第8話
(チビが来てから1ヶ月が過ぎた・・・)
みきお
「チビ、おはよう! 今日も一緒に山まで走るぞ~!!」
チビ
『ワン!ワン!』
(チビは毎朝みきおと山まで走って散歩に行くのがとても楽しみ)
みきお
「チビ、おまえ走るの速くなったな~!よーし、今日はもう少し山奥まで行ってみようか!!」
チビ
『ワン!ワン!』
みきお
「そうか!チビももっと走りたいんだな! よし行くぞ~!!」
(みきおはチビと山奥へとどんどん走って入って行った)
チビ
『ガルル・・・ ガルル・・・』
みきお
「おいチビ、どうしたんだよ急に!?」
(チビは足を止め、木の枝に向って何か威嚇をしている)
みきお
「ああ、チビ そいつは青大将っていってこの山に
一番多く住んでる蛇だよ! 毒もないし悪さもしないよ」
チビ
『ガルル・・・ ガルル・・・』
みきお
「そうか、チビは蛇を見るのは初めてだから怖いんだな!?よーし・・・ それっ!!」
(みきおは折れた枝で青大将を木の枝から払い落とした)
チビ
『クュン クューーン・・・』
(チビはびっくりしたようでみきおの足の後へそそくさと身を隠した)
みきお
「チビは怖がりだなぁ~青大将はそんなに悪いやつじゃないのに・・・」
(青大将もびっくりしたようで、森の中へいそいそと逃げていった)
みきお
「なぁチビ、山にはまだまだチビが見たことのない生き物が
たくさんいるんだよ、危険なこともあるけどそれ以上に山には
楽しいことがいっぱいあるんだ!チビもきっと山が好きになるよ!」
チビ
『ワン!ワン!』
みきお
「そろそろお腹すいたから帰ろうか!明日もまた一緒に来ようね!」
チビ
『ワン!ワン!ワン!』
(チビは少し怖いけど山が気に入ったようで嬉しそう)
みきお
「よーーし!チビ! 家まで競争だ~! よーーいドン!!」
チビ
『ワン!ワン!ワン!』
(チビに餌と水をやり、朝ごはんを食べに囲炉裏へ行くと、父さんが出掛ける準備をしていた)
みきお
「父さん、どこかへ出掛けるの?」
父さん
『ああ、みきおかぁ 父さんしばらく家を空けるから頼むぞ!
それと、ちゃんと毎日犬の世話はしてるのか?』
みきお
「うん、ちゃんとしてるよ!今餌と水をあげてきたところだよ」
父さん
『そうか、偉いぞ!よく運動させてよく食べさせて立派な犬に
育てるんだぞ!みきおなら出来るから頑張るんだぞ!』
みきお
「うん、ボク頑張るよ! それと・・しばらく家を空けるって、父さんどこまで行くの?」
父さん
『お前は知らなくていいんだよ、そんなことより母さんの手伝いを
しっかりして犬の世話をちゃんと毎日頼んだぞ!」
みきお
「・・・うん、任せておいて!」
(父さんは急いでるようだったのでそれ以上は聞かないようにした)
みきお
「父さん、いってらっしゃい!」
父さん
『ああ、あとは頼んだぞ!』
(父さんは大きめのバッグを持って出かけていった)
みきお
「ねぇ母さん、父さんはどこへ行ったの?」
母さん
『・・・さぁね・・・そんなこといいから、さっさとご飯食べないと学校に遅れちゃうわよ』
みきお
「・・・はい、いただきま~す。ねぇ母さん、来月の馬場レースまでには父さん帰ってくるよね?」
母さん
『それまでには帰ってくるはずよ、馬場レースは父さんも
とても楽しみにしているレースだから!』
みきお
「今年はハナも行くのかな~?ハナ、大丈夫かなぁ・・・」
母さん
『さぁそれはどうかしらね~でもハナも2歳になったから父さんは連れて行くんじゃない?』
みきお
「ハナ・・・馬力はあるけど、優しすぎるからなぁ~・・・ボク心配だよ」
母さん
『みきおはハナと仲がいいものね、心配よね』
みきお
「ハナはボクが初めて世話した馬だからね!
頑張って欲しいけど、あんなに重いの・・うまく引けるかな・・・
引けないと父さん鞭でたくさん叩くからハナがかわいそうだよ・・・」
母さん
『じゃあ、みきおが頑張ってハナを応援してあげないとね!』
みきお
「うん、馬場レースではボク ハナをたくさん応援するね!」
母さん
『きっとハナもみきおの応援があれば頑張れると思うわよ』
みきお
「ごちそうさま~!じゃあ母さん行ってきま~す!」
母さん
『行ってらっしゃい、みきお』