Try n Dead 狂気系不条理ホラーゲームに転生させられたオレはゆるく死に急ぐ #91
セント・ミカエル・ラザフォード病院からの逃亡 #91
男子トイレ キムの不思議な挙動 トイレに頭を突っ込んだ…いや頭はここか 男に反応して 顔を背ける 口を手で塞ぐ
「心当たりがあるらしいな」
「いや…何でもねえ……」
呑んでも呑まれるな、か
「そいつも倒したのか?」
足で示す 吐いている男性にはそんなんでいい 非礼とか無礼とかはいうな
「いや…覚えはねえ、そもそも…こんなとこ通ってきたのか? おれが? 足の踏み場もねえし…この感触、気持ちわりぃ」
お前な……
「オレなんて片方は裸足だ。それでこんなとこを踏んでいる。それぐらい我慢しろ」
ギブスも足も 入り込む感触が生肉だが 文句はない うどんを作るときに踏んでるようなもんだ
「そういえばそうだったな…靴なんて手に入んのか?」
「ない、クリア後のスキン変更であるだけだ」
そのスキンも…一着のみ
「そんなのもあんのか…ほんと、遊んでるんだか、本気なんだかわかんねーアプリだ」
そういうキム 女子トイレでさらに、ふさぎ込んだ
「さすがのおれでも…これはやべぇ、ないわ。歩きたくもねえ……」
下に敷かれたものを見て めげる ふむ 通ってきた奴のセリフか? 女子に負い目のあるやつは極端になる
「ただのテクスチャーだ。現実じゃねえ、実物に見えてもな。ここはそう見えているだけのフェイクだ。そう考えろ」
「いや…んなこといわれたってなあ……」
世界のあらゆる現実は、どう受け止めるか、だ その人物が、そう受け止めた、のなら、その人物の現実はそれになる
そこに他人の入り込む余地はない 現実は受け取り方の問題だけ 感覚が実在なら、それは現実
それを否定する すなわちそれは、受け取る人物の否定となり その行為の否定はそう行うものの否定へとつながる
そうではないんだが…めんどくせー世のなかだ
昔のヤンキー漫画の不良がやるような 和便器での座り方 キムはうなだれる
「行くぞ…ここには人形がいる。こっちに反応してくるが…何かの拍子で出てくるかもしれねえから気を付けろ」
「何だよそれ?」
「行けばわかる」
そうアントニオもいっている 気づかずに通って来たって方が問題なんだが……
「うえー、なんとかしてくれマイケル。気持ち悪い」
「ないようなところを踏め。ただ、そこに穴が開いて……」
ズボッ
「うおっ」
足を取られるキム つんのめって…金網に手をかける その向こう 人形がそれに反応して立ち上がって 首をかしげて 金網に近寄る 目を合わせてくる
「うおうっ…こんなのが入ってんのかよ…さすがにこういったもんには反応したくねえ……、………、でもよく見るとよくできてるな」
「誰もがお前みたくモテるような奴じゃねえからな」
「…やっぱわかるか? そんな嫉妬したってうれしかねえけどな」
ただの持ち上げるための言葉 それにさえデレるキム なんでそんなフラグが立ったのか わからん
女子トイレ 途中から暗くなる仕掛け しり込みするキム そんな形して暗いところがいやとか…なんでだ?
穴を確認 左右 金網で区切られた人形がいる間からしか 天井は確認できない どうも…いやな予感しかしない
「あそこだ…ライトがあればよくわかるんだが…これ以上向こうに行くと徐々に暗くなっていき、最後には見えなくなる。位置を見失う。右手でドアを触って…そこの正面にまで行って横に入れ」
不思議なことに…ここからなら入口のドアまで ぼんやりとだが見える 明かりは届いている だが、一歩でも進むと 徐々に暗くなり、見えなくなっていく まっすぐに進むだけなら何ともない モップを使えば位置も特定できる
「見失ったら…なんとか戻れ」
「マジか…手を繋いでいくっていうのは?」
「男と手をつなぐ趣味はない」
それぐらい自分でやれ
「なんだよ…優しくねえなあ……」
「男に優しくされて喜ぶな」
たとえ世のなかの評価が男性基準でそっち優位になっていようとも、だ
「………」
「いくぞ。トイレに入った途端、移動方法がバイオ1にならないことを祈れ」
「あ? なんだ? バイオ1って?」
ああ…「レジデントエビル」
「そんな古いゲームはやったことがない」
名作だぞ? 珍しい奴もいるもんだ
「いくつかのゲームでも…そういった操作方があるだろう? 左アナログスティックで前後左右、右で回転上下、標準を合わせる」特にアメリカ産のFPSはこのタイプが多い「それの初期のものだと思え。操作が左のみ。左右でその場回転、前後でその向いた方向へと移動する。直感的に動けないから徐々に廃れていった」
難易度を上げるためにそうしているゲームもある
「そんな昔の奴もやってるんだな。感覚でできるじゃねえか……」
感覚か……
「名作はどんなものでも文句なく触れ。ゲーマーとしてやってねえほうがおかしい」
「うるせえよ…なあ……」
「なんだ?」
隣人は出ない だが、時間フラグは経つ こんなとこでぐずぐずしたくはないんだが……
そんな心配をよそに
「お前…女だろう?」
そんなことをキムはいいだした




