第15話
(走って病院へ着いたみきおは、母さんにハナの優勝の報告をした母さんはとても喜び、
何度も何度もみきおとバンザイをした)
母さん
『ハナもよくがんばったけど、みきおもほんとによく応援頑張ったね』
みきお
「ボクは夢中でハナの名前を呼んでいただけで、全然頑張ってなんかいないよ」
母さん
『みきおはそう思ってなくてもハナはきっとそう思ってるはずよ』
みきお
「そうかな?・・・」
母さん
『ハナはみきおと一緒に走るのが大好きだったもの!
苦しい障害もみきおが一緒に走ってくれたから越えられたんだと母さんは思うんだけどな』
みきお
「うん、ボクもハナと走るの大好きだったよ!レースで頑張ってるハナを見ていたら、
一緒に走っていた時のことをたくさん思い出して嬉しくなっちゃったよ!」
母さん
『きっとハナも同じように嬉しくなったはずよ、それがハナの優勝に繋がったんじゃないかな』
みきお
「だとしたらボク、すごく嬉しいな・・・」
(少しして父さんが病室へ来た、母さんと話しがあるというので
みきおは病室を出て受付の前で待った)
父さん
『じゃあ みきおそろそろ帰るぞ』
みきお
「うん、じゃあボク母さんに帰るって言ってくる!」
(みきおは母さんに帰ることを伝え、母さんは明日みきおが学校から帰るころには
退院して家にいることを伝えた)
(帰りの車の中)
みきお
「ねぇ父さん、今日のハナすごかったね!」
父さん
『ああ、ハナはほんとよく頑張ったとおもうよ!
ハナにもご褒美あげないといけないなぁ・・・何にしようかなぁ・・・』
みきお
「ニンジン!とれたて新鮮なニンジンがハナは大好きだよ!!」
父さん
『そうか、じゃあ畑の新鮮なニンジンをバケツ一杯ご褒美にやるか!』
みきお
「うん、ハナぜったい喜ぶよ!!」
父さん
『ほら、着いたぞみきお』
(車を降りるとチビが凄い勢いでみきおに駆け寄ってきた)
『ワン ワン ワン ワン』
(チビは待ち焦がれたようにみきおに懐く)
みきお
「ごめんごめん遅くなって! よーし一緒に散歩へ行こう!!」
チビ
『ワン!ワン!』
父さん
『日暮れまでには帰ってくるんだぞ』
みきお
「うん、日暮れまでにはちゃんと帰るね!」
父さん
『そうだ、みきお・・・明日母さんが退院したらみんなでハナの優勝祝いでもしようか』
みきお
「ほんと?!やったー!! じゃあ行ってきまーーす!!」
チビ
『ワン!ワン!ワン!』
(翌日学校が終わると、みきおは全速力で帰宅した)
みきお
「母さん、母さーーん!どこ?母さーーーん!」
母さん
『どうしたのみきお、そんなに慌てた声出して』
みきお
「よかったぁ 母さんが帰ってなかったらどうしようかと思ったよ・・」
母さん
『ちゃんと今日の午後退院してきたわよ』
みきお
「母さん身体はもう大丈夫なの?無理しちゃダメだからね!」
母さん
『ありがとう、みきお でも今夜のハナのお祝いのために
母さんたくさん美味しいご飯つくるからね!楽しみにしていてね!』
みきお
「やったーー!!楽しみだなぁ!!」
母さん
『みきお、もし暇だったら部屋の片付けを手伝ってちょうだい』
みきお
「うんいいよ」
母さん
『ん?どうしたんだい?じっと見て・・・』
みきお
「まだ少し腫れてるね・・・もう顔、痛くない?」
母さん
『ええ、もうほとんど痛くないよ 心配かけてごめんね』
みきお
「母さん、その顔・・・・」
(みきおは言葉を飲み込んだ)
母さん
『ん?どうしたの?』
みきお
「ううん、なんでもいない!ボクが片付け頑張るから母さんは少し休んでなよ、
美味しいご飯をたくさん作るために休憩してて」
母さん
『ありがとう、じゃあ少し休憩させてもらうわね』
(みきおはぎこちないながらも一生懸命家の片づけをがんばった)
みきお
「母さん、ボクそろそろ犬の散歩へ行ってくるね!」
母さん
『みきお、片付けしてくれてありがとう!今夜はみきおの好きな
タマゴ焼きをたくさん作っておくからね!』
みきお
「ほんと?!ありがとう! やったーーー!!」
(みきおはチビを散歩へ連れて行ったあと、急いで囲炉裏へ向った)
よしお兄さん
『おお!みきおおかえり、今日はご馳走だぞ!!』
みきお
「うん、ハナの優勝祝いだからね!ご馳走楽しみだな~!!」
『おーーい、みきおーーー!』
(庭から父さんの呼ぶ声がするので庭へ出てみると、父さんが大きなダンボールを抱えて立っていた)
みきお
「父さん、その大きなダンボールは何?」
父さん
『何って、ハナへのご褒美に決まってるだろ!』
みきお
「ハナのニンジン??すごーい!! ハナ大喜びするよきっと!!」
父さん
『これ、みきおからハナにあげてきてくれ!』
みきお
「うん、わかった!ボクがハナにあげてくるね!!」
(みきおはダンボールの中のニンジンを持てるだけ持ってハナのいる馬舎へ向った)