17 8月のラプソディー
<17 8月のラプソディー>
暑い・・・・
「これが蘭さんのです」
「なんかスゴイの用意したね〜。これ腕とかゴテゴテ付いてるのにボディー部分の布少なくね〜?」
「大きく動きますと角が刺さりますので要注意です」
眠い・・・
「このレオタード着てから上着を付けていきます。」
「あら、すいぶんと切れ込みが深いですわ。ここの部分はレオタードが見えてますわね」
「思った通り、会長は背も有ってスタイルが引き立ちます」
エロい・・・
「私、なんだか化粧濃くない?これじゃ顔解らないわ」
「先生はそのほうが良いかと思いまして、ダークサイドキャラにしました。」
「あ〜・・・、まあバイトがバレると不味いかもだしな〜」
・・・・・・
「瑞樹さん、はじまってしまうとカメラの人たちに囲まれてしまいます。」
「今のうちに1カットお願いできましたら・・・」
「あ、了解です。では皆さん、ブースの前で並んでください。いきますよ〜」
カシャっ
これは春・夏・姉妹の言っていたアルバイト。
そして、ここは真夏のお台場なのです。そう、夏コミ。
まさにお台場最大のイベントで、3日間での入場者はいったいぜんたいどれくらいになるのか・・・
僕には皆目見当つきません。
とある喫茶店が、店の宣伝かねて出店してます。オリジナルグッズの販売などもあります。
ところが、スタッフ自体が自分で出店してたり、お祭りを楽しみたい・・・、まあ
充分わかる理由で人員不足となってしまうのです。
ですので、この日だけの臨時スタッフ兼宣伝員アルバイトであります。
どおりですぐアルバイトOKとなったわけです。
一応写真選考だったらしいのですが・・・・
(お願いしても来て欲しいだったとか)
男の僕はあまり必要なさそうかと思ったのですが、販売員&人足担当・・・です。
裏方ですね。
<<会場しました!>>
会場に入る前、ちらっと外見ましたらすさまじい数が並んでました。
いったいどこまで続いているのやら・・・。
その全員が入るのか?と少々怖いです。
「お願いします〜!握手してください〜」
「写真いいすか〜」
「こちらにも!」
「いつ入りなんですか!今度いかせていただきますので」
・・・・・・
「でも、通常のコスとはずいぶん違うのかと思われますが・・・」
「そこは良いみたいです。」
「なによりインパクトが重要とのことです」
「先生は急な参加表明でしたが、よく大丈夫でしたね。その、年齢的にも・・」
「ああ、海水浴場での写メ撮りまして」
「見られた店長さんが、是非とのことで」
・・・なんでも良いんだな。
「けっこう琴線に触れたみたいです」
「店長さん、少しMみたいですので」
ああ、最初お会いしたあのメガネの人ですね。
たしかに・・・、二宮先生の後で・・・少しうつろになってます。
わ、会長の周り、何人か正座して会長をおがんでますが・・・・
女神降臨とか言って・・・
「・・・・蘭さん・・・、あの、少し危ないです」
「・・ん?なに?」
「その・・・・見えそうで・・・」
「ほお〜、よく見ているな〜、見たい?」
「・・・・いえ、あ、・・・みたいですが、見られたくはないです」
「よしよし、ヨイ子だ」
先生・・・・、その飲み物、酒じゃないですよね・・・。ここは禁酒ですからね!
「気分を盛り上げるためよ!顔みてもメイクで解らないから大丈夫」
・・・・息と態度でもろバレです・・・。
姉妹は・・・・さすがに慣れているな。
ポーズ決めている。ほんとに男性恐怖症なのか?
「今は人間である春香ではない」
「夏美は俗世界での仮の姿だ」
そうですか・・・・。決まってます。
「なんか、露出度少ないような?」
「あら、それはもっと肌を見たいと?」
「私たちの魔の魅力にとらわれてしまったのね」
何といえばよいのか、全身を透けている布の帯で巻かれた感じのコスです。
なんかのアニメ?それともゲーム?
「いや、あっちの面々に用意したのに比べて・・・と思ったので」
もちろん、先の3人のことです。
「「たまたまですわ」」
たまたまねえ・・。そうなんでしょうが、なんか少しウラがありそうで。
たとえば向こうの3人をいけにえにしているとか。まあそれぞれ特筆の
スタイルですから見栄えも光ってますが。
僕でもそう思うわけで、もしもそれが事実だった場合は彼女たちにも
理解されている確率も高そうです。
「「・・・たまたまですわ」」
そう願っております。
あ、少し場内が寒くなったような・・・。
「「今日はお疲れさまでした〜!」」(春・夏)
TMS基地、蘭さんの部屋まで戻ってきました。
「ほんとうは、来週あそこに行きたかったのですが・・・・」
鉄道模型のイベントが有りますので・・・・
その元気残ってない。
「ほんとうに新鮮で楽しかったですわ」(鈴)
「なんだかあまり記憶ないわ〜」(二宮)
「先生がダウンしたので、車で送っていただいたのですよ」
「あたしの格好って、結局なんなの? 来る人に決まった変な言葉かけられて」(蘭)
「あの、皆さん、お疲れになったかと思いますので、そろそろ着替えた方が・・・」
・・・・ええ、まだコスのままです。車で帰ってきたので良かったのですが。
「だってさ〜、脱ぎ方解んなくて。」(蘭)
「これ壊したら申し訳ないのですわ」(鈴)
「でもシャワーあびたいわ〜、このメイクが辛い」(二宮)
「じゃあ、いっそ皆で入っちゃう?」(蘭)
「そうしよう!春・夏・脱がせておくれ」(二宮)
「あ、ああ〜、ちょっと待ってください、僕帰ります〜!」
「何いってるの〜!これから打ち上げでしょ!飲むわよ〜!!」(二宮)
「そうですわ、もう咽カラカラです」(鈴)
「会長、手のそれ、ノンアルコールじゃないですよね〜、いつの間に・・・。そしてまた、あの日と同じに・・・」
「じゃあ私たちがシャワー入っている間に買い出しお願いね〜!」(蘭)
「え、僕が?」
「じゃなきゃ、皆で引き連れて買い出しいくわっよ!」(蘭)
「・・・・・行ってきますので、早くすませておいてください・・・・・」
あああ、未成年の僕に調達できるだろうか・・・・
こうなるのだったら・・・、玲子さんにも残っていただくべきだった・・・。
「早く寝ないとお肌に良くないのよ〜」
・・・僕は・・・、精神に良くないです。