表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/33

第16話

(ハナは大好物のニンジンをたくさん食べれて嬉しそう、そして久しぶりに家族揃っての

 お祝いとご馳走にみんなとても楽しい一夜を過ごした。笑顔がいっぱいの一夜になった・・・)







(お祝いから1ヶ月が過ぎようとしていたある日の夜、父さんが久しぶりに酔っ払って帰ってきた)


父さん

『ただいま・・・・』


みきお

「父さんおかえり!」


父さん

『・・・・・・・・・・・・』


みきお

「あれ? 父さんおかえり!!」


父さん

『・・・ただいま』


(父さんはそうとう酔っ払っている様子で、無愛想に奥の部屋へ入っていってしまった)



みきお

「ねぇ母さん、父さんすごく酔っ払っているみたいだったね」


母さん

『そうね・・・』


みきお

「父さん、最近たまにすごく酔っ払って帰ってくることがあるけど

 一体どうしたんだろう・・・少し前まではそんなこと無かったのに・・・」


母さん

『みきお、母さんみきおにお願いがあるんだけど・・・』


みきお

「え?なに?お願いって」


母さん

『今夜、母さんの布団で一緒に寝てくれないかい?』


みきお

「え? 母さんの布団で? いいの??」


母さん

『ええ、母さん みきおに一緒に寝て貰いたいのよ』


みきお

「ボクは嬉しいけど・・・どうしたの?母さん?」


(母さんは、何故かとても不安そうな表情を浮かべていた・・・)



みきお

「わかった、ボクが隣で寝てあげるよ!」


母さん

『ほんとかい?ありがとう・・・』



(その夜、みきおは父さんと母さんの間に挟まれるようにして母さんの布団で

 一緒に寝ることにした・・・そしてうとうと眠りにつきそうになったその時、

                     みきおの顔の上を突然黒い影が覆った・・・)


母さん

『うぅぅぅ・・・・』


(みきおは一体何が起きたのか?把握出来ずにいた・・・

 そして顔をおさえて僅かにうなり声をもらしている母さんを見て

 やっとみきおは今何が起きたのかを理解したが、その時には

 目の前の黒い影も無ければ隣の父さんもイビキをかいて寝ていた)



みきお

「どうしよう・・・ボクどうしたらいいんだろう・・・」


(みきおは一生懸命考えてもどうしたらいいのかわからないでいた、

    そこへもう一度さっきの黒い影がみきおの目の前に飛んできた!)


みきお

「うわっ!!」

(みきおはとっさに力いっぱいその黒い影を捕まえた!)


みきお

「父さんっ!」


父さん

『・・・・・・・・・・・』

(父さんのイビキは既に止まっていたが、返事は無い・・・

 そして寝返りをうつようにしてみきおに捕まれた腕を振り払った)


みきお

「父さん・・・」


(みきおはとても複雑な気持ちになって全く眠れずにいた・・・

 そしたら再び父さんの腕が目の前に飛んできた!

 みきおはその腕を再び捕まえ、今度は父さんの上に馬乗りになった)


みきお

「やめろ!父さんっ!!やめろ!やめろ!やめろ!やめろ!

           やめろ、やめろ、やめろ、やめろ、やめろ、やめろ、やめろ・・・」


(みきおは父さんの上に乗り何度も何度も祈るように願うように父さんに言い続けた・・・

 父さんは何事もなかったかのようにまたイビキをかき出したので、みきおは

 父さんから降りて自分の場所に戻り、朝方まで自然に眠ってしまうまで父さんを見張った・・・)




母さん

『みきお、朝よ!みきお、そろそろ起きなさい』


みきお

「うう・・ん、おはよう・・・母さん」


(みきおは昨夜の出来事が夢であって欲しいと願っていたが、

 母さんの右の頬が赤く腫れているのを見てとてもがっかりした)


みきお

「父さん・・・は?」


母さん

『・・・もう出掛けたわよ』


みきお

「母さん、顔・・・大丈夫?」


母さん

『ああこれ?全然平気だから気にしないでいいわよ、

 それよりみきお、昨日はありがとうね・・・本当にありがとうね・・・』


みきお

「母さん・・・ 母さん、ボクこれから毎日母さんと一緒に寝てあげるよ」


母さん

『みきおは優しいわね、でも、それじゃあみきおが寝不足になっちゃうからいいわよ』


みきお

「へっちゃらだよ!だって、だってボク、母さんを守りたいんだ・・・」

(みきおは堪えきれずに泣き出してしまった)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ