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Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ  作者: 桜葱詩生


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Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #95

※2026/03/09誤字脱字を修正しました


セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #95



「いいぜ」


だからってなぜ こっち向いて手のひらを重ねて 持ち上げようとする?


「お前…そうか、軍に入るのは必然だったな」


ここら辺の国で徴兵がないのは こっちぐらいだからな


「ああ? こうするのが手っ取り早いだろう? お前ぐらいなら持ち上げられる」


「いや…すまない。壁に向かって座って肩に乗っかる…ってのを想像してたから…まさか、ニンジャが壁を乗り越えるってやり方をするとは思わなかったんだ」


「ニンジャ? ああ、K国発祥の特殊工作員って奴か…あんなすごいもんじゃねえよ」


「それはほかではいうなよ…とくに同盟国でいうと袋叩きにあうぞ」


ジャパニーズニンジャ サムライ ウキヨエ 異国のものは魅力的に映る


「ああ、それぐらいは知ってる。なんにしても問題にしたがる奴がいるってのもな」


そうか


「だが…そのやり方でどれぐらい維持できる? ここは…たぶんだが瞬発力より持久力が試される場面だ。壁に向かって背中を向け。肩に足をかけるが…我慢してくれ」


「ちっ、仕方ねえな…ほらよ」


「ああ、すまない。お前には頼りっぱなしだな」


「ふんっ、何いってんだ。口先だけの礼なんていらねえよ、腹の足しにもなりゃしねえ」


そういって 奥のタイルの壁に向かって しゃがむキム


………


「お前…もしかして、腹が空いてるのか?」


「ああ…空いてるな。こっちに来て…はじめて空腹って感じてる。ゲームなのにそんなことを感じるとは…なんかすげえな」


………


それは…いよいよまずいかも知れないな


このゲームはサバイバルホラーではない あくまで死に戻り 生き残ってなんて甘っちょろいやり方ではクリアには辿り付けない いや…辿りはつける 奥のエレベーター その先にある救急搬送用出入口 そこが開く 通り抜けられる 鍵もかかってない 出られる 一番簡単なクリア ただし、一回だけ


タイニーエンド


その後があるがな


だからゲームとして余分なものは失くしてある 除外されている 空腹 睡眠 排泄 性欲 希望 5大欲求 生存に必要なもの ゲームに不必要なもの それは設定されていない ドラクエで歩いている最中 空腹で動けなくなった なんてことはない それはローグライク…チョコボが途中で空腹になってヘタったら…クレームが来る


スニーク(忍び)N’()ハイド(隠れる) リドル(謎解き)N’()リリース(解除) そして死に戻り 重点はそこ それ以外は…いらないものは 感じない


煩わせるもの 飢餓 虚脱 栄養失調 生理的身体的不足は考えない 同じ意味でも真意が違う


そしてもうひとつ


普通の食事が欲しい のなら何ら問題はない これが…人を喰いたい になったら?


メーカーが求めている(見せたい)もの それは死ぬ場面 死ぬ体験 仲間同士での殺し合い 仲間なんていないゲームで? 趣向が変わるが…まあいい


死ぬ体験 仮死経験 そこに何の意味がある?


これの真意は…どうでもいいか



「どうしたんだよ? おい、マイケル」


思考の渦 それに巻き込まれて停滞していた ここでは死を意味する オレは良いが…これ以上キムが死ぬのは得策ではない


どうするか……


「いや…すまんな。この墨みたいな黒い奴に心当たりがあってな…この先にはたぶん、まずい奴がいる。この二本で対処できるかどうか…わからない」


「おいおい、やめてくれよ。ならおれがいった方がいいんじゃねえか?」


「いや…オレなら死に戻るだけで済む。お前より被害が少ない。ホースが下りてこなくて、時間がかかるようなら薬剤室に一旦、戻ってくれ。お前ならナース程度にはやられないからな。この階なら…比較的安全でいられる。オレは絶対、戻って来る。死んでか…生きてかはわからないがな」


隣人もこの階にはもういない…はず なにかほかのことが起きない限り そんな条件(希望) そんなものにまで縋りつかないといけないとは…希望(欲望)? どこにそんなものがある


「そんな退屈なこと、してられっかよ…いいか? 絶対にホースを降ろせ、そしたらおれがそいつをぶん殴ってやる。お前はとにかく、先に進むことだけ考えろ。モンスターどもはおれがなんとかする。それでいいだろう?」


「ああ…それでいい」


ポンコツだが頼もしい相棒か


「じゃ足をかけるぞ」


「ギブスが痛ってーな…何とかならないのか? それ」


ああ


「そのうち壊れる。それまでは…このままだな」


ここには何も入ってない 壊れてもなんともない…早く壊れてくれた方が歩くのが普通になってラク


「いいぞ…上げてくれ」


キムがゆっくりと 壁に手を当てつつ バランスを取りつつ 立ち上がった


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