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第27話

母さん

『みきお、今日はマラソン大会だったわね母さん畑が忙しくて応援に行けないけど頑張ってきてね』


みきお

「うん、ボク頑張って走ってくるね!」


母さん

『みきおはまだ1年生なんだから、優勝を無理に狙うんじゃなくて

               最後まで諦めずに走りきることを目標に走りなさいよ』


みきお

「うん、わかってる! とにかく自分の精一杯を出してくるよ!」




かずお兄さん

『おいっ!みきお!大変だぞ!!』

(かずお兄さんが外で慌ただしくみきおを呼んでいる)


みきお

「どうしたの?かずお兄さん」


かずお兄さん

『お前、朝ブタに餌やったあと ブタ小屋の扉閉めるの忘れただろ!』


みきお

「え??そうだったかな・・・」


かずお兄さん

『今ブタ小屋見たら、ブタが2匹も逃げて居なかったぞ!!』


みきお

「え??うそ??  ボク・・・探して来る!!」


(みきおはブタ小屋を確認してみたが、やはり2匹ブタがいない

            おまけにブタ小屋の扉は半開きになったままに・・・)


みきお

「こいつは大変だ!!」

(何が大変かと言うと、ブタは畑の作物を食い荒らしてしまうので

 よその畑を荒らしてるとなると大変な騒ぎになるのだ・・・

 みきおはとりあえずこの辺で一番大きな芋畑へ向ってみた・・・)



みきお

「・・・う~ん、ここには居ないみたいだなぁ・・・」


(みきおは他の畑や自分の家の畑も見てみたが豚の姿は見えない)


みきお

「朝、餌を食べたばかりだからきっとまだお腹が減ってないんだな・・・

 参ったなぁ・・・ 

 畑じゃないとすると裏山に遊びに行ったとしか考えられないなぁ・・・

 2匹もこれから裏山で探してたらマラソン大会終わっちゃうよ・・・

 ・・・でも、そのままにしておく訳にはいかないから急いで探そう!!」


(みきおはブタを探しに山の中へ入り、必死に走り回りながら探し続け、

           やっとの思いで遠くの木の陰にブタを1匹発見した!)


みきお

「こいつ・・・手間取らせやがって・・・」


(背後から気づかれないようにこっそり近づき、

 覆いかぶさるようにしてブタの首に持っていた縄をかけた)


ブタ

『ブヒィィィ・・・』


みきお

「よーし!これでもう逃げれないぞ!! さっさと帰るぞ!!」


(ブタは観念したらしく、ゆっくりではあるがみきおに

            引かれるがままに歩き出し、一緒に山を出た)


みきお

「あ!まずい!もうそんな時間か・・・・」


(近所の中学生が登校していく姿が見えた・・・みきおは急いで1匹を

         ブタ小屋へ戻し、大急ぎで2匹目のブタを探しに山へ戻った)



みきお

「おーーい!出てきてくれよーーー!頼むよーーー!

             マラソン大会に行けなくなっちゃうよーーー!」


(みきおは山の中を走り回りながら祈るようにもう1匹を探していたが、

 探せど探せどもう1匹のブタが見つからない・・・

 みきおは探し疲れ、川の淵で休憩していると向こう岸で物音が・・・)


みきお

「なんだろう?熊?いやこの季節にこんなところまで下りて来ないし

                        じゃあ・・・もしかしてブタ?」


(みきおは川を渡り向こう岸の物音のする方へそっと向ってみた)


『ブヒ ブヒ・・・』


みきお

「やっと見つけたぞこいつ~・・・」


(もう1匹のブタが草むらでウロウロしているところを見つけ

             背後から気づかれないように近づき首に縄を通した)


みきお

「やっと捕まえたぞこいつ! さっさと歩いてくれよ~」


(ふと空を見上げると、太陽はずいぶん高い所までのぼっていた)


みきお

「早く歩けよ!マラソン大会が始まっちゃうよ~・・・」


(みきおは2匹目のブタを小屋へ戻し鍵をしっかりかけ、猛ダッシュで中学校へ向った)


みきお

「まずいなぁ・・・応援の人たちがもう道に出てきてるよ・・・」


近所のおじさん

『みきお!何やってるんだこんな所で!もうスタートの時間だぞ!!』


(みきおはその声を聞いて更に加速した)


みきお

「お願いだからスタートに間に合ってくれ~~・・・」


(その思いも虚しく、遠く中学校の方からスタートの鉄砲の音が聞こえてきた!)


みきお

「ちくしょう! ちくしょう! ちくしょう!」


(みきおは走るのをやめずに必死に中学校を目指した!中学校が近づいてきた頃、

             マラソンの先頭ランナーがこっちへ向って走ってくる姿が見えた)


みきお

「あ!先頭は・・・やっぱりあの人だ!!」


(みきおは体中の血液と筋肉が躍動してくるのを感じずにはいられなかった)



みきお

「ちくしょう! ゼッタイに諦めない! ゼッタイに負けない!!」



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