから、誰にも聞かれない場所に移動しようぜ。」
「いいよ。」
そしてあたしたちは森のはずれのそのまたはずれに移動した。
「ここなら誰にも聞かれないでしょ。さぁ。説明して。」
「あぁ。分かった。」
そして彼は説明をはじめた。
ケイside
俺は4年前。
死んだ。
サラと涼の目の前で・・・。
赤い瞳のウサギに食い殺されたんだ。
そして、2年前。
俺は生き返った。
健作に生き返らせて、もらったんだ。
健作は、赤い瞳のウサギを作ったヤツらを追っている、と言っていた。
そして、2人の娘をどうしても守りたい。
・・・そう言っていた。
俺は健作の力になるため、生き返ったんだ。
俺はそのとき。
健作とはヒーローで、魔法使いなのだと。
信じていた。
信じていたのに・・・。
健作は、ヒーローでも、魔法使いでも、何でもなかった。
アイツは最低なんだ。
赤い瞳のウサギを作っていたのは健作だったのに・・・。
俺をだましていたんだ。
そして、今の俺は健作を止めたい。
一秒でも早く、とめたいんだ。
健作は・・・、俺のことを本当の息子のように接してくれた。
だから、救いたいんだ。
そのためには俺は健作の仲間のフリをすることしか、方法がなかった。
そのころだった。
サラが健作を止めるために立ち上がっていることを知ったのは・・・。
俺は決心した。
サラをウサギに変えて、もし。赤い瞳のウサギたちによって死者がでそうになったそのときは、その人間を救ってほしい。
かなり危険な賭けだった。
すこしでも勘づかれれば俺たちは殺される。
もちろん、サラを巻き込むことには抵抗があった。
だが、それしか。
それしか方法がなかったんだ。
許してくれ。
ごめんな。
サラ。
サラside
彼はあたしに謝った。
「そんな謝らないで。あたしは、あなたに再会できて、とっても幸せなの。たとえ、戦いが待っていようとも。」
「お前がそんな風に言うとは夢にも思わなかった。俺と涼の前では、素のお前でいいんだぞ。」
「だめよ。」
「何で?」
「だって、あたし。みんなを傷つけちゃう。だから。」
「俺は傷つかない。絶対に。」
「ケイ。何言ってんの?おら。行くよ!」
「今。素。出たろ。」
「でてましぇーんっ!」
「ぜってー出てっからー。」
「でてないってば~。」
なんか。
久しぶりに素のあたしに会えた気がする。
ありがとね。
ケイ・・・。
本当に。
次回はとうとう・・・!?




