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第10話

(チビに餌と水をやり、みきおは囲炉裏へ向った)


よしお兄さん

『みきお、お前はお皿をもってこい!』


みきお

「うん わかった」


としお兄さん

『みきお、箸も一緒に持って来いよ』


みきお

「箸は何人分?」


としお兄さん

『みきおと、てるおの分もだから4人分!』


みきお

「うん わかった」

(箸とお皿を持って囲炉裏へ戻り、朝食をおにぎりとお新香で済ます)



としお兄さん

『てるおはオレが見てるから、よしおとみきおは学校へ行くんだぞ』


みきお

「うん、・・・でもやっぱり母さんが心配だよボク」


よしお兄さん

『オレだって母さんが心配だけど、学校休んだらきっと母さん

                悲しむと思うから俺達だけでも学校へいくぞ』


みきお

「うん・・・わかったよ、ボクもいくよ」


(学校までの道を無言で歩くみきおとよしお)


みきお

「ねぇ よしお兄さん、母さんは転んでテーブルに顔をぶつけたって言ってたけど、

 それって本当かなぁ・・・顔中あちこち腫れていたし、

 なんだかぶつけただけと違うような気がするんだけど・・・よしお兄さんはどう思う?」


よしお兄さん

『みきお、きっと母さんは・・・きっと母さんは父さんに殴られたんだと思うんだ・・・』


みきお

「え??父さんが母さんを??」


よしお兄さん

『オレも信じたくないけど、朝 姉さん達が話してるのを聞いたんだ』


みきお

「姉さん達が話していたって、どんな話?」


よしお兄さん

『奥の父さんと母さんの部屋から、

       夜中母さんの泣いてる声がしてたって・・・ずっと泣いていたって』


みきお

「父さん・・・父さんが母さんを殴るなんて、ボク考えられないよ」


よしお兄さん

『オレだって考えたくないけど、昨日父さんすごく酔っ払っていたし

         朝になったら父さん居なくなってるし、母さんの顔は腫れてたし・・・』


みきお

「学校終わったら、ボク病院へ行ってみる!」


よしお兄さん

『バカ、病院までは車でも30分はかかるんだぞ!』


みきお

「大丈夫だよ、走っていけば日暮れまでには家に戻れるもん」


よしお兄さん

『・・・オレは家の仕事があるから行けないから、

         みきお、母さんの様子だけ見たらすぐに戻ってくるんだぞ!』


みきお

「うん、ボクに任せておいて!それと、よしお兄さん 犬の散歩頼んでもいい?」


よしお兄さん

『わかった、いいよ。そのかわり母さんの様子しっかり見て来いよ』


みきお

「うん、ありがとう!よしお兄さん!」


(学校が終わると、みきおは一目散に病院へ走って向った)


みきお

「母さん・・・母さん・・・」


(しばらく走ると向こうから、かずお兄さんがトラックで現れた)


かずお兄さん

『おーい、みきお! どうしたんだこんな所まで走ってきて!』


みきお

「かずお兄さん!母さんの様子はどうなの??」


かずお兄さん

『まだ熱は下がってないけど、少し落ち着いてるよ

           オレは母さんの着替えを取りにこれから家へ戻るところなんだ』


みきお

「母さん入院するの?」


かずお兄さん

『ああ、熱が下がるまでは病院で安静にしてた方がいいってお医者さんも言ってたからな』


みきお

「・・・ボク、母さんの様子を見に行ってくるから!」


かずお兄さん

『え?病院へ走っていくのか??遠いし、それに行っても母さん寝てるだけだぞ』


みきお

「いいんだ、寝てたって!母さんの様子さえボクは見れれば!」


かずお兄さん

『・・・わかった、気をつけて行くんだぞ!帰りはオレがトラックに乗っけてやるからな!』


みきお

「ありがとう、かずお兄さん!」


(みきおはかずお兄さんと別れ、走り続けてやっと病院へ着いた)


みきお

「がずえ姉さん、母さんの様子はどうなの??」


かずえ姉さん

『え?みきお? あんた走ってここまできたの??』


みきお

「うん、母さんが心配で見にきたんだ!」


かずえ姉さん

『大丈夫、今は落ち着いて寝ているわよたかこが母さんについているから、

                             病室へ案内するわね』


(病室ではたかこ姉さんが寝ている母さんのおでこの

                手ぬぐいを冷たいのと交換しているところだった)


みきお

「たかこ姉さん、ボクにやらせて!」


たかこ姉さん

『あれ?みきお、どうしてあんたがここに?』


かずえ姉さん

『母さんが心配で学校終わってすぐ走ってきたんだって』


たかこ姉さん

『・・・みきおも母さんが心配だものね、

         じゃあ母さんの手ぬぐいをこの冷たいのと取り替えてあげて』


みきお

「うん、 母さん・・・大丈夫?」


たかこ姉さん

『今は落ち着いてよく寝てるから、そっと取り替えてあげてね』


みきお

「うん、母さん・・・母さん・・・」

(みきおは寝ている母さんの姿を見て涙を堪えられずに泣いた)




たかこ姉さん

『みきお、もうすぐかずお兄さんが着替えを持ってくるからそしたら一緒に家に帰りましょ』


みきお

「母さんは? ひとりぼっちになっちゃうの?」


かずえ姉さん

『安心して、今夜は私がずっと母さんについているから』


みきお

「うん・・・母さん、死んだりしないよね?」


かずえ姉さん

『なにをバカなこと言ってるの! 死ぬわけないでしょ!

            熱さえ下がれば明日にでも退院出来るって先生が言ってたわよ』


みきお

「ほんと? よかった~・・・」


かずえ姉さん

『ほら、かずお兄さんが戻ってきたわよ』



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