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第4話

(翌日、学校へ向うために玄関を出るよしおとみきお)


よしお兄さん

『よーし、みきお!今日こそは絶対に負けないからな!!』


みきお

「今日も競争するの? ボクはいいけど・・・負けないよ」


よしお兄さん

『今日のオレは本気で走るからな!本気の本気で走るからな!』


みきお

「ねぇ、よしお兄さん・・・ボク少し後からスタートしてもいいよ」


よしお兄さん

『何を~? もう頭きた! よーし、今日オレがもし負けたら

             豚の餌用のカボチャ1ヶ月間毎日オレが切ってやるよ!!』


みきお

「え?!本当?本当に本当??」


よしお兄さん

『本当だとも!男に二言はない!!』


みきお

「やったー!!じゃあボクも今日は本気で走ろうっと!!」


よしお兄さん

『え?何?? 今日は・・本気?? みきおお前いつも本気で走ってなかったのか??』


みきお

「うん、だって母さんがいつも言ってるでしょ!

 食べてすぐ走るとお腹が痛くなるからやめなさいって・・・

 だからボクは学校まで本気で走ったことなんて一度もないよ」


よしお兄さん

『あ・・・そうなんだ・・・ところで・・・みきおちゃん、

 オレが先に走り出すから、みきおは30数えてから走り出すなんていうのはどうかな~?』


みきお

「いいよ、そのかわりボク本気で走っていいんでしょ?」


よしお兄さん

『当たり前じゃないか!男の勝負はいつだって本気さ!』


みきお

「わかったよ、よしお兄さんが本気で走り出した後ボクは30秒数えればいいんだね」


よしお兄さん

『はい みきおちゃん、よろしくおねがいしま~す!  ・・・よーいドン!!』


みきお

「1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11・・・・・・・・・・30!よーし、追いかけるぞ~!!」


(家から学校までは曲がりくねった細い道で約2.5kの距離)


よしお兄さん

『はぁ・・ひぃ・・はぁ・・ひぃ・・はぁ・・ひぃ・・』


みきお

「よしお兄さん、もうすぐで学校だよ!頑張って!!」


よしお兄さん

『なん・・はぁ・・で・・ひぃ・・そんな・・はぁ・・はやいん・・ひぃ・・だ・・』


(みきお1着、よしお2着)


みきお

「やったー!これで一ヶ月間カボチャ切らなくていいんだね!」


よしお兄さん

『はぁ・・はぁ・・みきおはなんでそんなに早く走れるんだよ・・・』


みきお

「だってボク、駆けっこ大好きなんだもん!」


よしお兄さん

『みきおには敵わないよ、ほんと・・・』



みきおの同級生

『おーい、みきお! 早く教室来いよ!!


     今みんなで昨日のほら穴探検の話をしてるとこなんだよ!』


みきお

「うん、今行くからちょっと待ってて~!」




みきお

「ねぇ、昨日のほら穴探検どうだったの??」


同級生

『みきお、これは俺達だけの秘密だから誰にも言うなよ!』


みきお

「なになに?何か発見でもしたの??」


同級生

『実は昨日、みんなであの長いほら穴の一番奥まで行ってみたんだ!』


みきお

「え?!あの暗いほら穴の一番奥まで行ったの?? で?で?」


同級生

『一番奥は突き当りになっていたんだけど・・・よく見てみたら

 人が一人通るのがやっとくらいの細長い別の穴を発見したんだ!

 そしてその細長い穴の奥からは冷たい風と水の音がしてたんだ!」


みきお

「その奥に川が流れてるのかな・・?」


同級生

『川の音よりも、もっと強い水の音だったよ』


みきお

「何だろ・・・?滝かな? でもほら穴の奥に滝なんて・・・」


同級生

『俺達は今日、その細長い穴の奥を探検しに行くつもりなんだ!みきお、お前も一緒に行くだろ?』


みきお

「うん・・・いいけど、ちょっと怖いな・・・

      母さんからもほら穴の奥へは行っちゃダメだって言われてるしなぁ」


同級生

『みきお、大丈夫だよ!ちゃんと かんかん持ってれば明るいし

                危ないようだったらすぐ戻ればいいんだから』


みきお

「・・・うん、そうだね。 よし探検に行こう!!」


同級生

『学校が終わったら急いで帰って、みんなでかんかん持って集合だ!』


みきお&同級生

「オー!!」



(キーンコーンカーンコーン・・・放課後)


みきお

「じゃああとでな~!」


(みきおは大急ぎで家に帰り、かんかんとロウソクとマッチをこっそり持ち出し

                   待ち合わせ場所のほら穴入り口へと向った・・・)



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