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37 クリスマスキャロル

<37 クリスマスキャロル>


「今まで女性から恋文をいただいたことが有ります方は手をあげてください」


会長、なにかまた・・・。有るも無いも僕だけですよね。


「まあ、一条君は手をあげないのですか?」

「はあ、非常に残念なのですが・・・」

「たしか6通ほどお持ちだったと記憶いたしますが」

「は?、あれは会長、蘭さん、春香、夏美、先生からの呼び出し・・と、

 あれ?もう一通は・・・夢でもらった美香さんの?も入るのでしょうか。」


・・・・美香さん?


「ほら、ちゃんといただいてるではないですか」

「義理チョコと同じささやかなことでしたので」


・・・・美香さん・・・、顔の横まで来て睨まないでください。




「まあ、とても気になることがお有りのようですわ。

 その美香さんですが、私の予想ではいただいていると思われるのですが」


「あ、はい、以前いただきました。」


「思った通りですわ」



マジッすか!!男の僕ももらったこと無いのに・・・。

・・・あ、美香さん・・、再び睨まないでいただけましたら・・






「このような話をしましたのも、

 これから皆さんに良いお知らせをと思いまして。」


「私たちは、幸せなことに多くの方々から好意をいただける

 幸運を持っているのです。しかし、今週末のクリスマス近辺は

 残念ながら決まった殿方などと過ごす予定が皆様無いようです。

 これを放置することは世にとりまして、たいへんな損失だと思います。」


え~、要約すると、自分たちは美人なのに男が居ないのはおかしい

・・・ですね。



「そこで、23日より25日までの3日間、この損失を有効へと

 変換することを考えました。」


「はあ・・・」


「みなさんの魅きつける力で鈴八洋菓子店、

 クリスマス販売をお手伝いいただけましたら」





え~、会長によりますと、クリスマスケーキ&オリジナルクッキーの

販売だそうです。で、なぜラブレターの調査だったか・・・ですが。



「ご家族の方はクリスマスケーキを囲んで過ごされます。ですが

 私たちのように、お一人で過ごされる若いおかたも多いのです。

 しかし、それはなにかと寂しい気持ちになってしまいます。

 そこで、私はひと足早いバレンタインのプレゼントとして

 ケーキやクッキーなどでの一時の幸せをと思いましたの。」


要約しますと、クリスマスデートなど予定ない人に

ケーキやクッキーとか販売したい・・・ですね。



「そのさい、少しでも心が沸き立つために、私たち販売員も

 すくなからずお手伝いするべきかと。そこで、先ほどの調査です」


??


「美香さんには、男装していただきますわ」


・・・は?


「ターゲットは女子中学生から高校生です。

 同性へのあこがれをくすぐります」


・・・・


「春香さん、夏美さんにはセクシー&ロリータな衣装。

 女子高生の心をくすぐる可愛さをアピールしていただきます」



「そして、蘭さん、私はミドルセクシーです。この場合のターゲットは

 家庭持ちの男性です。会社帰りにケーキを買われる方向けのサービスです」



「また、遅い時間からは玲子さん、二宮先生などにもご参加いただきます。

 こちらの場合、夜のスナックなどへ向かう男性向・最終兵器とお考えください」




会長・・・、恐ろしい計画をたてました。

あらゆる客層を逃さない、まさに地引き網。


「23日。24日は時間的に私の家にお泊まりいただいてと考えております。

 なお、販売参加者は報酬は当然のこと、プラス大晦日大忘年会へご招待。

 そして1日午前零時になった時に、お隣にいた方とキスの権利がつきます。」


・・・キス!


「海外では自然なことですわ。いかがでしょう?悪くない話と思いますわ」




なんてハーレムなイベントでしょう!

イヤではないです。幸せなのでしょうが・・、なんでか恐怖感が。







23日は午前から仕込みの手伝い。

洋菓子店は通常営業中ですので、クリスマス品とともに用意するだけで大騒ぎです。

それでも手際の良い女性陣により3時ごろには予定数を用意できました。


「では、みなさん、よろしくお願いしますね」



会長の言われてました通り、春・夏・姉妹はかわいらしい赤い服で、

帽子も似合ってます。

さっそく女子学生などに囲まれて大人気。



美香さんはいわゆるヒツジ衣装。

ヅカ的魅力は年齢とわない一部女性の琴線にズバッと入ったようです。

なぜかお客さんが買い物の後で「がんばってください」と手を握ってます。



会長と蘭さんの主戦場は夕方以降ですので、今は裏方役。

商品を運んで並べて計算して袋詰めで大忙し。



僕は・・・・、会長が用意しましたサンタクロースで、風船を子供に配ったり、

駅の方でちらしを配ったりです。





6時からは会長と蘭さんを前線投入。すらりと伸びた足に赤いブーツを

最大限に生かしたミニワンピ。家路を急ぐ会社員を吸引する力抜群!

美香さんと僕が商品管理に回りまして、春・夏・姉妹が駅前勧誘。




8時を回って最終兵器の登場です。

キワどいです。赤いレオタードみたいなのに白いフワフワを巻き付けた

アダルトセクシー2人組み。このお二人には自制心ナシです。

クラブの呼び込み?

僕と2年生女子が商品管理。初戦で奮闘しました1年生女子は厨房に下がってます。




見事な連携作戦は大きな威力をあげ、

夜10時には翌日分として用意してましたものまで売れてしまいました。






「皆様、今日はほんとうにお疲れさまでした。予想以上の結果で、

 明日の分が無くなってしまいまして、申し訳ないのですが、

 明日も午前中から仕込みをお手伝いいただけましたら・・・」


「僕は大丈夫です」

「「私たちもです」」



「ありがとうございます。今日はこのままゆっくりお休みくださいね。

 お床も用意してますので」


「「「ありがとうございます!」」」







翌日もほぼ同じ作戦です。あいかわらずキュート&セクシー全開のスタッフ。

変わったのは、最終兵器の色が赤→黒でアミタイツ。ヒールのブーツ・・・・

これ、完全に先生の私服ですよね・・・・


「私のスウィートなスポンジ、食べてみない?」



食べたい・・・けれども危険です・・・・。







「皆さん、ほんとうにありがとうございました」

「2日間でとんでもない数を販売できましたわ。これも皆さんの魅力のおかげですわ」


「玲子さん、会長、なにりも美味しいケーキがあればこその人気だと思います。

 昨日買われた方が、今日もいらっしゃってましたのが証明してます!」


「あたしもそれ思った〜!今度作って!」


「じつは明日の材料がなくなってしまいましたので、販売は今日でおしまい。

 ですので今夜はお疲れさま会も兼ねましたクリスマス会をいたしましょう!

 もちろんケーキもちゃんと有りますわ」



来週のお店用の材料まで使われたとか・・・。

これでは2〜3日営業できないみたいです。





「まずは皆さん、先にお風呂でサッパリとしてくださいね」


会長の家は大きめの浴室ですが、さすがに4人限度ですね。

交代で入って、その間パーティー用の食事も交代で用意。

準備整った頃はすでに12時でした。




「遅くなりましてご免なさい。では!お疲れさまでした。」


「「「「かんぱ〜い!」」」」



「・・・〜!あ〜!!うまい〜!!」

「こら、少しだけだぞ!」

「そんな先生〜!明日も休みなのだからいいでしょ!」

「そうですよ〜。無礼講です〜!」


ほんとに、この集団は現実世界とは思えない・・・上級素材揃い。

僕は、ものすごい幸運男です。食事も美味しい!

お腹も少し落ち着きました。



「あの、僕お風呂いただいてきます。」

「あ、そっか、まだ入れてなかったんだよね。ごめんね〜!」

「先に乾杯だけでもしないと、皆さんお待たせするわけにいきませんので」

「じゃあ、じっくり洗ってきなさい!お姉さんが後でチェックするからね〜」


「・・・・・・行ってきます」





ふぃ〜・・・、さすがに嵐の2日間は疲れました。

でも、大盛況でほんとに良かったです。

あのみんなのコス、写真に撮ってみたかったな・・・。

ほんとに似合って・・




ガラッ!


「ねえ〜!瑞樹ちゃん、私も入る〜!!」

「ちょ・・・ちょっとーーーーー!!!美香さん!!」



「あ〜!!やっぱり!!美香ずるい!!」

「瑞樹ちゃ~ん、ムツねえが洗ってあげまちゅよ~」


「何してんですか〜!蘭さん、会長まで!!。早く出てってください」



「皆さんずるいです!」

「私たちなんて、キスの写真もないんですから」


「春香さん、夏美さん。お願いします〜。向こうでパーティーしてください〜」



「さあ、坊や・・、こっちにおいで」

「先生・・、酔ってませんですよね。正気の沙汰ですよね」


「まあ、大きくなって。ママが洗ってあげますね。背中も前も!」

「玲子さん、なに脱ぎ始めてんですか」



「えい!」

ザバッ!


「「きゃ!」」

ザバザバッ!


「えへへ!水もしたたるいい女~!」




「ジャージのまま入って・・・。どうするんですか!後が大変です!!」


「では脱いで・・」

「会長!脱ぐのも禁止です!!僕が大変になります!」






動けません。もうお湯ないじゃん・・・。

浴槽にギッチリ4人+僕。





「マドンナも、酔っ払えば ただおばさん」



「なに落ち着いて俳句読んでるの」

「・・・おばさん?」

「「ほお?おばさん?」」




え〜、僕が地雷踏んだ瞬間でした。


先生・・・、ボンテージ衣装のままですね。


「私のスウィートな地獄突き、お食べなさい」






「クリスマス、乱交ではなく ご乱行」


「うまい!座布団無いから私をあげちゃう!」






「・・・・ご蘭行」













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