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第2話

みきお

「よしお兄さーん!早く早く! 遅刻しちゃうよ~」


よしお兄さん

『ハァ・・ハァ・・ハァ・・今日も勝てなかったか・・・』


みきお

「よしお兄さん、帰りも競争する?」


よしお兄さん

『帰りはオレ友達と遊んで帰るから みきおは先に帰ってろよ』


みきお

「えぇ~ 牛はどうすんのさ~」


よしお兄さん

『知らないよそんなの!お前が勝手に山へ連れていけよ!』


みきお

「だから2頭もボク一人じゃ無理だってばぁ!」


よしお兄さん

『とにかくオレは夕方まで遊んで帰るからな!じゃあな!』



(放課後)


みきお

「脱脂粉乳ってなんであんなにマズイんだろう・・・

          でも今日は一口飲めたから明日は二口飲めるように頑張ろうっと」


同級生

『お~い、みきお!これからみんなで池の奥にあるほら穴に

                   探検にいくんだけど、みきおも来いよ!』


みきお

「ほら穴に? うん、行く行く!・・・・・あ、ごめん今日はやめとくよ」


同級生

『なんでだよ、用事でもあるの?』


みきお

「うん、牛に草を食べさせに山へ連れて行かなくちゃならないんだ・・・」


同級生

『え?それってお兄さんの仕事だろ?』


みきお

「・・・でも、よしお兄さんが連れて行かないって言うから

              ボクが連れていかないと牛がお腹へってかわいそうだから」


同級生

『みきお一人で大丈夫なの?牛だよ?』


みきお

「まだ一人で連れてったことないけど・・・頑張ってみるよ」


同級生

『わかった、がんばれよ!』


みきお

「明日学校でほら穴探検の話聞かせてよね!」


同級生

『うん、じゃあまた明日な!』


みきお

「うん、また明日」



(帰宅後)


みきお

「母さん、ただいま!」


母さん

『おかえり、みきお 学校はどうだった?』


みきお

「うん、今日は脱脂粉乳一口だけ飲んだよ!」


母さん

『そう、よく頑張ったね』


みきお

「明日は二口飲めるよう頑張るからね!」


母さん

『みきおは頑張り屋さんでえらいわね、母さん嬉しいよ』


みきお

「それと、今日も体育で駆けっこ一番だったよ!」


母さん

『みきおは本当に足が速いものね、でもよく頑張って走ったね』


みきお

「うん、ボク駆けっこ大好きだし、駆けっこなら誰にも負けないよ!」



(チリンチリーン・・・ チリンチリーン・・・)


みきお

「あ!アイスキャンデー屋さんが来た!」


母さん

『ごめんね、アイスキャンデーもお前に買ってやれないで・・』


みきお

「大丈夫だよ母さん、ボクなら全然平気だから!そんなことよりちょっと外へ行ってくるね!」



(みきおは外へ出て鶏小屋の下の土を掘り始め、土の中から何かを掘り出した)


みきお

「あった、あった! 朝隠しておいた鶏の卵!」



(チリンチリーン チリンチリーン)


みきお

「おじさん、アイスキャンデー1本ちょだい!」


アイスキャンデー屋さん

『はい、1本5円だよ』


みきお

「5円は無いけど、この卵2個と交換しておくれよ!」


アイスキャンデー屋さん

『・・・卵2個とだね、いいよ1本どうぞ』


みきお

「やったー!おじさん、ありがとう!」


(みきおはそのまま河原まで走り、アイスキャンデーを食べた)


みきお

「甘くてうんまいなぁ~ これ、すんごくうんまいな~~」


(初めて食べるアイスキャンデーの美味しさにほっぺが落ちそうになりながら

 最後残った棒まで舐めたり噛んだりしながら河原に寝転んで空を眺めていた)


みきお

「あの雲がアイスキャンデーだったらなぁ・・・

 お腹いっぱいアイスキャンデー食べてみたいなぁ・・・

 あ、あの細い雲 エビフライみたいな形してるなぁ・・・

 エビフライってどんな味がするんだろう・・食べてみたいなぁ・・・

        きっとびっくりするくらい うんまいんだろうなぁ・・・」


(ぼんやりと空を眺めていると今度は大きな雲が流れてきた)


みきお

「あはは、あの雲大きくて まるで牛みたいな形してるなぁ・・・

             ・・・あ!忘れてた!! 牛を山へ連れて行くんだった!!」


(みきおはアイスの棒を土に挿し、急いで牛舎へ向った)


みきお

「やっぱり2頭いっぺんは僕には無理だ・・・仕方ないから1頭づつ山へ連れていこう!」


(みきおは牛の鼻輪にロープをくくり、大きな牛を連れて山へ向った

 1時間程山を登ったところにいつもの草場がある、そこへ到着し30分くらい牛に草を食べさせる、

 そして食べるのをやめた牛を引っ張って登ってきた道を戻り牛舎へと帰り、もう1頭を連れ出した)


みきお

「日が暮れるまでに帰ってこれるかなぁ・・・

 日が暮れたら怖いから嫌だな・・・ でも、連れて行かないと・・・」


(みきおの不安通り、牛が草場で食べてる間に日が暮れだした)


みきお

「おい、いつまで食べてるんだよ!もう日が暮れてきたから帰るよ!

                ほら、日が暮れたら大変だから帰るんだってば!!」


(牛は食べることに夢中で見向きもしてくれない・・・

                  そしてそのまま とうとう日が暮れてしまった・・・)



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