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Rabbit物語  作者: のん
03章
23/70

3.どうして?

衝撃だった。



「あなたは・・・。」




あたしの記憶が正しければ・・・。



10年前のあの日。



あたしが見た人物は、やっぱり、お父さんだったんだ。



だって、死んだはずの父が、今あたしの目の前にいる。



なぜ?



なぜ?あなたは死んだはずじゃ・・・。



「お父さん?」



あなたは、返事をしてくれる?



あのときみたいに、返事をしないまま、あたしたちの前から消えないでください。



おねがい。



「ゆい・・・。すまない。」



彼は、返事をしてくれた。



お父さん。



あたしは心のどこかで、いままでお父さんを必要としていたのかもしれない・・・。



でなければ、今あたしの頬を流れているこの涙は何?



あたしは・・・、まいも。



お父さんのことは、気にしなかった。



でも、本当は気にしてたんだね。



きっと、遠慮してたんだよ。



お母さんに。



お母さんは辛くて仕方がないのに、父が死んだとき、涙一滴、流さなかった。



それは、あたしたちのためだと思っていた。



でも、知っていたんじゃ、ないのかな?



本当は、生きてるってこと。



「どうして?こんな所に?生きてたの・・・?」



「すまない・・・。」



彼はその言葉しか、口にしなかった。



そして・・・、



「帰りなさい。家に、ここは危険なんだ。お前たちには、危険すぎる。」



どうして?



どうしてあなたがそんなこと?



ここが危険なのは、十分分かっています。



でも、なぜあなたが?



「お父さん。あたしは帰らない。この世界を救うために来たんだから。」



「ダメだ。お前はまいを連れて。帰りなさい。」



「イヤよ。」



「ゆい。俺はな・・・、お前と戦いたくないんだ。分かってくれ。」



彼は小さくつぶやいた。



でも、あたしはしっかりと聞こえた。




お父さんと・・・、戦う?



お父さんは、何か。



知ってるの?



関わってるの?




おねがい。



嘘であってください。



あたしが聞いたものを、すべて消して・・・。



お父さんを信じたい。



信じたい。




でも、そう思えば思うほど、疑ってしまって・・・。



どうしたらいいのか。



分からないの。



お父さん。



なぜですか?



なぜ、あなたはあたしたちの前から姿をけしたの?



なぜ、あなたは戦う事を恐れないの?



なぜ、あなたは生きていたの?



なぜ、あなたは答えてくれないの?




・・・答えてよ。



あなたは、あたしの家族です。



大切な。



そして・・・、とても愛しい。



そう、あなたは、あたしの家族です。







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