9.銀塊の城
「おーきろー。ゆい。」
あーもう。
うっさいなぁ。
寝かせろよっ!!!
「おきろ。おきろ。大丈夫か?ゆい?まさか、死んじゃった?」
死ぬわけねーだろっ!
バカヤロウ!
柏木ゆい。
あたしの性格は、あたしが一番分かっていると、昨日まで思っておりました。
まさかあたしが頑固で・・・、寝起きが悪くて、その上。
・・・暴言を心の中でぶちまけているなんて。
涼があたしのこんなとこ見たら、きっとショックだろーなぁ。
いや、それ以前に、あたしの方がショックだしっ!
何あたし、一人で語ってんだろ。
あっ!
そうだ。
起きよう。
思いつくようなことでもなかったか。アハハ。
「おはよう。」
「あっ。やっと起きた。さっ。行くぞ。」
「えっ?行くってどこに?」
「銀塊の城。」
即答!?
しかもあたし今起きたんですけど。
おなかすいたし。
テント片づけなきゃだし。
って、テント片付いてるしっ!
じゃぁ、あたしはいままでどこで寝ていたんだ!?
あたりをみまわすと・・・、あたしは岩の上に座っていた。
岩!?
あんな硬いのに!?
自分でも信じらんない。
あたしは一体どうしちゃったの???
一人パニック状態になっているあたしをよそに、彼は行く気マンマンオーラをだし、あたしを見つめていた。
あたし。
この人についていけない〔涙〕
あたしのペースがぁ~!!!
彼は子犬のような瞳であたしを見つめていた。
どうやら早く行きたいらしい。
瞳が訴えている。
これは・・・。
可愛すぎるよ。
負けた。
負けました。
あたくしゆい。
自分の彼氏の可愛さに負け、ご飯も食べずに出発。
情けない。
それにしても・・・。
何にもないな。ここ。
銀塊の城も見えないし。
「涼。銀塊の城って、どこにあるんだろーね。」
「あるじゃん。 目の前。」
「えっ?あっ!あった。」
見えないのもそのはず。
あたしの目の前に、スカイツリーよりも巨大な城があり、その模様が、岩、コンクリート、岩、コンクリート。
こんなの・・・、分かるわけないじゃんっ!!!
変な趣味っ!
この城作った人なんか、大っきらい!!!
暴言がでてきてしまいました。
イライラした方。
ごめんなさい




