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第11話

(かずお兄さんのトラックにたかこ姉さんと一緒に乗って家に帰るみきお)


みきお

「かずお兄さん、父さんは?」


かずお兄さん

『さっき帰ったときには家には居なかったよ』


みきお

「父さん、どこへ行ったんだろう・・・明日は馬場レースなのに・・・」


たかこ姉さん

『馬場レースどころじゃないわよ、母さんが大変なのに』


みきお

「ねぇ、たかこ姉さん・・・母さんのこと、父さんが悪いの?」


たかこ姉さん

『あんた・・・何言い出すの?』


みきお

「だって・・・母さんは昨日ずっと父さんと一緒だったし・・・」


かずお兄さん

『みきお! めったなこと言うもんじゃないぞ!

 父さんが帰ったらオレがちゃんと父さんに聞いてみるから

 お前は母さんが居ない分、ちゃんと家の手伝いを頼むぞ!』


みきお

「・・・うん、母さん明日退院出来るかな・・明日学校休みだし、ボク明日も病院に行ってくるよ」


たかこ姉さん

『母さん、退院するかもしれないからあんたは家に居なさい』


かずお兄さん

『そうだぞ、馬場レースもあるし人がたくさん集まるから勝手に出歩くんじゃないぞ!』


みきお

「・・・だって、ボク母さんが心配だから」


かずお兄さん

『わかった、じゃあオレが明日病院へ行くときでよかったら一緒に連れてってやるよ』


みきお

「うん、ありがとう かずお兄さん!」


かずお兄さん

『母さんもみきおの顔見たら元気が出るかもしれないしな』


みきお

「うん、ボク母さんに元気な顔いっぱい見せるよ!」


かずお兄さん

『ほら、家に着いたぞ』


(自宅に到着し、玄関へ向う3人)



『ワン ワン ワン ワン』

(帰宅したみきおを見つけ、チビが嬉しそうに吠えている)


みきお

「チビ! よしお兄さんと散歩に行ってきたの?」


よしお兄さん

『ごめん ごめん 忙しくて散歩連れて行くの忘れてたよ~』


みきお

「じゃあ、ボクこれからチビと散歩に行ってくるね~」


よしお兄さん

『悪いな~ 日が暮れる前に帰ってくるんだぞ~』


みきお

「うん、わかった~!」


チビ

『ワン!ワン!』


(チビとの散歩から戻ってきたみきおはチビに餌と水をやり

               晩御飯の支度の手伝いをしに囲炉裏へむかった)


よしお兄さん

『おお!みきお、いいところに来た このお皿を並べてくれ!』


みきお

「うん、わかった」


(そしてゆで卵と梅干とおしんこと白米だけの晩御飯が始まった)


よしお兄さん

『結局、父さんは居なくなったままだね・・・』


たかこ姉さん

『きっとなにか急な用事ができたのよ』


みきお

「でも、でも母さんがこんな大変な時に父さんは何してるんだろう・・・」


かずお兄さん

『父さんが戻ったら、オレがちゃんと父さんと話してみるから、それまではみんな

 母さんが居ない分協力し合って頑張るんだ!余計な事は言いっこ無しだ、いいな』


としお兄さん

『なぁみんな、オレの作った晩御飯の味はどう??』


全員

『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』


としお兄さん

『なぁみきお!このゆで卵美味しく茹で上がってるだろう!?』


みきお

「・・・うん、としお兄さんは料理の天才だね」


としお兄さん

『だろぅ~ 母さんほどじゃないけど、オレだって料理くらいできるのさ』


かずお兄さん

『料理の天才としおくん、明日はトン汁が食べたいなぁ~』


としお兄さん

『え? トン汁?? 野菜とか切るやつ? 味噌のやつ?』


かずお兄さん

『ああ、そうだよ 豚肉と野菜と味噌が入ってるやつだよ』


としお兄さん

『・・・出来ないこともないけど、明日はたかこ姉さんか作る番だから!』


たかこ姉さん

『いいわよ、出来るんだったら明日もとしおに任せるわよ』


としお兄さん

『・・・たかこ姉さん、あの・・・一緒にお願いしますよ~』


全員

『大 爆 笑』



(突然玄関の戸が開く音がして、父さんが帰ってきた)


父さん

『今帰ったろ~ おいみんな、明日は馬場レースれ父さんは優勝するろ~ 応援り来いよ~』

(ずいぶんと赤い顔でかなり酔っ払っている様子だ)


みきお

「父さん、どこ行ってたのさ!母さんが大変だったんだから!」


父さん

『お!みきおちゃん 明日はハナのデビュー戦らぞ~ ちゃんと応援にくるんらぞ~』


みきお

「ねぇ父さん、ちゃんと聞いてよ 母さんが大変だったんだよ」


父さん

『うるへぇ! オレは明日にそなえてもう寝る・・・』

(そう言うと、父さんは部屋へ入っていってしまった)


かずお兄さん

『今はどのみち話にならないから、明日の朝オレが話してみるよ』


みきお

「ねぇ、最近の父さんなんかおかしいよ・・・どうしちゃったんだろう・・・」


かずお兄さん

『オレにもよくわからないけど・・・とにかく今は俺達で頑張るしかないんだ、いいな』



(みきおはモヤモヤした気持ちのまま眠りについた・・・)


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