最終話
(みきおは泣きながらゆで玉子を食べ続け・・・気がつくと16個全部食べ終えてしまっていた)
みきお
「一度にこんなに玉子を食べたのなんて初めてだなぁ・・・
うまかったなぁ・・・ 母さん本当にありがとう・・・」
(それから1時間も経たない内にみきおの体には異変が起こり出していた・・・)
みきお
「まずいなぁ・・・ これはまずいなぁ・・・」
(みきおは席を立ち風通しのいいデッキへと移動した)
『ブッ ブブブッ ブブッ・・・』
みきお
「まずいなぁ・・・ オナラが止まらないよ・・・」
(一度にこんな大量の動物性の物を摂ったことの無いみきおのお腹は激しい内乱を起こしていた)
みきお
「参ったなぁ・・・ このままじゃあ全然席に戻れないよ・・・」
(デッキでの、みきおの格闘は1時間以上も続いた・・・)
【それから8年後】
社長
『おいみきお!そろそろ配達へ行って来いよ!』
みきお
「はい、今から行くところです!!」
(みきおはちゃんとクリーニング屋で真面目に働いていた)
社長
『そういえばみきお!お前昔、陸上やってたんだったよな?』
みきお
「はい?ちゃんと陸上なんてやったことないですよ、ただ走るのが好きだっただけです」
社長
『でも中学校から送られてきたお前の履歴書にはマラソン大会3年連続優勝!と書いてあったぞ?』
みきお
「それは本当ですけど、競技としてはちゃんとやったことないんです」
社長
『そうか・・・ じゃあ陸上競技に興味は無いのか?』
みきお
「はい?いや・・そりゃあ陸上は好きですけど・・・社長、どうしたんですか急に?」
社長
『いやなに・・・みきおが陸上好きかと思ってな、
お前の家にテレビ無かっただろ? だから知り合いに頼んで
東京オリンピックの観覧チケットを1枚だけ貰っておいたんだよ・・・
明日は会社も休みだし、東京オリンピックを観たかったら国立競技場へでも行ってこいよ』
みきお
「・・・・・・・・・」
社長
『ん?どうした? やっぱり興味ないか?』
みきお
「ありがとうございます!!すごく嬉しいです!!社長、本当にありがとうございます!!」
次の日みきおは東京オリンピックを観に国立競技場へ行った・・・
朝から晩までずっと国立競技場でオリンピックを観ていた・・・
しかしその時どんな競技が行なわれていたのか・・・
どんな選手が勝って、どんな選手が負けたのか・・・
ほとんど覚えていない・・・
でも一つだけ未だに目に焼きついて離れない景色がある・・・
それは、青空に照らされ光輝く国立競技場の美しい姿。
そして未だに拭えない思いも一つ、
出来ることなら 陸上選手になりたかった・・・
(お わ り)
つまずいても 立ち止まらないで
転んでも 泣いたりしないで
つまずいてしまったら 走り出そう
転んでしまったら ワハハと笑おう
沢ガニにおはようをして 川で顔を洗っていたら
水の流れにまかせ扇ぐ 蛙が手を振っていた
山があおい 川があおい 風があおい
大空をすいこんで あおく輝いてる
傷ついても 立ち止まらないで
淋しくても 泣いたりしないで
傷ついてしまったら 歩き出そう
淋しくなったら ラララと歌おう
見晴らしのいい木に登って 地平線を眺めていたら
ゆらゆらと波のようにそよぐ 稲穂が踊っていた
山があおい 川があおい 風があおい
大空をすいこんで あおく輝いてる
分かれ道に 立ち止まらないで
迷っても 泣いたりしないで
分かれ道こそ 勇気を出そう
恐れず迷わず 笑顔で進もう
なんとなく踏み出した足が この旅の始まりだとしたら
決められた道などどこにも無い 冒険が待っている
山があおい 川があおい 風があおい
大空をすいこんで あおく輝いてる
大空をすいこんで あおく輝いてる・・・