表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
reunite  作者: 季樹
7/7

第7話

自分の命もここまでと、燕が覚悟を決めたその時、事態は思わぬ方向へ展開した。

「……邪魔するなよ。」

「これ以上、お前の羽を黒くさせるわけにはいかねえからな。」

一人の男が広樫の前に立ちはだかった。

まるで、燕と吉村を守るかのように男は二人の前に立ち、広樫の放った光は男を直撃したのだ。

男の背中にもまた羽がある。

「フェムト……。」

かつての友人の名を燕は懐かしみを帯びた声で呼んだ。

「悪かったな、ミリ。俺がちゃんとこいつのこと見てたら、こんなことにならなかったのにな。でも、もうこれ以上はさせねえから。」

フェムトは少しだけ燕に微笑むと、広樫に向かってその歩を急速に早めた。

「ナノ、お前がいる場所はここじゃない。お前ならちゃんと元に戻れるから。俺が元に戻してやるから……」

「やめろ!来るな!死にぞこないに何ができるって言うんだ!!」

広樫の放つ閃光がいくら命中しようとも、フェムトは歩を止めなかった。

そして、決して無傷ではないその腕で抵抗する広樫を軽々と抱えると、灰色がかった羽で天空へと高らかに飛び去っていった。

「なんだってできるさ。それに、俺はこの程度で死ぬほど柔じゃない。」



「あれ、誰?」

救急車で病院へと搬送される途中、吉村は燕に問いかける。

「友達。私とナノとあの人…フェムトって言うんだけどね、幼馴染みだったの。いっつも一緒に遊んでた。」

「……戻すとか何とか言ってたけど…」

「ナノの羽……黒くなっちゃってたから。それと、きっと色々。」

「そっか……戻れるといいな、幼馴染みだったころみたいに。」

「うん。」

燕の瞳から、一筋の涙が頬を伝った。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ