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04 会議は踊る

<04 会議は踊る>




昼休み、今日の会議は延期とのメールが会長から入っていた。

伍井姉妹への連絡も委任されたので探しにいくことに。

どこのクラスか所属不明ながら、あれだけの逸材が目立つことは確かで、

7クラスの最初で片方を見つけるのに成功したところです。


ヘタレな自分は、声をかけるため気持ちを集中しているところであります。




1年A組です。


「・・伍井さん」

 「・・はい」

「今日の集会なのですが、延期になったそうです」

 「はい」


「あの・・・、妹さんにも伝えていただけますでしょうか」

 「今、伝わりました。」


「・・・あ、スミマセン。お姉さんへも・・でしたか」

 「今聞いてます」


「・・・・え・・・と」

 「私、姉の春香です」


「あ・・・、お二人のこと、まだ解らなくて・・・。スミマセン」




ハッキリ言いまして、差がまったく解りません!

妹さんに伝わった・・・とかですが、もしかしてやはりテレパス?


「違います」


!!!!!!

ビックリしたーーー!!!突然耳元でささやくな!!!




居たのですか夏美さん。できましたら気配なく立たないでください。


あまりのドキドキで!声がまったく出ない自分をよそに、

自分を間にして、後と前とで同じトーンの会話が・・・


「春香、研究会は無いのですね」

「そうらしいわ。教えていただきましたの。」


挟まれました。オセロなら裏返ります。



「妹さ・・、夏美さんもこの教室でしたですか。」

 「いえ、B組です」

「隣の教室・・・・。やはり離れていてもテレパスで伝わる?!」


・・・・・・

スミマセン夏美さん。また同じこと考えてスミマセン。

そしてなにアホ言ってるの・・・な目で見続けないでください・・・・

いろいろな意味で新境地に目覚めてしまいそうですので・・・




「水樹さんを見かけましたので、その後ろをついてきてたのです」


 「・・・・いつからでしょう?」


「「ヘタレな自分は、声をかけるため気持ちを集中している」あたりからです」


 「・・・・真後ろに?」


「ええ、ピッタリと」




気配なく後ろにいないでください・・・・。

そして声かけましょう!おねがいします。


ヘトヘトです。






放課後です。研究会の部室におります。てことで欄さんの部屋です。


正直、女性の部屋に入るの初めてなものですので、たいへんたいへん

緊張しております。


なぜにこのような状況になったのでしょう・・・。

駅で電車に乗ったまでは覚えてます。ヘトヘトでした。


「降りますわ」


頭の上からあのよく通る声が。

気付いたら鈴さんの足が目の前にありました。


「私の足を見て正気に戻られたのですね?エロ素ですね」


・・・・・否定しません。シャレつっこみもしません。





「お見舞いってうれしいんだけど、どきどきパニックは要らないから~」

「刺激って重要ですわよ」


紅茶をそそぎながら楽しそうに鈴会長。

パジャマ姿でちょっと苦笑いの欄さん。

そして、今日はパフェですか!



「リンだけだったら別に問題ないのよ。」


「そうね、いつも下着の5、6枚は落ちているわ。だいたい洗濯あがりの

ものだから私は気にしないけれど、ごくまれにクルクル丸まったパジャマの

下とかと固まってあったりするし、その場合は使用済みなのよね。

パジャマとまとめて脱ぐ必要性を考えると、まるで布団の中で脱いだのを

足で落としたようなと言えば解りやすいかもしれないわ。ではなぜその

必要があったのかしら?。その答えを私はとても言えませんけれど、

あくまで状況の説明だから気にしないでね。だってそのままですと

まるで裸になる必要が有るみたいに聞こえるわ。」


紅茶のカップを欄さんに手渡しながら、まさに絶妙なタイミングで

一気にしゃべった鈴会長のおことばであります。

対して、カップを放せないことで流れ出る言葉を制止する動作に移行

できないまま、目を見開いた欄さんの顔。あ、手はカップとともに震えてます。


しばしの静寂をやぶったのはやはり欄さんでした。


「だ=!!な・・、なんてこと言っているの!!」


ただいま両手を上げました。

ああ、カップが空をえがいて飛んでます。今、頂点の折り返し地点です。

液体が出てましりました。やはり空中を広がっております。なぜでしょう?

今自分のすわっている地点をつつみこむような軌道をえがいております。


ビシャッ!


またスローモーション体験をしてしまいました。

「○×△してないし!!△□だってないし!!!裸じゃないのよ!!!」


欄さんの抗議はまだ続いておりますが、どうせカップ落とすのなら

鈴さんがしゃべっている時にでも良かったのではないかな・・・なんて。

あ、裸ってアレですか?、やっぱりここですよね。蘭さんのハダカなんですね。

ああ、想像が湧いてきてしまいましたよ。はやくラリホーの呪文をかけないとです。


「妄想セクハラ禁止!」

バシッ!




おさまりました。やっと状況を理解できる頭にもどりました。

妄想素材集にコレクションいただきました。





さて、なぜ会長と自分がここに居るのかの疑問でした。


蘭さん、どうやら午前中の体育で足をいためたとのこと。

検査の結果は多分捻挫だとのことで、大事を取って早退したとのことです。

で、お見舞いとクラスの連絡を兼ねて鈴会長が乗った電車で

ぼーっとしている自分を見つけたのだそうです。


放心状態でしたので、まったく気付きませんでした。

(しかも隣のボックスだったらしい・・・)


優しい鈴会長は、見舞いの旨と同行者の名前を蘭さんにメール

して即電源オフ。到着するのに5分とかからない場所でしたので、

蘭さんの働きはとてもけが人ではなかったのかもと想像いたします。


会長・・・、けが人へのおこないが・・S・・?


しかし、パフェとかちゃんと3人分有ったのですけれど・・・

自分はほんとに偶然みつかったのでしょうか・・・?





先ほど身体で受け止めた紅茶も良い具合にシャツにしみ込んだ頃です。


「会の略称考えたいの」

と会長。


しばし腕組んでた蘭さんが

「ミステリーサークルだからMSでどう!?」

「MS、MS、エムエス・・・・・・どす?」(語尾上がりの京風)


会長、年いくつだ?




「じゃあ鉄道ミステリー研究会だから~、TMS!」

「いいわ。TSM。」


いや、違うでしょう!SMって。

そして鉄道の文字、復活ですか~!!とツッコミ即、内心うれしがる自分です。


「3文字の方が良いと思いましたの。鉄棒のTでも良いわ」


・・・・鉄棒ミステリーって。



「では、今からSMで」

2文字かよ!

 「TMSですね。」とは自分。

「そう、TSM」としつこく会長。


ツッコミ、疲れたのでパスして良いですか・・?良いですよね・・・。




略称が決まったようです。

ほんと・・・、この強烈な面々で女性への免疫力もついてきたみたいです。

美人の考えることって解らない・・・・と。

自分は今後、女性と普通な会話できるのでしょうか・・・。



「ああ、そういえば」と携帯を出しつつ自分。

「今日、伍井姉妹のお二人から携帯番号とメルアド聞いて

おきましたので転送します」


「あら、助かるわ。これで二人に同時に送ったメールを

どちらが先に見るかで遊べますわ」


 「・・・・会長・・・、キャラ謎です」


「まあ、私を辱めてどうするつもり?興奮してしまうわ」


 「ええ、そうですね。そうでしょうね。普通興奮してしまいますよね」

ツッコミスルー桶?でヨロシコです。




「では蘭、お大事にね」

 「お大事にです」

  「なんか疲れたけど、ゴチでアリガト~!」

後半はほんと疲れたって顔してましたです。蘭さん。





部室?部屋を後に、会長と外にでました。


「シャツ、汚してしまいましたわね。ご免なさい」

 「あ、いえ、こんなの平気ですので」

「丁度バイクが有るから送るわ」

 「え?」


見ると見覚えある赤いバイクが駐輪場に。

自然な動作でメットを取り出して手渡されるまでじっと見てました。



「これ、ミニバイクじゃないんですか?」


黙って指さしたプレートは黄色。

ああ、小型二輪なのですね。



「乗ってください」

 「え、あの、どこにつかまって・・・」

「手はこっちらに」

 「・・・!!!」



引き込まれた我が腕は、会長の細くて柔らかいウエストを一周であります。

鼻血でそうです!密着です!や、もうダメでしょう~!

今、僕の五感は最大限の記録を開始してます。容量オーバーです。

会長にしがみつくコナキジジイです。俺の時代がキターです!


キュルルっブオォオォん、ぐわゎ・・・!!!


「!!ギャ~~~~!ちょ~~~~っとウイリ~なんてアリエンデショ~!!!」


「少しだけシリンダーを広げたの。恥ずかしいわ」




聞こえません~~~~、意識が・・・密着なんてもうどうでも良いのです・・・。

死ぬ・・・!!放したら死ぬ・・・・・!!!!

恥ずかしい~~~?なにが???いや、もうどうでも良いのでおろしてえぇぇぇ・・・





家に着きました。生きてました。脳は死んでます。

あ、少しだけ紅茶と違う液体がにじみましたが・・・・

顔とズボンにですが・・・・、いいんです・・・、そんなこと・・・。


生きているって素晴らしい~~!

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