第6話
(真っ黒の滝つぼに落ちた3人はそのまま水路を流されていた)
みきお
「おーーーい!みんなだいじょうぶーーーーー?!」
(泳ぎの得意なみきおは真っ暗な流れにうまく乗りながら辺りを見渡し大声を出した)
同級生
『みきおーーーーー!みきおも大丈夫かーーーーー?!』
もう一人の同級生
『ボクも大丈夫だよーーーーー!』
みきお
「みんなよかったーーー!がんばって泳ごうーーー!!」
同級生達
『おぉーーーーーーーーーーーー!』
(真っ暗な流れを必死に泳いでいると遠くに明るい光が見え出した)
みきお
「出口だーーーー!出口だーーーーー!」
(その光はどんどん大きくなり眩しさで目をふさいでしまうほど)
みきお
「うわーーー!眩しいけど出口だーーーーー!」
(まるで光の国への入り口のような・・・神秘的な気持ちになった・・・
そしてその出口の先は、ほら穴のあるいつもの池だった)
みきお
「池に戻ってきたんだ・・・」
同級生
『へぇ~こんな所に出て来たのか・・・」
みきお
「ボク、なんだか気持ちいいからこのまま向こうまで泳いでいくよ」
同級生
『・・・そうだね、気持ちいいからこのまま泳いで行こうか』
(みきおはゆっくりと泳ぎながらさっき見た滝のことを思い出していた)
みきお
「すごいよね・・・あの滝からここまで僕達流されてきたんだよ」
同級生
『そうだね・・・すごく怖かったけど、すごくワクワクしたよね』
みきお
「あの滝・・・あの滝の水はどこからきてるんだろうね」
同級生
『そうだよね・・・どこからあんなにスゴイ水が出てくるんだろうね』
みきお
「あの滝のもっと奥には見たことの無いものがたくさんあるのかな・・・」
同級生
『見てみたい気もするけど・・・すごく怖い気もするね・・・』
(3人は池の向こう岸に着き、陸へ上がった)
みきお
「アハハ、びちょびちょだね」
同級生
『母ちゃんに怒られるだろうなぁ・・』
みきお
「今日の探検のことは3人だけの秘密にしようね」
同級生
『うん、そうだね あのほら穴の奥の話は3人だけの秘密にしよう』
みきお
「今日のこと、明日学校でみんなになんて言おうか・・・」
同級生
『・・・ほら穴の奥は狭くて進めなかった!でいいんじゃない?』
みきお
「そうだね、奥へは狭くて進めなかった!にしておこう」
同級生
『もう帰るね みきお、また明日学校でね!』
みきお
「うん、じゃあまた明日学校で」
(その日の夕方、父さんが大きいカゴを持って二日ぶりに帰ってきた)
みきお
「父さんおかえりなさい!」
父さん
『おお、みきお!いい所に来たな お前にコレお土産だぞ~』
みきお
「お土産?ボクに? 大きなカゴだけど中に何が入ってるの?」
父さん
『今開けて見せるからな、・・・ほら!』
みきお
「うわーーーー!子犬だ! 白くてカワイイ子犬だね~!」
父さん
『今日からこの犬の世話はみきおの仕事だ、いいなみきお!』
みきお
「うん、ボクちゃんとお世話するよ!ありがとう父さん!!母さん達にも見せてきてもいい?」
父さん
『ああ、いいとも。でもその前にこの犬を育てるにあたって約束事が3つある、
それをちゃんと守ると約束出来るか?』
みきお
「うん、出来るよ! ・・・3つの約束って?」
父さん
『先ずひとつ目は、必ず毎日 朝晩走って犬を散歩に連れていくこと。』
みきお
「うん、大丈夫だよ!ボク駆けっこ大好きだから!」
父さん
『みきおは駆けっこが得意だからこの犬を父さんは任せるんだからな』
みきお
「うん、ボクに任せてよ!」
父さん
『それと二つ目は、毎日このブラシで全身をしっかりブラシしてあげること。』
みきお
「うん、毎日ちゃんとブラシしてあげるよ!」
父さん
『そして一番大切な三つ目は、この犬に名前を絶対につけないこと。』
みきお
「え?犬に名前をつけないこと?? ・・・どういう意味なの??」
父さん
『・・・意味などない!とにかくこの犬に名前をつけてはダメなんだ!
この約束が守れないなら、みきおに任せるわけにはいかないよ!』
(父さんがいきなり強い口調になったのでみきおはビックリしたが
前から子犬が欲しかったみきおは父さんの言いつけに従うしかない)
みきお
「うん、わかったよ父さん!名前は絶対につけない!」
父さん
『よし、偉いぞみきお!じゃあこの犬は今日からお前がみるんだ!』
みきお
「やったーーー! ボクちゃんと大切に育てるからね!
そういえば父さん、この子犬・・・何犬の子犬なの?」
父さん
『こいつは、秋田犬の子犬だよ』
みきお
「秋田犬かぁ・・・大きくなるのが楽しみだなぁ・・・」