03 新会員歓迎
<03 新会員歓迎>
伍井 春香 (いつい はるか)
伍井 夏美 (いつい なつみ)
双子だそうです。まるで人形のようです。
「合格です」
え?今の合格宣言は鈴会長ですか?
まだ入ってきた二人が座る動作が終了しておりませんが・・・。
「好きなこととか、やってみたいことなど聞いて良いかしら?」
ふつう先にそれ聞くでしょ〜!
てか、あの入会テストはどうなったのでしょう!?
おこがましいのですが、ぜひお聞きしたいのですが。
「この会はミステリーだと聞きました」
「私たち二人とも謎が好きです」
自分も入会テストから2日しか経過しておりません。しかし、ここが
大いに不思議空間であることは深く深く感じているのであります。
「この会はミステリー・・」との言葉にもたいへん共感するので
ありますが、そのお二人さん自体もすでに不思議さんなのであります。
謎が好き・・・ですか。
「とても良い答えだわ」
鈴会長!なぜ僕を見ながら目だけで微笑むのでしょう。
今、世界の不思議な出来事を研究しそうな秘密団体に
名実共に変わったような気がしてます。
不思議な会長を筆頭に・・・
「その通りよ!瑞樹ちゃん!」
えええ!?そんな思考までもよまれてしまうのですか〜!!!
「声に出てますわ」
良かった!よかったああ・・・・。蘭さんのことまで考えなくて。
「あの、元々(2日前まで)鉄道ミステリー研究会としていた訳って
教えていただくことできたら・・なのですが」
「ああ、先週リンが ”点と線” を読んだのね。で、作ったの」
「せ・・・ん週・・・」
「それに、私の西町今日太郎好きは20年前からよ!」
「?」
あんたいくつだ!?
「20年前の作品よんだから。」
違うでしょ〜!!
「でもね、リンが一昨日手に入れた本がちょっと謎方面が強いみたいで、
だんだんそっちの傾向が出てきているのよね〜。」
・・・鈴さんの手元をちらっと見てみると
<のくとらだむくの大予言>
「・・・・・」
「大魔王が空から落ちてくるわ。世紀末に」
「会長・・・・・・。大魔王は10年以上前にクリアーできてます・・・」
どこの古本屋で買ったんだ〜!!
双子姉妹の続き。
「私たち、不思議と気があうのです。」
「食べたいもの、好きなもの、気になる人」
「だから食べる時間も眠る時間も、お風呂に入る時間も一緒」
「そのあたり、無意識にそろってしまう原理も解ったらと思うのです」
交互に話しているので、右、左、右、左と視聴覚試験を受けている気分です。
会長はうっとりとしています。
ゆり?
「違うわよ。」
そうですか・・・。もうつっこみません。
「明日からは部室での会合にいたしますわ」
「了解〜!あたしは練習ある日は遅くなるけど、どうせ自分の家だから
良いわよね〜!」
「いいわ。いろいろと不思議探検しておくから」
「・・・・なる早で行きます」
「ところで蘭さん、少しお聞きしたいことが有るのですが・・・・」
「お?リンも居ないぞ」
「?」
「彼氏だろ」
「フリーですか!・・・・ではなくて、会員募集の話で」
「厳選しているんだよ。二人で」
「え?、また先回りされましたが合っているようなので続けます。入会合格者を選ぶ基準なのです。
伍井さん方は・・、なんとなく解るような気がしますが、僕は?自分でも特徴が無いのわかりますのでなぜか・・・が」
「ああ〜。素直、判断力、私たちに下心無し」
「え?と、下心まったく無し・・・では無いかもですが・・・」
「はじめは純真だったろう。この美人を確認した今、下心無くてはこっちがさびしい」
「・・・少し謎です」
「しょうがないことだが、リンはあんな感じなのでファンも多い。
わたしもまんざらではない。で、下心で寄ってくる面々ばかりに
なったら思い切り楽しめないじゃないか。なのでその部分を排除
したらこうなった」
「良かったのか悪かったのか・・・」
まあ、最初は鉄道研究会のことでいっぱいだったから、
あんまりエロ心までまわらなかったし・・・。
「それにいじれそうだし、使えそうだし」
「それって、僕の評価続きですか?」
おもちゃにパシリか・・・・
「瑞樹ちゃんにもメリットあるじゃん〜!女免疫つけられるし、
なにより美女は目の保養だ!もしかしたらポロリもあるかも?」
・・・・・・
「モハ101,クハ201、サハ301・・」
「なにそれ?呪文?」
「ええ、見失いかけた自分を取り戻す呪文です。ラリホーです」
どうやらこの5人が正式にミステリー研究会に所属決定のようです。
鈴会長、蘭さん、春香さん、夏美さん。・・・それに自分。
どうにも前者とはつりあわないのですが・・・、
これから平静でいられるかどうか、苦手を克服できるか・・とても不安です。