02 新会員募集
<02 新会員募集>
会員名簿に個人情報書いてます。
1-C 一条 瑞樹 (いちじょう みずき)
<趣味> 鉄道模型
<好きな作家> 宮北洋二(鉄道模型モデラー)
<好きな作品> 北越交通 悦楽駅(宮北氏ジオラマ作品)
たぶん、本来の解答方向は違うと重々承知ですが(そしてそのスジの人しか解らない内容)、
消えた鉄道研究会へのささやかな抗議なので許してもらいたい。
「ちゃんと出してね」
「・・・はい」
我が反抗は弱い。
「蘭、例の入会希望者はどう?」
「それさ~、うまくいけそうなんだよね~!」
どこからの情報なのか、この鉄道ミステリー研究会(鉄道削除)に入りたいなる
人物がいるらしい。
やはり入会テストがあるのだろうか?
先日あの後、なぜ二つ隣の駅まで行かされたのか八神会長に聞いてみた。
「駅前の建物」
「え?建物は閉まった元商店みたいなのしか無かったですが・・・」
「そこが部室ですわ」
「部室?」
???
「この教室は勝手に使っているだけ。会は私的なサークルで学校とは関係無しですわ」
「すると、学校活動での倶楽部でもサークルでも無いと」
「私のことは ”りん” と呼んでね。字で書くときは怪しげにRin」
「・・話、つながらないのですが・・・」
そのRin会長の目が柔らかく笑った・・ように見えた。
瞬間ヤバいくらいにドキドキしたため、いそいで目をそらして
電車の形式番号を妄想しておさえた。
説明は三木先輩にひきつがれて続く。
「あのさ~、鉄道ミステリーだから簡単なヒントで目的地に行けなきゃダメかな~って。
で、基地の場所を教えておいて、ついでに帰りにシュークリーム欲しいかな~っと」
簡単ですが、よ~っく解りました。
「でも、駅でのヒントや座席の封筒って、どうやって仕込んだんですか!?」
「そこは大変だったんだよ~!」
と、待ってましたとばかりにイスの上で足をアグラに組み直してから。
「まずリンが封筒渡すでしょ!それからバイクで早川口駅へ先回り・・・」
「え、蘭さんが?」
「違うよ、リンが」
「え?え?鈴会長バイク乗るのですか?」
「恥ずかしいですわ」
「イメージでは乱暴な蘭さ・・」
パン!
・・・・・本が降ってきました。
「で、瑞樹ちゃんが乗ってきた電車に乗り込むの」
「でも、駅にはだれも居ませんでしたが」
「見つからないようにね!瑞樹ちゃん一目散に改札目指してたでしょ。その後でね!」
「・・・全然気付かなかったです。じゃあ引き返す電車の封筒も?」
「そ!次の駅で反対方向の電車に乗り換えるとあの電車なの。」
そんな行動力を目の前で静かにお茶している鈴さんが・・・なんて
想像つかないのですが・・・。
「意外性って魅力!でしょ〜」
心をよまれた。しかも深い部分まで・・・・。
「で、反対方向の電車で指定のボックスに座っておくのね。始発だから席の確保はわりあい簡単なの。」
まあ、こんな奇麗な人が静かに座っていたらそのボックスは避けるだろうな・・・。
「まあ、恥ずかしいですわ」
今度は鈴さんによまれた・・・。しかも自分の魅力を充分に理解している。
「早川口駅に着く直前に席を立って隣の車両に移るのね。あとは一緒に北口改札の鈴八ってわけ。」
なんとまあ手の込んだ・・、まるでイタズラをしかける子供みたいです。
「はあ・・・、短時間のテストですが充分な行動力ですね・・・。ところで蘭さんは出てきてませんが?」
「私は~、アレよ~!留守番してたのよ~」
「蘭さんは、陸・上・部 の大切な練習がお有りになりますので。」
最後に鈴さんが優しくかばった言葉・・・・は、じつはそちらもサボっていた
蘭さんにグサッとつきささる嫌み。
しばし二人の目でのやりとりがあったらしい。
「あ、鈴八ってリンの家のお店だから!。で、昨日のとっても美味しい
シュークリームはリンお手製のウエルカムスイートなのでありました~!」
蘭さんの持ち上げ、よいしょ、点数かせぎらしいです。
「あと部室は私の家であります~!」
え~!そうだったのか~!!!、あぶなくボロ家と言いそうでした・・・。
蘭さんはいかにも元気で活発な女子であり、ショートカットで童顔。
そこにおそらく爆●なのも含めて充分にモテるだろうなあ・・・・であります。
この性格が抗して僕も目を見て話せますが、静かに見られたら3秒持たないかと・・・。
「そして例の新会員の件、新入生女子2名が確保されておりま~す!」
話題を変えた蘭さん。
どうぞ~!と入口に手をかざしたことで目を向けると、
そっくりな女子2名が立ってました。
また女子が増えるのですか・・・。
しかもミニ会長系で可愛さアップした感じです。
ああ。。。目が泳ぎます。




